販売員の誰もが使えるデータ活用基盤の構築を目指す
2024年に「人を挑戦に導き、人と自然の可能性をひろげる」という新たなパーパスを掲げ、多くのアウトドア・スポーツブランドを展開する株式会社ゴールドウイン(以降、ゴールドウイン)。パーパスのもと成長戦略を進める同社にとって、直営店は「顧客視点」の最前線であり、そこから生まれるデータを活用することは店舗改革推進において重要になるが、従来活用してきたBIツールにおいて課題が顕在化していた。「レポート開発のたびにベンダーへの依頼が必要で、開発中に仕様が陳腐化する問題を抱えていました。また、情報が散乱し業務連携の阻害も招いていたのです」と管理本部 システム部 基幹システム刷新東京2グループ リテイルチーム 渡辺 勇人氏は当時について振り返る。

さらに現場では、会員分析やインバウンド分析など複数のツールが混在し、必要なデータにたどり着くまでの負荷が課題となっていた。販売本部 東日本販売部 販売1グループ マネージャー 大庭 良治氏は「店舗におけるデータ活用では、誰もがすぐにアクセスできる環境が求められていました」と語る。

直感的な操作性とデータ一元管理が採用の決め手に
そこで、直営店向けデータ活用基盤の選定に着手するなか、同社が注目したのがウイングアークのBIダッシュボード「MotionBoard」とデータ分析基盤「Dr.Sum」だった。「開発・利用の両面で直感的に扱える“使いやすさ”が大きな強みでした。また、求めていた商圏分析機能を備えている点も評価したのです」と選定の理由を渡辺氏は説明する。ダッシュボードとデータ分析基盤が連携することで、POS、会員、インバウンドなどの多様なデータを一元管理できるなど、同社の課題解決につながる仕組みとして評価。また、高度な専門スキルが不要で、入社2年目の渡辺氏でも主戦力としてボード構築可能になり、1ボードわずか3~4ヶ月程度で作成できるなど、開発面での使いやすさも高く評価したのだ。
さらに、将来的な業務基盤としての拡張性とともに、ウイングアークが誇る小売DXスペシャリストによる現場に即した提案など、業種に特化した支援体制も高く評価したという。
現場目線を重視したダッシュボード開発と業務ルーティン化
現在は、消化実績、販売実績、商圏分析、免税実績の4つのボードを運用。国内全直営店の3年分にわたるPOSレジ明細データを蓄積し、分析・可視化が可能になっている。以前はデータが一元的に管理できていたものの集計処理がリアルタイムでなかったが、今は直営店データをDr.Sumに取り込むことで、現場にある既存レジ店舗システムから直接MotionBoardにアクセスでき、前年対比や会員ランクの変化を即座に確認できる。大庭氏は「ダッシュボードで確認・判断することをルーティンに組み込み、販売員が意識せずデータを活用して提案力を高めていくことがポイントです」とその意義を強調する。

当初本部で作成したボードは現場の実感と差があったが、販売部と対話を重ねることで、見せ方や機能への理解を深めていくなど、現場との「乖離」をうまく埋めていった。また、エリアマネージャーが実際に操作して改善点をフィードバックするプロセスを繰り返すことで、使い勝手の優れた環境を整備することに成功する。構築プロセスでは、ウイングアークの迅速なオンライン支援やユーザー会を通じた知見の共有も大きな助けとなるなど、ウイングアークの伴走型サポートの質について高く評価する。
データドリブンな店舗改革で顧客価値の最大化へ
MotionBoardの導入により、本部と店舗が共通の指標で課題を共有できる体制が整った。同社は今後、自店と他店の比較機能の追加や、お客様の声といった定性的データ、さらには在庫・客層分析への取り組みも視野に入れている。現場からはAI活用による日報自動化への期待も高まっている。 渡辺氏は「直営店のデータ活用はスタートラインに立った段階。これからはデータドリブンな販売促進・マーケティングを推進し、売上成長と顧客価値の最大化を実現していく」と展望を語る。データを武器にしたゴールドウインの店舗改革は、同社の成長をさらに加速させていくことだろう。






