
日本ファシリティ・ソリューション株式会社
現場部門とICT統括室が一体となって推進
Excelデータまで統合し、活用できるクラウドデータ活用基盤へ

- 業種
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電気・ガス
総合エネルギーサービス事業で成長を続ける日本ファシリティ・ソリューション株式会社は、データを最大限活用することで、設備の予知保全をはじめとしたサービス領域や業務最適化などバックオフィス領域、そしてデータによる意思決定を加速する経営領域など、得られた情報をさまざまな企業活動に生かすべく、クラウドを活用した全社データ活用基盤を計画。現場に展開する設備の多様性とともに、基幹システムの変遷によって残された過去データや分散していたExcelデータなど処理フォーマットやシステムの違いにより、導入済みのBIツール単体でデータの収集や蓄積、可視化に限界を感じていたが、ウイングアークのデータ分析基盤「Dr.Sum」やBIダッシュボード「MotionBoard」、Excelをはじめとしたスモールデータを効率的に収集する「SmallData Manager」を合わせて導入。ICT統括室と現場部門が密接に連携することで、データ収集の自動化と一元管理を実現し、設備の運転状況を可視化、分析することで効率的な設備運用の取り組みを進めながら、意思決定の質を高めるデータドリブン経営を加速させている。
導入背景
効果保証付き省エネルギーサービス(ESCO)や設備の設計から保守・点検までを一括で提供するエネルギーサービス事業を展開している日本ファシリティ・ソリューション株式会社(以下、JFS)では、2023年に全社データ活用構想を策定し、長期保管されたデータを活用して予知保全やサービス最適化、データドリブン経営などの実現を目指していた。しかし、データの分散や設備の多様性が影響して、導入済みの他社BIツールではデータの収集が難しく、Excel中心の属人化した業務やデータ収集の膨大な工数が大きな壁となっていた。
- 課題
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- 他社BIツール単体ではデータの分散や設備ごとの多様性に対応できず、データ収集が困難
- データ項目やフォーマットが不統一で、過去・現在・将来のデータが繋がらない
- Excel中心の業務でデータ収集の属人化とともに、手作業によるデータ加工の工数負担が増大
- 解決策導入ポイント
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- 「Dr.Sum」と「MotionBoard」により、DWHとBIがシームレスに連携する基盤を構築
- API連携によりkintoneからのデータ取り込みを自動化し、工数を大幅に削減
- 「SmallData Manager」の活用により、システム外のExcelデータも一元管理
- ICT統括室と現場部門が連携し、実務に即したダッシュボード開発を推進
- 効果
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- データ連携の自動化により、週1回行っていたデータ収集・加工の手間から解放
- 太陽光発電による実績と計画のズレを30分単位で分析、精度の高い補正処理が可能に
- 複数部署にまたがる予算策定データを自動収集し、経営管理の工数を削減
- 予算に対する、実績、計画、見通し等との案件/サービス分類/担当組織毎の比較分析が可能になり、意思決定の質が向上
“BIだけでは足りない”浮き彫りになったDWHの必要性
保守履歴や運転実績をはじめとしたサービス関連のデータをはじめ、案件情報や収支含めたバックオフィスが持つ情報など、多様なデータを保管、分析することで、サービス最適化やバックオフィス業務の品質向上、意思決定の質を高めるデータドリブン経営など、データ利活用による企業活動の全体最適化を図るためのDX戦略を推進しているJFS。2000年に設立から進めてきた新規提供中心の体制から、運転データの活用などにより既存顧客への価値創造を強化する方針へとシフトしており、顧客視点でのES価値向上や経営視点での管理力向上、収益力拡大を大きな柱として、DX適用やICT進化、そして全社のリテラシー向上をミッションに事業を推進している。

なかでもデータ活用については、2023年に全社データ活用構想を策定。「データが正確に長期保管され、サービス・経営・業務処理といった各種領域のデータ活用が進むことで、予知保全・サービス最適化、データドリブン経営、業務全体最適化などの実現を進めています」とICT統括室長 城所 敏夫氏は説明する。実は、当初は他社のBIツールの導入したものの、根本的な課題に直面することに。データの分散や設備の多様性により、可視化の前段階である「データ収集」が極めて困難だったという。収集するマスタのデータ項目やフォーマットは多様であり、同じマスタでもシステムリプレイスなどによりデータ項目が変わるため、蓄積データの連続性が保てず、案件情報の長期保存やExcel中心の属人化した業務も懸案事項となっていたのだ。

クラウド環境でデータ分析基盤とダッシュボードをワンセットで活用できる
データ活用に向けた新たな環境整備に向けて、これまで手作業で行っていたデータ収集や蓄積が自動化できること、そしてExcelをインターフェースとして蓄積可能な保管データとして取り込める環境を希望した。また、従来のように自前でDBを構築して運用するよりも、性能や容量を気にせずに運用でき、最新技術への追従も容易なクラウド環境でサービス利用できるものが理想的だった。
そこで同社が選んだのが、ウイングアークのクラウド型データ分析基盤「Dr.Sum」とBIダッシュボード「MotionBoard」の組み合わせだった。「クラウド環境でデータ分析基盤とダッシュボードをワンセットで提供するソリューションは他にありませんでした。蓄積してすぐ活用できる点は、まさに当社が求めていたものです」と城所氏。現場に根強く残るExcel業務への対応として「SmallData Manager」が利用できる点も大きな魅力の1つだったという。
柔軟にAPI活用が可能なだけでなく、ローコードで必要な情報の可視化が容易な柔軟性の面でもウイングアークのソリューションを高く評価。結果として、Dr.SumとMotionBoardを新たなデータ活用基盤として採用することになったのだ。
API連携とExcelデータの統合で、データ収集を自動化
2024年11月に新基盤が本格稼働し、現在は既存BIツールからMotionBoardへの移行が進みつつある。技術企画室 リーダー 南部 秀樹氏は「従来は当社データベースから設備の運転データをCSV形式で出力し活用していましたが、今はDr.SumとMotionBoardの連携によりCSVを介する必要がなくなりました。データ連携が容易になったことで、移行時には分析項目の拡充も行っています」と説明する。

この新基盤は、現場の業務を変えつつある。エネマネ推進室 副室長 大須賀 崇氏は、「ダッシュボードを使って月間の実績と計画を比較し、予測や運転のチューニングに役立てています。また、太陽光発電による電気を送配電ネットワーク経由で送る自己託送の運用サービスでは、MotionBoardで分析したデータをもとに30分単位で予測値を立て実績値とのズレを補正しています。既存BIツールではスクラッチ開発が必要でしたが、新たな基盤では365日運用されるデータの自動取り込みと反映が容易になっています」と評価する。

経営管理の面では、複数部署からのデータ収集が容易になったという。「1つのプロジェクトに複数の部署が関わるため、中計策定においてはExcelで各部署からデータを吸い上げ、集計したものをまたExcelで確認していました。今はダッシュボード上で各部署の情報から寄せられた情報が画面上ですぐに確認できます。明細ごとに集計した値も確認できますし、過年度情報の推移や今後の計画や想定も含めて経年比較が容易になっています」と企画室 マネージャー 小熊 克典氏が語るように、全社的な意思決定の迅速化に寄与している。

構築において最大の成果は、データ連携の自動化による工数削減だ。kintoneで管理されている案件情報やサービス提供している各設備の運転データは、Dr.SumのAPI経由やバッチによるファイルの自動取込で簡単に自動連携が可能になった。「従来、週1回以上取り込んで加工していた手間から解放されました」とICT統括室 リーダー 佐藤 梓氏は力説する。既存サーバーの容量不足の不安も解消されるなど、クラウド化のメリットを強調する。

また、SmallData Managerを活用し、形式の異なるExcelデータもDr.Sumへ集約し、一元管理を実現。「SmallData Managerによってcsvとは異なるシートのフォーマットの形式の違いを吸収できるため、Dr.Sumと連携し、システム外のExcelも一元管理を実現できます」ICT統括室 シニアリーダー 山下 浩明氏も評価する。さらに、内製化していた案件の場所をマッピングした地図機能などもMotionBoardに統合。「ユーザー部門にとっての使いやすさを重視し、複数のツールに跨っていた機能を1つのダッシュボードに集約できました」と佐藤氏は手応えを語る。ダッシュボード開発しながら特性を学習できるウイングアークの伴走型サポートも高評価だ。

現場の知見とICTの技術が融合、データドリブン経営への進化
今後については、顧客へのサービス提案領域にもMotionBoardで得られた情報を活用してくことで、さらなる提案力強化につなげていきたいという。また、ダッシュボードの利用拡大に向けた施策にも取り組んでいきたいと意欲的だ。「AI機能の活用も視野に入れ、現場部門と共にダッシュボードの利用を拡大していきます」と城所氏は展望を語る。ICT統括室と現場が手を取り合う「共創モデル」を軸に、エネルギーのベストパートナーとして脱炭素社会の実現に向けた歩みを加速させていくと今後について語っていただいた。
Company Profile
日本ファシリティ・ソリューション株式会社
設立:2000年12月
本社所在地:〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷4丁目25番2号
主な事業内容:ESCO事業、エネルギーサービス事業、電力小売事業など
URL:https://www.jfs.co.jp/
(写真左から)日本ファシリティ・ソリューション株式会社 技術企画室 リーダー 南部 秀樹氏、企画室 マネージャー小熊 克典氏、エネマネ推進室 副室長大須賀 崇氏、 ICT統括室長 城所 敏夫氏、 ICT統括室 リーダー佐藤 梓氏、 ICT統括室 シニアリーダー山下 浩明氏
導入製品
Dr.Sum
あらゆるデータをリアルタイムに収集・蓄積・分析する、データベースエンジンを軸としたデータ分析基盤。10億件のデータも1秒台で集計する超高速集計を実現。
MotionBoard
様々なデータを統合・可視化するBIダッシュボード。統合・可視化にとどまらず、データ入力や柔軟な画面設計で業務に必要なアプリケーションをノーコードで作成可能。
SmallData Manager
システム化されていない社内に散在するExcel・CSV等のスモールデータを収集・整備し、ノンプログラミングで加工処理を自動化。現場の一次データの活用を実現。




