Salesforceのグローバル活用で浮上したデータマネジメントの課題
KDDIでは、世界190以上の国や地域で利用可能なKDDI Global IP-VPNサービスをはじめとした、高品質で信頼性の高いシームレスなグローバルネットワークサービスを提供している。
これらのサービスに関連する多様なデータを一元的に管理するため、KDDIが活用しているのがSalesforceだ。ただ、その運用に関しては様々な課題を抱えていた。「特にデータマネジメントの観点から煩雑な手間が発生し、システム管理上の悩みとなっていました」と語るのは、同社 グローバル事業企画本部 グローバル経営管理部 5グループのチームリーダーを務めるマネージャーの高橋 昭彦氏である。
案件・顧客・契約等の情報は継続的なメンテナンスが欠かせない。さらに契約管理や請求処理などを担っている会計システム等の社内システムとの情報授受も多数あるため、Salesforceに対して大量データの入力、出力、修正、編集などの作業が発生する。
もちろんSalesforceでも、大量レコードの新規作成・更新・削除・出力などを行う標準ツールとしてレポートやデータメンテナンスツール(DataLoader)を提供している。しかし、その作業は必ずしも効率的とはいえなかった。
SalesforceのデータをレポートやDataloaderを用いて一括出力し、Excelなどでデータ加工を行った後、ふたたびDataloaderを用いてSalesforceに戻す手順が一般的だが、その成功/失敗の結果は別途ログファイルを取得して確認しなければならない。
「仮にログファイル内にエラーが表示されていた場合、それがどのレコードで発生したものなのかを目視で探し出して修正しなければなりません。データが1万件を超えることもあり、長時間を要するストレスの大きい作業となります」と高橋氏は語る。
大量データの煩雑なメンテナンス作業を驚くほどに効率化
上記のような課題を抱えていた中、2016年12月に訪れたあるベンダーの展示会で目にとまったのがウイングアークのVyNDEXである。
Salesforce上のデータに直接アクセスし、Excel上で自在に参照・追加・編集を行うことができるクラウドサービスだ。
例えばデータの検索、絞り込み、並べ替え、コピー&ペーストなどの操作も通常のExcelと同様に行えるため、一括メンテナンスを行う際にも修正対象のデータを簡単に探しだすことができる。また、編集を行ったセルは自動的に色が付けられるため、一目で見分けがつく。最後に確認して書き込みボタンを押せばSalesforceへの反映は完了する。
「特に便利なのは、Salesforceへの書き込みを行った際に、エラーが起こったセルをすぐに確認できることです。要するにExcel上でエラーがなくなるまで修正と更新を繰り返していけば、確実に正しいデータを反映することができます」と高橋氏は評価する。
さらに魅力的だったのが、1ユーザーあたり月額980円で利用(※基本ライセンスは10ユーザーからの契約)できるリーズナブルなライセンス費だ。14日間VyNDEXを無料で体験できる評価版も用意されており、高橋氏は「その場で導入を決めました」と語る。
周辺の定型業務に適用を拡げ効率化・省力化を推進する
こうしてKDDIに導入されたVyNDEXはすぐに真価を発揮した。「グローバルサービスに関する案件および顧客情報の一括メンテナンスの作業効率は、以前の5 ~ 10倍に向上しています。
実際、チーム内のメンバーが丸1日を費やしていたような大規模データのメンテナンスも、現在では30 ~ 60分程度に短縮しています。もうDataLoaderには戻れませんね」と高橋氏は強調する。
さらにこの成果を踏まえ、KDDIはVyNDEXのライセンスを追加導入し、今後に向けて15ユーザーまで利用できる体制を整えた。狙いとするのは、様々な定型業務におけるデータ加工・連携作業の省力化である。「Salesforceから一覧形式で大量データを抽出し、他システムに引き渡す業務あれば、VyNDEXはほぼ汎用的に対応できます」と高橋氏は語る。
先述した会計システムとの連携はその代表的なもので、Salesforceで管理されている契約・見積情報をもとに精算データを作成し、会計システムに連携したり、海外キャリアから寄せられる請求データの集計および確認、精算処理にも活用していく考えである。
さらに高橋氏は、更新フィールドを完全に特定してセルの追加や削除に制限をかけた定型シートを用意し配布することで、データ構造等を熟知していない一般の社員でも、VyNDEXを使って現行業務を効率化できるようにしたいと考えている。
KDDIとして、誰でも簡単に使える大量データの入出力や一括メンテナンスのインターフェイスとして環境を整えることでVyNDEXの適用範囲をさらに拡大し、様々な定型業務の効率化・省力化を進めていく計画だ。





