ユナイテッド&コレクティブ株式会社
役職や業務に応じた自由な切り口でデータを可視化
徹底した内製化へのこだわりで、ユーザーが使いやすいBI環境を実現
- 業種
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サービス
独自の「PISP(Productive In Store Preparation)」戦略を武器に、外食の業態とチェーン店舗を拡大しているユナイテッド&コレクティブが注力しているのが、店舗、エリア、業態、全社といった自在な視点でデータを可視化し、迅速にPDCAサイクルを回せるようにするBI 環境の整備だ。その基盤として3年以上にわたって使い続けてきたのがMotionBoard Cloud for Salesforce(以下、MotionBoard Cloud)で、各店舗、スーパーバイザー(SV)/ エリアマネージャー、経営陣にいたるまで全社への定着を図り、生産性向上を実現してきた。背景にあったのは、ダッシュボードの設計からメンテナンスまでを自らの手で行う、徹底した内製化へのこだわりだ。
導入背景
以前利用していた海外製のクラウド型BI ツールは、データをグラフィカルに表示する機能は優れていたが、肝心のデータ検索や集計機能の自由度が低く、ユーザーからこんなデータを見たいというリクエストを受けるたび、個別に対応しなければならなかった。
- 課題
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- データ検索や集計機能の自由度の高さ
- シンプルで馴染みやすいダッシュボード
- 解決策導入ポイント
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- クラウドベースのサービスでライセンス費も廉価なことから、全社展開が可能
- ウイングアークから提供されたサンプルをベースにカスタマイズできる
- スマートフォンに最適化されたダッシュボードを展開
- 効果
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- Salesforce のデータを個別にExcel に取り込んで集計していた作業時間をゼロに
- PDCAサイクルの迅速化によるスピード経営を実現
Salesforceのデータを個別にExcel に取り込み、1時間以上かけて行っていたデータ集計の作業時間はゼロとなった。最新の店舗情報やメニュー情報などのマスターも自動的に反映されるため、ユーザーはダッシュボードを“ 覗くだけ”ですむ。様々な役職や担当業務に応じた自由な切り口で、詳細なデータを見えるようになり、新たな施策を打つスピードと一人ひとりの生産性が大幅に向上した。
独自のPISP戦略を支えるデータの可視化
「本当に美味しい料理」を提供したい―。その一心から2000年7月に創業したユナイテッド&コレクティブは、博多水炊きなどの鶏料理を中心とする居酒屋「てけてけ」、“Real Fresh,RealBurger”をコンセプトとするハンバーガーカフェ「the 3rd Burger」など、複数の業態からなる外食チェーンを展開。今では店舗数を91店(2019年2月現在)にまで広げている。
外食産業を取り巻く環境が激しさを増す中で、大手チェーン店が諦めてしまった店内での仕込み調理をあえて実践しながら、一部作業を外部委託することで生産性を高め、美味しさと手頃な価格の両立を実現する独自の「PISP(Productive In Store Preparation)戦略」を成長エンジンとしているのが、ユナイテッド&コレクティブの特長だ。
そして、このPISP戦略と表裏一体を成し経営を支えているのがデータの可視化だ。2015年の初頭に海外製のクラウド型BIツールを導入して以来、その基盤を整えてきた。
同社 経営企画部 システム担当の斉藤 はるか氏は、「クラウド上のデータベース(Amazon RDS)に蓄積されたPOSデータ、Salesforceで管理している各店舗の日々のオペレーション情報や従業員の勤怠情報などを一元的に集約し、KPIをスピーディーに見えるようにすることで業務プロセスから無駄を省き、生産性を向上したいと考えました」と語る。
だが、結果的にこのBIツールは組織に上手く定着しなかった。「データをグラフィカルに表示する機能は優れていたのですが、肝心のデータ検索や集計機能の自由度が低く、ユーザーからこんなデータを見たいというリクエストを受けるたびに個別に対応する必要があったのです」と斉藤氏は振り返る。
そんな課題を抱える中であるイベントで目に留まったのが、ウイングアークが出展していたMotionBoard Cloudだった。「私たちが本当に求めていたのは、より柔軟なデータ検索や集計をサポートし、なおかつ外部ベンダーに依存することなくUIの設計やメンテナンスを内製化できるBIツールです。MotionBoard Cloudのダッシュボードはとてもシンプルで馴染みやすく、私たちのニーズに完全に合致するものでした」と斉藤氏は語る。
こうして2015年8月に、新たにMotionBoard Cloudを導入し、BIへのチャレンジを再スタートした。
データ集計の作業時間が“ゼロ”に 様々な角度からKPIを可視化
それから3年以上の時を経た2018年11月、いまやMotionBoard Cloudはユナイテッド&コレクティブのビジネスに不可欠のBIツールとなっている。
「以前も日次の定型レポートを発行していましたが、そこから見えるのは店舗ごとの売り上げと全社の合計値くらいでした。MotionBoard Cloudが定着した現在は、様々な役職や担当業務に応じた自由な切り口で、詳細なデータを見えるようになりました」と斉藤氏は語るとともに、次のような効果も示す。
「Salesforceのデータを個別にExcelに取り込み、1時間以上かけて行っていたデータ集計の作業時間はゼロになりました。最新の店舗情報やメニュー情報などのマスターも自動的に反映されるため、ユーザーはダッシュボードを“覗くだけ”ですみます。これにより大幅な生産性向上を実現できした」
店長は日々の売り上げやコスト、従業員の勤怠などをダッシュボードでチェック。また、スーパーバイザー(SV)やエリアマネージャーは、それぞれの担当店舗・地域に起こっている問題を早期に把握して対処する。そして本部スタッフや経営陣が、チェーン全体の状況を俯瞰した上で新たな施策を立案するという具合だ。「例えば『ランチ顧客単価』といったKPIについて、店舗ごと、エリアごと、業態ごと、全社の自在なスケールでデータを可視化し、迅速にPDCAサイクルを回せるようになりました。MotionBoard Cloudは、こうした柔軟なデータ活用を自然な形で後押ししてくれました」と斉藤氏は話す。
さらに、MotionBoard Cloudの利用環境として、モバイルデバイスを駆使しているのもユナイテッド&コレクティブならではの特長だ。「各店舗を日々巡回しているSVやエリアマネージャーの機動力を最大化するため、ノートPCの配布をやめてスマートフォンに切り替えました。そこで大きく役立ったのがMotionBoard Cloudの『+Mobileアプリケーション』です」と斉藤氏は強調する。
将来予測とプッシュ配信でさらなる進化を目指す
ちなみに現在のダッシュボードは、斉藤氏がほぼ一人で作り上げてきたものだ。社内のほとんどのユーザーがMotionBoard Cloudの柔軟性や汎用性の高さを知っているため、いちいち現場にヒアリングしなくても、「こんな切り口でデータを見たい」といった要望がどんどん寄せられてくる。その一つひとつに応えながら3年間かけてたどり着いたのが現在の形というわけだ。
「どんな画面やメニューを実装すべきか悩むこともありましたが、ウイングアークの活用定着化支援サービスを活用したこともあり、レクチャーしてもらいながらウイングアークから提供されたサンプル画面をベースに自分なりにカスタマイズしていきました。このように内製にこだわったからこそ、BIツールの利便性を組織に定着させることができたのだと思います」と斉藤氏は言う。
そして次の課題として見据えているのが、予測的なデータ分析だ。「外食産業では、『この商品の価格を下げてみてはどうか』『新しいCMを打ってみよう』といったトライアルが非常に多いのです。
その事前シミュレーションと結果の両面から施策を検証できるよう、データを可視化してほしいという要望が経営トップから寄せられており、早期に実現したいと考えています」と斉藤氏は語る。
また、SVやエリアマネージャーなどの現場責任者から期待されているのが、BIからのプッシュ形式での情報発信だ。それぞれの担当店舗・地域で起こっている問題をできるだけ早期に察知するためには、ダッシュボードを覗くまで状況がわからないのでは後手を踏んでしまう。様々なKPIに大きな変化が表われたときにリアルタイムにアラートを通知できれば、よりクイックに的確なアクションを起こすことができる。「この要望に対しては、MotionBoard Cloudをチャットボットと連携させることで応えたいと思っています」と斉藤氏は方針を示す。
MotionBoard Cloudの機能強化の動きと足並みを揃えながら、ユナイテッド&コレクティブはBI環境のさらなる進化を模索し続けている。
Company Profile
ユナイテッド&コレクティブ株式会社
設立 :2000年7月27
所在地 :東京都港区
事業内容 :飲食店の経営
URL :https://www.united-collective.co.jp/
導入製品
MotionBoard Cloud for Salesforce
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