導入事例

株式会社みずほ銀行

報告業務の効率化と営業活動の可視化による、
受動的から能動的なデータ活用と「営業改革」

導入製品
業種
金融・保険
投稿日
2019.10.28

日本を代表するメガバンク、みずほ銀行。〈みずほ〉の総力を結集し「One MIZUHO戦略」を更に進化させていくことで、大企業、金融・公共法人に対しオーダーメード型ソリューションを提供する大企業・金融・公共法人カンパニー(CIC=Corporate & Institutional Company)。CICでは2019年春、営業担当者全員を対象にMotionBoard Cloud for Salesforce(以下、Motionboard)を本格導入した。導入の背景には、データの可視化や業務効率化はもちろん、CICならではのビジネス特性やグループ全体でめざす新しい金融機関像が大きな影響を及ぼしている。

導入背景
データの入力・管理・出力・レポート作成までExcelをベースに行っており、大きな作業負担を感じていた。CICに属する各部署の報告書フォーマットもばらばら。上席からの質問や指摘に対しても、相応の時間をかけた準備・説明が必要だった。

課題
  • CICに属する各部署の報告フォーマットがばらばらになっていた
  • 広範囲なビジネス領域とグループを横断する協業の多さ
  • Excelによるデータ管理の結果、報告書作成の作業・手間が多い
  • Salesforceに加えて目標対比の現状把握を補完する必要があった
解決策導入ポイント
  • CICに属する各部署の報告書を集めてサンプル作成。ブラッシュアップして統一化
  • ボタンひとつでフォーマットとデータ呼び出しを可能する
  • データ可視化や作業効率化だけでなく業務プロセスの改革も視野
効果
  • フォーマット統一によるレポート作成時間の低減
  • パイプラインの進捗状況が目標対比で認識しやすい
  • データ更新がリアルタイムで可能になり、報告の都度アップデート作業を行う必要がなくなる
  • 時間をかけていた上席や役員への説明・準備が、大幅に効率化されることも
  • 能動的に情報を取りに行くという新たな意識変化の醸成

報告フォーマットの統一により、報告書作成時間が総じて短縮され、直感的かつ素早い理解が可能になった。データを可視化することで上席への説明・準備時間も短縮化。今後は案件の成功事例の要因分析を、より精緻かつ客観的に行う可能性に期待。

カンパニー内の部署毎にばらばらだった報告フォーマットを統一化


 多くの企業にとって、SFA/CRM導入のねらいは案件の進捗管理と情報共有の2点に集約される。いずれも、集まったデータを素早く可視化することで、その効果は加速度的に大きくなる。

 より具体的に考えると、資料作成や報告書づくりといった、営業担当者の“時間泥棒”をいかに排除して、本来の営業の仕事に注力させるか、ということである。営業本来の仕事はいうまでもなく、顧客の問題解決につながる建設的な面談とヒアリングに基づいた最善策の提案だ。

 営業担当者が本来の仕事にもっと時間を費やすことができれば、より効果的な提案が実現し、競合他社との差別化につながる。顧客や案件の数と種類が幅広い企業こそ、時間泥棒を排除する効果が大きくなることが期待できるはずだ。

 これを実践しているのが日本を代表するメガバンク、みずほ銀行だ。みずほはグループの総力を結集する「One MIZUHO戦略」を更に進化させるべく、顧客セグメント別のカンパニー制を導入している。大企業や金融機関、公共法人に対してグループの総合力でオーダーメイド型ソリューションを提供するのが大企業・金融・公共法人カンパニー(CIC=Corporate & Institutional Company)。コーポレート・インスティテューショナル業務部では2019年春、営業担当者全員を対象にMotionBoardを本格導入した。

 「CICにはエンティティを跨いでさまざまな部署が属しており、BKエンティティの中だけでも部署毎に報告フォーマットがばらばらでした。まずはこれを統一して効率化しようというのがMotionBoard導入の大きな目的でした」。

 こう語るのは、同部大企業営業推進チーム調査役の浜崎靖丈氏。MotionBoard導入の約1年前に、パイプラインの進捗管理のためにSalesforceを導入。しかし「我々がパイプラインを管理していく上で重視するのは目標対比で現状がどうなっているか。Salesforceだけではそれを補完し切れない部分がありました。機能やコストパフォーマンスなどトータルで考慮して、Salesforceを最大限使いこなすためのツールとしてMotionBoardを導入しました」(浜崎氏)。

 カンパニー制を採用しているみずほフィナンシャルグループにおいて、営業担当者は〈みずほ〉の総力を結集させるためのコーディネーター的役割も必要になる。コーポレート・インスティテューショナル業務部は、CICの営業担当者に対する営業の企画・推進などの本部機能を担っている。

「主なお客さまは一部上場やそれに準じる企業とその関連企業群など。企業グループごとに営業担当者をつけるイメージです。お客さまのニーズから生まれるオーダーは銀行単体で対応できるものは少なくなっており、多くの場合、お客さまからの同意を得た上で、グループ内で連携が必要になります」と浜崎氏。情報共有の重要さは、非常に大きなものになるわけだ。


その場でデータを可視化して上司からの質問に即時回答


 情報を共有するための報告フォーマットがばらばらだったというが、具体的にはどのような点が非効率だったのだろうか。浜崎氏は次のように説明する。

 「Salesforce導入の目的はパイプラインの進捗管理。その点では各部署とも同じ認識だったのですが、内容の並び順や見せ方など、報告については自分なりの形を細かく決めている人が多い。それはなぜか。“こうであるのが望ましい”という部署ごとの習慣が次第に固定・細分化され、“こうでなければならない形”として共有されていたからです。統一された報告フォーマットがない中で、部署や上席が変わるたびに報告作業の手順やポイントがイチから変わることもあります」。

 同部ではMotionBoard導入を機に、いわば非効率な報告作業を刷新しようとしたのだ。具体的には、各部署ばらばらなフォーマットを集めて雛形を作成、サンプルとして各部署に見てもらった。フィードバックのアンケートを取ってリクエストを聞き、最終的に統一化に至った。

 実際のところ、いま最もよく使われているのは、このレポート機能だという。

 「部署毎にレポートラインがあり、担当役員がいます。これまでは“下から上がってきたレポートを上席が見る”という文化でしたが、MotionBoardで統一化されたことで、見たい人が見たいときに見ることができる環境になったと思います」(浜崎氏)。

 MotionBoard導入以前はデータをExcelで管理・出力し、そこから個人や部署ごとに手作業でデータを集めてレポートをつくっていた。MotionBoardでは必要なデータをすぐに参照でき、ボタンひとつで報告書を自動生成できる。営業担当者を悩ませていた、データ集計から報告書作成への時間が大幅に削減された。

 「みんなデータのある場所は熟知しているし慣れているので混乱することはなかったと思いますが、レポート作成そのものの“作業”が発生して、かつ手数も多かった。くわえて、可視化の意味も大きいですね。たとえば、上席からの『これはどうなっているの?』という問いに対して、SalesforceのデータをMotionBoardで可視化して見せればいい。これまで多くの時間をかけて準備・説明していたことが、大幅に時間と手間を効率化して理解してもらえるケースも今後は増えてくると思います」。


求められているのは「案件化に関する感応度の高さ」


 金融機関はいまや、融資や決済ビジネスに頼った旧来型のビジネスモデルだけでは生き残ることができない。みずほフィナンシャルグループでも、2019年度から進める「5ヵ年経営計画」の基本戦略として、「顧客との新たなパートナーシップを構築すべく、『金融そのものの価値』を越えて、非金融を含めた『金融を巡る新たな価値』を創造」と明記している。

 さらに自社グループの強みとして、
(1)顧客基盤(ネットワークと信頼・安心感)
(2)金融機能(市場プレゼンスと非金融領域への対応力)
(3)グループ一体的なビジネス推進体制
などを挙げている。

 金融機関として金融ビジネスのみを行っていたのでは、今後の顧客ニーズに対応できないという問題意識を強くもっているのである。

 「CICでは、お客さまの一つの事業課題に深く関わるだけでなく、お客さまのさまざまな経営課題をグループ一体で連鎖的にサポートし続け、企業価値の向上を大きく連鎖させるバリューチェーンを創造していきます。」。

 「だから」と浜崎氏は続ける。

 「案件はいつも、どんなところにでも存在するし、あっという間に消えたりもします。お客さまである企業グループのパイプラインをずらっと並べて、どれをどこまで、いつ実現できるか。営業担当者には、いわばニーズの案件化に関する“高い感応度”が求められます。当然のことながら、足掛け3年、5年といったパイプラインもあります。営業担当者も異動がありますから、情報を組織で共有しながらお客さまと話をつないでいくことも重要になるわけです」

 浜崎氏は潜在ニーズの喚起も営業担当者の大きな仕事だという。「この先10年、20年とお客さまのことを考えた場合に、いま起こすべきビジネスイベントは何か。これをお客さまと一緒になって考え、いかに他の金融機関に先駆けて提案できるか。それが勝負のカギになっています」。

 顧客のビジネスが広範囲にわたること、グループ全体のバリューチェーンでそれに応えること、パイプラインが長期にわたり引き継ぎや情報共有の重要度がより高いこと、競合に先駆けた意識決定と提案が求められていること、Salesforceに集約されている営業データの可視化と業務効率化を可能にするMotionBoardが、CICに導入された背景がはっきりと見えてくるだろう。


業務効率化の先に何が見えているのか


 「報告フォーマットの統一化は達成しましたが、今後は資料作成の時間をより減らして、お客さまとの接点を増やすことを目指したい」と浜崎氏。資料作成時間を実測したわけではないが、相当な時間が取られているはずだという。

 「営業担当者の1日の動きを見ていると必ずしもお客さまとの接点がメインになっている時ばかりではないと感じることがある。MotionBoardなどを活用して、お客さまと接する有効な時間をどれだけ捻出できるかがカギ。また訪問件数や面談時間を増やすだけでなく、大きな案件や難しい案件がうまくいったときの要因分析を通して、営業力の底上げを目指しています。それがMotionBoardによって営業活動を可視化した大きな意味だと思っています」。

 浜崎氏はMotionBoard導入をはじめとする各種の業務効率化の先に、組織の意識改革を目指しているように思える。たとえば、ほしいデータや報告を自ら取りに行く能動的な文化である。

 「『あれどうなっている?』『これ持ってきて』では、言われた人の仕事が止まってしまいます。SalesforceやMotionBoardの導入の背景には、能動的に情報を見に行く文化の醸成もありました。ワンクリックでパッと理解できる仕組みを用意すれば、『あれどうなった?』というスタンスはいずれなくなるでしょう。MotionBoardなら技術的に可能です」。

 さらに浜崎氏は、人材の獲得や定着の効果にも期待を寄せている。

 「次世代金融への転換をめざす我々にとって、異業種との競争や協業は欠かせません。人材も、銀行にない特別なスキルや知識をもっている人たちがどんどん仲間に入っています。そのような有能な人材から魅力を感じてもらうためにも、MotionBoardのような新たな仕組みをどんどん取り入れて変化を起こしていく必要があると考えています。」(浜崎氏)。

 グループ全体で次世代金融への変換を図る〈みずほ〉。その実現には、デジタライゼーションへの取り組みや外部との積極的な協業を加速させることが不可欠だろう。MotionBoardは報告フォーマット統一やデータの可視化、業務効率化だけでなく、個人の能力を最大化する新しい業務スタイルと企業文化を生み出す役割も担っているのである。


Company Profile

株式会社みずほ銀行

発足日 :2013年7月1日
本社所在地 :東京都千代田区
事業内容 :銀行業務
URL :https://www.mizuhobank.co.jp/

株式会社みずほ銀行 
コーポレート・インスティテューショナル業務部 大企業営業推進チーム
浜崎 靖丈 氏

導入製品

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