導入事例

ベルフェイス株式会社

ベルフェイス株式会社

データに裏打ちされた戦略で顧客を成功に導く、 急成長するベルフェイスのカスタマーサクセスの秘訣

営業に特化したWeb会議システム「bellFace」を提供するベルフェイスでは、顧客の継続的なサービス活用を支援するカスタマーサクセスに注力している。この活動の指標は複数のデータソースを組み合わせた複雑な集計で成り立っており、集計作業の負荷が大きいことから月次での実績把握にとどまっていた。MotionBoard Cloud for Salesforce(以下、MotionBoard Cloud)の導入によって指標のリアルタイムな把握と、定量的な状況判断に基づいた迅速で精度の高いアクションが可能となった。PDCAサイクルが加速したことで組織のパフォーマンス向上も実現している。

導入背景

顧客の継続的なサービス活用を支援するカスタマーサクセスの活動指標であるカスタマーヘルススコアは複数のデータソースを組み合わせた複雑な集計で成り立っており、集計作業の負荷が大きいことから月次での実績把握にとどまっていた。

課題
  • カスタマーサクセスの活動指標をリアルタイムで可視化し、PDCAサイクルを加速させたい
  • 従来は活動指標を把握するためには、社内に点在したデータを集めてExcel集計する必要があった
解決策導入ポイント
  • Salesforceをはじめ複数のデータソースを集約した複雑な指標を可視化し、チーム全体で共有できる
  • トライアル時からのQ&A対応のフォローの早さや、サポートの手厚さ
効果
  • 月次で集計していた活動指標がリアルタイムで把握できるようになり、作業負荷もなくなった
  • 定量的な状況把握に基づく適切なアクションが起こせるようになり、継続率が向上した

ダッシュボードの活用により、カスタマーヘルススコアのリアルタイムな把握と、定量的な状況判断に基づいた迅速で精度の高いアクションが可能となった。PDCAサイクルが加速したことで組織のパフォーマンス向上も実現した。

カスタマーサクセスのパフォーマンスを最大化するKPIを可視化したい


 リリース以来、業種・業界を超えて1,200社以上の企業から支持されている営業に特化したWeb会議システム「bellFace」。急成長するベルフェイスが提供しているこのサービスは、従来の訪問営業のあり方を大きく変えようとしている。一方で、新しい営業スタイルを提案するソリューションのため、顧客にサービスを最大限活用してもらうための取り組みも実施している。顧客が円滑にサービス利用を始められるように支援するほか、導入後も継続して最大限活用してもらうためのフォローをおこなっている。この役割を担うのがカスタマーサクセスであり、2018年秋から活動の指標としているKPIがカスタマーヘルススコア(以下、ヘルススコア)だ。


 「ヘルススコアは、顧客が十分にbellFaceを活用しているか、活用を継続するにあたって問題は生じていないかを把握ための指標です。カスタマーサクセスはこれらのスコアを一定以上に保つことをミッションとして、スコア改善や向上に努めています」と話すのは、カスタマーサクセス事業部 事業部長の小林泰己さん。ヘルススコアは3分類・合計8種類にわたり、サービスの利用率や顧客企業のキーパーソンの関心度など、顧客を多角的に分析することで最適なフォローと継続率の向上を実現している。


 とはいえ、これらの指標を本格的に運用するには課題も多かった。異なる複数の角度から分析するためには、基となるデータもSalesforceやマルケト、自社サーバーなどそれぞれのデータソースから集めなくてはならない。エクセルでの集計作業も手間がかかるため、月次での実績把握が限界だった。


 フタを開けてみるまで結果が分からない状況は、組織の活動スピードや打ち手の精度にも影響する。「過去の情報を基準にすると、顧客企業の最新状況に適したフォローができているとは限りません。今まさに手厚いフォローが必要な顧客を見逃している可能性もありました」と小林さんは話す。ヘルススコアの運用はスモールスタートで成果を上げていたものの、当時の環境では活用に本腰を入れられないジレンマがあった。


 この状況を打開するために小林さんと共に検討を始めたのが、当時のビジネスイネーブルメントチーム で、各事業部のデータ活用を推進する野田千愛さん。以前からSalesforceのデータを社内データと組み合わせて更に活用したいと考えていた。「相談を受けてまずはSalesforceの標準ダッシュボードを利用しようとしましたが、各指標のデータソースがバラバラだったり計算方法も違ったり、複雑な仕組みで実現には至りませんでした」と振り返る。


 カスタマーサクセスのパフォーマンスをさらに高めるためには、顧客企業を多面的に分析するヘルススコアのリアルタイムな可視化を実現する仕組みが必要だった。


機能要件にとどまらない、ダッシュボードの選定基準


 「正直、主要なBIツールであればどれでも、機能的には要件を満たせそうでした」と導入検討を始めた当時を野田さんは振り返る。選定の基準となったのは、「自社にフィットしているかどうか」。当時のベルフェイス社内では専任者が個別にデータを分析するよりも、全員が共通の指標を確認できることが優先度として高かった。また、急成長を続ける同社では今後も様々なデータ活用のアイディアが生まれ、試行錯誤が繰り返されることが予想された。


 そうした中で決め手となったのが、トライアル時点から現在に至るまでのウイングアークによるサポート。ときにはbellFaceも使ってサポート担当者とリアルタイムでコミュニケーションできるスピード感や、資料の充実も後押しとなった。「トライアルの段階から時間や場所を問わずつきっきりで疑問に答えてくれたり、やりたいことを尋ねると目的に合わせて複数の方法を提示して最適な方法を一緒に模索してくれたり、情熱を感じました」と野田さんは評価する。小林さんも、「どうしてここまでしてくれるんだろう?と思うくらいの熱量でフォローしてもらいました」と話す。



リアルタイムの状況把握がPDCAサイクルを加速する


 現在ベルフェイスのカスタマーサクセス事業部で活用されているのは、前述したヘルススコア全ての最新状況がひと目で確認できるダッシュボード。各スコアはデータソースもバラバラだが、このダッシュボードを開けば自分の担当する顧客の最新の状態が常にチェックできる。メンバーはこの指標を日々確認し、担当顧客の最新の状況をデータで正確に把握した上で、各々のやるべきことや具体的なアクションに落とし込んでいる。「KPI達成にむけて必要なアクションの判断はもちろん、打ち手の優先順位づけのための意思決定にも活用しています」と小林さんは話す。


 たとえばある顧客企業をトータルでみたときのサービス利用率は高いが、社内でbellFaceを利用しているユーザー数はまだ少ないといった状況も明らかにできる。こうしたケースではユーザー数を追加するアップセル提案の可能性が高いと判断してすぐにアクションにつなげている。また、ヘルススコアが高いことが判明している顧客であればあえて何もフォローしないこともあるという。顧客の状況が正確に把握できていなければ勇気のいる決断も、自信を持って下すことが可能だ。


 データに基づいたリアルタイムな状況把握と最適な打ち手の選択ができるようになったことで、PDCAサイクルのスピードも飛躍的に上がった。カスタマーサクセス事業部のメンバーも、ヘルススコアボードをチェックして自分のアクションに落とし込む動きが身についている。


 ダッシュボードの本格的な活用は2019年6月からだが、すでに解約率が前年比で約10%以上改善しているなどパフォーマンスに効果が表れている。もっとも、この効果は前年から運用しているヘルススコアの要因も大きい。またベルフェイスは年間契約が大半を占めるため、「来年更新のユーザーは解約率がもっと下がるはず」と小林さんは自信を覗かせる。


カスタマーサクセスを加速する更なるデータ活用


 今後はサービス全体に留まらず、機能別の利用率も把握することでより最適なアクションにつなげていく考えだ。そして目指しているのは、カスタマーサクセスとして活動するメンバーの貢献度を測る指標づくり。「セールス部門と違ってカスタマーサクセスは、顧客を成功に導くまでに関わる変数が複雑に絡みあっており、なかなか定量的な評価ができません。カスタマーサクセスの貢献度の指標を設計できている企業も他にまだ見当たらず、試行錯誤中です」と小林さんは話す。もしこの指標を定めて「活躍しているカスタマーサクセス」の勝ちパターンを定量的に評価できるようになると、その人のスキルを定型化したり、他メンバーのスキルアップのスピードを加速できる可能性もある。


 カスタマーサクセスのパフォーマンスを上げていくためには、様々な角度から顧客企業を定量的に捉えて適切なアプローチをおこなうことが求められる。「自社の成長のドライブとしてカスタマーサクセスに注力している企業であれば、データの活用が不可欠だと思います」と小林さんは締めくくった。


異なるデータソースから集計した複数のヘルススコアの最新状況がひと目で確認できるダッシュボード(※本画面ではサンプルデータを利用しています)

Company Profile

ベルフェイス株式会社

設立:2015年4月27日
所在地:東京都中央区
事業内容:セールスプロセス領域を主軸にした製品開発/コンサルティングを手がける日本発のスタートアップ。主力製品は営業に特化したWeb会議システム「bellFace」の開発・提供で、リリース4年で1,200社以上の企業に導入されている。
URL:https://bell-face.com/

ベルフェイス株式会社
カスタマーサクセス事業部 事業部長 小林 泰己さん
経営企画室 ビジネスイネーブルメントグループ 野田 千愛さん

導入製品

Salesforceのデータを可視化するならMotionBoard

 
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