導入事例

toBeマーケティング株式会社

toBeマーケティング株式会社

Salesforceのプロフェッショナルが体現する、バックオフィスも含めた全社のDX

Salesforceや Pardotの導入支援をおこなうtoBeマーケティング株式会社では、営業やマーケティング部門だけでなくバックオフィス部門でもSales Cloudを基軸として業務をおこなっている。SVF Cloud for Salesforceの導入により、これまでVisualforceやExcelで作成していた見積書や注文書、検収書の発行が、Sales Cloudからシームレスにおこなえるようになった。

導入背景

課題
  • Excel運用も入り混じり、作成にかかる作業工数が多かった
  • 見積書や注文書のデザインを、思い描いたように見せることが難しかった
  • ガバナンス上、全ての書類をシステム管理したかった
解決策導入ポイント
  • Sales Cloudからシームレスに見積書や注文書を発行できる
  • Salesforceの情報のマッピング制御がしやすい
  • 複雑な契約形態でも帳票として思い描いた表現が可能
効果
  • メンテナンスやユーザーからの問い合わせ時間が減った
  • Salesforceとのシナジーが高く、見積書や注文書を発行する工数を大きく削減できた
  • 発行される書類をシステム管理できるためガバナンス上も有用

急成長企業が見据える「業務のあるべき姿」


 SalesforceやPardotをはじめ、セールスフォース・ドットコム社のサービスの導入支援やマーケティング支援をおこなうtoBeマーケティング株式会社(以下、toBeマーケティング)では、上場も視野に入れた急成長を続けている。そんな同社では、創業期からの急成長を遂げたがゆえの業務オペレーションに関する課題も抱えていた。経営企画やバックオフィス全般を担当する、取締役 CFOの猪砂 昌之 氏はこう話す。
 「今後、更なる成長を見据えるにあたり、社内の業務オペレーションにはいくつか改善するべきポイントがありました。1つ目は上場を見据えたガバナンス強化です。たとえば営業が見積もりを作成してお客さまに送るオペレーションでは、送付前に上長が見積もりをチェックして承認するフローが必ず入らなければいけません。こうした上場審査に耐えられる業務プロセスを効率的に進める仕組みが必要でした。2つ目は業務の標準化です。これまで属人的になっていた業務を標準化することで、会社が成長してメンバーが増えていっても、スムーズに業務に取りかかれるような仕組みを整えたいと考えました」


 事業が急成長する中での業務の効率化を目指すために、toBeマーケティングでは全社的な業務改善プロジェクトを2020年1月に立ち上げた。同社ではSales Cloudを起点に業務をおこなっており、営業やマーケティング部門だけでなく、経理などのバックオフィス部門でもSales Cloudを活用している。見込み顧客の創出から受注、サービス提供後の入金まで、一連の業務フローにSales Cloudが関わっているため、「業務のあるべき姿」もSales Cloudを基軸に描き、改善策を検討していった。


 「業務のあるべき姿を描き、その実現のためにオブジェクト項目の整理や入力時のレイアウト改善といったSalesforceの改修の必要性を挙げました。それと同時に課題として浮かび上がってきたのが、見積もりや注文書などの帳票作成のオペレーションです」(猪砂氏)


 toBeマーケティングで情報システム業務を一手に担う、同社のコーポレート本部 管理部 財務/経理/総務/情報システム 栗田 陽介 氏もこう話す。「特に営業と顧客のやり取りや、社内での営業と管理部とのやり取りを最大限効率化したいと考えたとき、見積もりや注文書などの帳票が関わるフローに技術的負債があり、ボトルネックになっていることが明らかになりました」



取締役 CFO 猪砂 昌之 氏


スクラッチよりも、「餅は餅屋に」


 toBeマーケティングではこれまで、顧客と商談をおこなうメンバーが自身で見積もりや注文書を発行してきた。作成にはSalesforceで利用可能なマークアップ言語であるVisualforceを利用していたが、作成工数の負担や人的ミスの発生があったという。


 長年、同社のアカウント本部 アカウントディレクター 先田 阿岐都 氏はこう話す。「Visualforceは限られた表現での帳票作成しかできなかったので、Excelでカスタムして作成する機会が頻発していました。この作業工数が重い負担になっていましたし、共通フォーマットがあっても完全に統一できていたわけではありませんでした。そしてExcelで作成すると手作業になるのでどうしてもミスが発生します。承認後の修正防止やバージョン管理も難しく、Salesforce内で工夫しようともしましたがうまくいきませんでした」


 ユーザー側で抱えていたこうした課題は情報システム部門でもなかなか解決が難しいものだった。これまで利用していたVisualforceではカスタマイズの難易度が高く、イメージ通りに情報をマッピングした帳票を作成するハードルはどうしても上がってしまう。作成者が退職するとノウハウが失われてしまうこともあり、業務のボトルネックになっていた。


 管理部門側の猪砂氏、栗田氏もこうした課題を認識し、改善に向けてのプロジェクトが動き出していった。
 「経営面でも、見積もりや契約書の管理は上場にむけたガバナンス統制として重要なポイントです。Excel運用だと承認を経ずに見積もりを出せてしまいます。作業工数やミスの削減、業務の自動化といった観点でも、システム経由での発行と承認に切り替えたいと考えました」(猪砂氏)


 「自社内でフルカスタムの帳票フォーマットを作成すると、どうしても車輪の再発明になってしまいます。それでは拡張性があまり高くなく効率的でもないため、餅は餅屋に、と言いますか、外部の専用のサービスを活用して自社が目指す業務オペレーションの実現を目指すことを決めました」(栗田氏)


部門間の協力で実現した、3ヶ月のスピードリリース


 帳票作成ツールの選定にあたっては、Sales Cloudを基軸とした業務オペレーションとの親和性が最重視された。サポート体制やドキュメントの充実も決め手となって、toBeマーケティングではウイングアーク1stがSalesforceのAppExchangeで提供する「SVF Cloud for Salesforce(以下、SVF)」を採用した。営業をはじめとしたメンバーが、担当する顧客への見積もりや注文書、検収書の発行に活用している。
 導入決定から社内でのリリースまではわずか約3ヶ月という短期間。スピーディに導入プロジェクトを進行できたポイントは、社内の協力体制にあったという。
 見積もりや注文書を発行し、SVFを実際に利用する立場となる営業の先田氏はこう振り返った。「プロジェクトが立ち上がった時点で、情報システム部門側からある程度の方向性や叩き台を提示してもらえました。そのため営業側では、いかに部内で活用が定着するか?といった観点や、どうしたら抜け漏れなく円滑に業務フローが進行するか?といった本質的な視点で要望を出すことができました」


 一方の情報システム部門側でも、プロジェクト以前から他部門とも密に連携して全社の業務フローを理解し、課題も把握していたからこそ、すぐにある程度固まった方向性を提示することができた。
 また、スピード優先のリリースだったこともあり、ユーザーの混乱を防ぐためにサービスインのタイミングではユニークなサポートもおこなったという。
 「2020年4月1日のリリース時はヘルプ専用のSlackチャンネルを立てて対応しました。全社員向けに情報をオープンにして不具合報告に対応したり、代替手段をアナウンスしたりしていました。ちょうどコロナ禍により全社的に在宅勤務となっていたこともあり、結果的にドキュメントを残せたのが良かったです。複数の相談でも本質的には同じ内容というケースもあるので、解決方法やノウハウの展開がスムーズでした」(栗田氏)


SVFのカスタマイズ性の高さのおかげで、やりたかったことが実現できた


 SVFの運用開始から3ヶ月程度で、情報システム部門とユーザー部門は様々な効果を実感している。
 情報システム部門側の評価として栗田氏はこう話す。「まず大きな変化は、ユーザーからの問い合わせ時間が減ったことです。これまで必ず週1回2時間程度は対応していたのが、ほぼゼロになりました。また、メンテナンスの時間や手間も大幅に削減できました。これまではメンテナンスに2週間以上を要していましたが、現在はメンテナンスのハードルが低いためシンプルなデザインであればすぐに新しく作成できています。カスタマイズ性が高くSalesforceデータのマッピング制御がしやすいのも利点です」


 ユーザー側でも、人的ミスや作業工数を大幅に削減できているという。
 「以前は複数の契約形態ごとにExcelで見積もりを作成するなど人的ミスが発生しがちな状況が多かったのですが、現在はそうした作業も全て自動化できました。再発行もボタン一つでできたり、作成番号がSalesforceの商談と自動連携したりするので、業務効率が大幅に上がっています。SVFのカスタマイズ性の高さが、自社でやりたかったことを実現してくれました」(先田氏)


 そして経営側で目指していた業務オペレーションの理想の実現にも近づいている。たとえば従来は見積もり発行時の値引きの見せ方も自由度が低く、つどExcelでカスタマイズしていたが、現在はSalesforceの商談に登録された商品情報と紐付けて、営業側で柔軟にカスタマイズできるようになった。管理部門では、どの商品からいくら値引きされたのか明確になり、受発注の管理も可能となった。ガバナンスの強化と業務効率化の双方に寄与している。



情報システム部門プロセス改善:複雑なプロセスがなく、直感的に作成可能


 



営業部門プロセス改善:異なる契約形態の商品も一つの見積書へまとめて記載


 


Salesforceのプロフェッショナルとして、顧客のDXを更に推進


 自社の業務改善を実現したtoBeマーケティングでは、今後の社内展開として、秘密保持契約書や業務委託契約書など、全ての書類をSVFに置き換えていくことを目指している。Sales Cloud内のSVFからボタンひとつでフォーマットを発行し、電子契約サービスのクラウドサインで顧客に送付すれば完全ペーパーレスも実現できる見込みだ。


 そして同社では、こうしたノウハウを顧客に展開し、Salesforceの更なる活用支援をおこなうことを目指している。toBeマーケティングでは今回、Salesforceとのシナジーが高いSVFを自社で活用することで、Salesforceの真価をまた新たに引き出すことに成功した。Salesforce導入・活用支援のプロフェッショナルである立場から、Salesforceを基軸とした顧客企業のDX推進を支援していく説得力が更に増す結果となっている。
 特にSVFとSalesforceの組み合わせが強みを発揮する部門は、Salesforce利用の中心となる営業やマーケティング部門だけではなく、バックオフィス領域にも及ぶ。一部の部門に限らず全社でSalesforceを活用し、DXを推進するモデルを自ら体現することで、同社では今後、バックオフィスも含めた企業全体のDX推進を更に支援していく。


Company Profile

toBeマーケティング株式会社

設立 :2015年
所在地 :東京都千代田区
事業内容 :マーケティング支援事業
URL :https://tobem.jp/

取締役CFO 猪砂 昌之 氏(写真中央)
コーポレート本部 管理部 財務/経理/総務/情報システム 栗田 陽介 氏(写真左)
アカウント本部 アカウントディレクター 先田 阿岐都 氏(写真右)

導入製品

SVF Cloudは日本固有の複雑な帳票フォームの設計と、PDFやExcelなどの美しい出力をクラウドで実現。

 
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