導入事例

株式会社ニッコー

誰もが簡単にデータ分析できるBI環境、
ミルシートのWeb開示による顧客サービス向上で、“攻めのDX”を展開

導入製品
業種
卸売・小売
投稿日
2021.01.20

 炭素鋼鋼管やステンレス鋼管を主力商品とする株式会社ニッコー(以下、ニッコー)は、国内トップクラスの販売実績を誇る鋼管専門問屋である。Dr.Sumを基盤とするデータウェアハウス/BI環境、SVFおよびSPAを基盤とするミルシートのWeb開示といった“攻めのDX”を積極的に展開することで顧客目線に立った自社の優位性を確立し、持続的成長を遂げていくことを目指している。

導入背景
 鋼管の長期的な動向を見据えると、今後の国内市場の需要拡大は考えにくい。そこで目指したことの1つが、“攻めのDX”による自社の優位性の確立だ。誰もが簡単な操作で、必要なときに必要なデータにアクセスし、自由に分析・活用ができる環境を業務現場に配備する。また、顧客に対してより利便性の高いサービスを提供したいと考えた。

課題
  • 基幹システムからデータを取得してレポートにまとめるといった作業が、その都度ごく少数のExcel熟練者に集中し、大きな負担となっていた
  • 納品書や請求書、ミルシート(検査証明書)などの帳票をすべて紙でやり取りしており、顧客と自社の双方の業務効率化を阻害
解決策導入ポイント
  • Excelに不慣れな人でも必要なデータをすぐに得られるBI環境を提供
  • 電子帳票をWeb開示し、必要な帳票をPC上で検索して確認できる利便性
効果
  • データアクセスの方法がシンプルなメニュー操作に統一されたことで、データの再現性が高まり、同じ基準に沿って評価や議論をすることが可能となった
  • 印刷した紙の量を半減し、顧客ごとの帳票の仕訳や発送といった作業の手間が軽減され、郵送コストも削減された

簡単にデータ分析できるBI環境、ミルシートのWeb開示システムを構築

“攻めのDX”への第一歩としてBI活用に向けた取り組みを開始


 ニッコーは1949年に創業して以来、70年以上の歴史をもつ鋼管専門問屋で、伊藤忠丸紅鉄鋼が100%出資する国内中核事業会社である。炭素鋼鋼管やステンレス鋼管を主力商品とし、北海道から九州まで12拠点を展開、全国でもトップクラスの販売実績を誇っている。

 とはいえ、鋼管の長期的な動向を見据えると、今後の国内市場の需要拡大は考えにくい。そうした中でいかにして持続的成長を遂げていくことができるか――。ニッコーが目指したことの1つが、“攻めのDX”による自社の優位性の確立であり、その具体的な施策としてまずBI活用に向けた取り組みを開始した。

 本格的な検討に入ったのは2014年のこと。ニッコー 情報システム部の米岡 文土氏は、当時抱えていたデータ活用の課題を次のように振り返る。「さまざまな資産を有効活用して収益を高めることが事業の基本ですが、弊社では情報資産に関しては効果的な活用があまりできていませんでした。例えば、基幹システムからデータを取得してレポートにまとめるといった作業を、その都度ごく少数のExcelの熟練者に頼っていたのです。データの扱いに長けた人材に作業が集中して負担をかけているのを目のあたりにしているだけに、依頼する営業側も気が引けてしまい、もっと深掘りしたデータが見たいと思ってもあきらめざるをえない状況でした」

 そこでニッコーは、ITシステムに関する知識やスキルの有無にかかわらず、誰もがもっと簡単な操作で、必要なときに必要なデータにアクセスし、自由に分析・活用ができるような環境を業務現場に提供したいと考えた。

 そうした中で目にとまったのが、ウイングアーク1stのデータ基盤ソリューション「Dr.Sum」だ。さまざまなベンダーのBIツールを調査したのだが、日本語に対応しており、なおかつ操作の容易性という点で最も優れていると感じられたのがDr.Sumだった。

 その思いをさらに強くしたのが、2015年に参加したハンズオンセミナーだ。「実際にDatalizer for Webを使ったデータ集計やレポーティング、カスタマイズの方法を教えていただき、このBIツールを自社に導入すれば多くの業務で活用できそうだというイメージが膨らみました。また、国産ベンダーならではウイングアーク1stの親身なサポート体制にも感動し、これなら安心して導入できると確信しました」(米岡氏)

 まさにそのタイミングで、これ以上ない好機が訪れた。ニッコーが運用している基幹システムのデータベースには通常のトランザクションに加え、分析用に集約・加工したデータも混在し、肥大化している状況にあった。そのままではストレージを追加導入しなければならかったのだが、それには多額のコストがかかってしまう。それならば、本来の基幹システムの運用と関係ない分析用データについては、データウェアハウス/BI環境に分離してはどうかという意見が持ち上がったのだ。「実際にコストやパフォーマンスを検証したところ、データウェアハウス/BI環境を導入したほうが、はるかに得策という結論に至りました」(米岡氏)

 こうして2016年、ニッコーにおけるDr.Sumの導入はとんとん拍子で進んでいった。


株式会社ニッコー 情報システム部 米岡 文土 氏

顧客サービスを向上すべく、ミルシートを電子化してWeb開示


 攻めのDXの実現に向けた、次の大きな節目を迎えたのは2018年だ。現状のIT活用に対する危機感が経営層にも高まり、各事業部の本部長クラスを中心とする全社的なIT企画会議が立ち上がった。

 そこで優先課題としてあがったのが顧客に対するサービス向上で、具体的な施策としてさまざまな帳票類を電子化してWeb開示すべきという方針が示された。「一般的な納品書や請求書だけでなく、鋼管製品を扱う私たちのビジネスでは取引先に対して、鋼材の材質や成分を証明するミルシート(検査証明書)と呼ばれる書類を必ず添付しなければなりません。従来これらの帳票はすべて紙でやりとりしてきましたが、同時に電子帳票をWeb開示することにより、お客様は必要な帳票をPC上で検索して確認できるようになるなど、大きな利便性を提供することができます」(米岡氏)

 そして、この構想を実現する基盤として、ニッコーが2019年末に導入を決定したのがウイングアーク1stの帳票基盤ソリューション「SVF」ならびに、ドキュメント管理ソリューション「SPA」だ。「SVFについては国内No.1のシェアを誇っていることを知っていました。SPAについても信頼を置くウイングアーク1stの製品であることからサポート面でも大きな安心感があり、ほとんど迷うことなく導入を決定しました」(米岡氏)

 2020年11月現在、電子帳票Web開示のシステムはすでに構築作業を終え、全国12拠点への展開を進めている過程にある。ほぼすべての営業担当者が利用するため、最終的に社内の総ユーザー数は150人以上に達する見込みだ。「新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、お客様側でも多くの人材がテレワークに移行しているだけに、在宅からでも帳票をチェックできるWeb開示のサービスは非常に大きな期待を集めています」(米岡氏)


ミルシートや電子帳票をWeb開示し、顧客がPC上から容易に確認できる

Dr.Sumが示すデータが全社の共通言語としての役割を担いはじめた


 ニッコーにおけるDr.SumおよびSVF/SPAの導入経緯を大まかにたどってきたが、これらの基盤は業務現場にどんな効果をもたらしているのだろうか。まずDr.Sumについては、営業部門における予実管理や物流部門における在庫管理などの業務を中心に利用が進んでいる。

 「Excelをまったく使えない人でも簡単に使えることを前提として、メニュー操作だけで必要なデータをすぐに得られるようにDatalizer for Webの画面をカスタマイズしました。これにより依頼が集中していた“Excel職人”の負担は大幅に軽減され、そのぶん彼らはそれぞれの視点に基づいたより専門的な分析に専念できるようになりました」(米岡氏)

 また、データアクセスの方法が全社的にシンプルなメニュー操作に統一されたことで、データの再現性が高まったことも大きなメリットだ。「例えば営業の実績データを前年の同時期と比較したり、他の担当者やチームと比較したり、同じ基準に沿って評価や議論をすることが可能となりました。Dr.Sumが示すデータが全社の共通言語としての役割を担いはじめています」(米岡氏)

 この効果を経営企画部の太田 龍之介氏も高く評価しており、「私が担当している会社全体の年間予算の策定や管理といった業務でも、Dr.Sumは非常に有益な気づきを与えてくれています。その意味でもできる限り早期に、より多くの部門やユーザーに適用の幅を広げ、今後の業務改革につなげていきたい」と語る。

 一方のSVFおよびSPAについては、前述の通り帳票のWeb開示サービスを各拠点に展開している過程にあり、対外的な意味での成果が得られるのはこれからだが、社内の業務効率化の観点ではすでに多くの効果が表れている。「象徴的な指標として、帳票を印刷した紙の量は半減しています。これに伴い営業担当者が行っていたお客様ごとの帳票の仕訳や発送といった作業の手間が軽減され、郵送コストも削減されています」(米岡氏)


株式会社ニッコー 経営企画部 太田 龍之介 氏

自動化プロセスを実現するためのトリガーとして電子帳票を活用


 上記のような成果を踏まえつつ、ニッコーはDr.SumおよびSVF/SPAの活用をさらに拡大していく考えだ。

 Dr.Sumについては、より多くの部門やユーザーに適用の幅を広げていくことを目指す。「現時点でDr.Sumに取り込めているのは、まだ販売管理システムのデータのみです。経費精算や会計システムなど、広範なデータソースとの連携を進めていくことで、データ分析・活用を行える業務の幅を広げていきます。また、各地域によってお客様の特性も異なるため、拠点ごとに最適化された分析データを提供することも検討しています」(米岡氏)

 SVFおよびSPAついてはさらに挑戦的なテーマを掲げており、物流倉庫で導入予定のIoTシステムとの連携を考えているという。「現時点では電子帳票をWeb開示するところでとどまっていますが、私たちが注目しているのはその先です。たとえば納品書がアップされたら、その鋼管に紐づくミルシートが自動的にアップされるというイメージです。データが発生した時点で即座にアクションを起こし、後工程に与える恩恵を拡大していくのです。そんな自動化プロセスを実現するためのトリガーとして、電子帳票を活用できないかと構想を描いています」(米岡氏)

 ニッコーが追求する攻めのDXは、商いの次世代化に向けて今まさに進化を遂げようとしている。


Company Profile

株式会社ニッコー

設立 :1952年5月
所在地 :千葉県浦安市
事業内容 :伊藤忠丸紅鉄鋼(伊藤忠商事50%、丸紅50%出資)が100%出資する国内中核事業会社で、炭素鋼鋼管やステンレス鋼管の販売、加工を主要事業とする。圧倒的な在庫量と短納期を強みとし、北海道から九州まで12拠点を展開する全国でもトップクラスの販売実績を誇る鋼管専門卸問屋である。
URL :http://www.pipe-nikko.co.jp/

(写真右より)
株式会社ニッコー
情報システム部
米岡 文土 氏

経営企画部
太田 龍之介 氏

導入製品

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