導入事例

株式会社成田デンタル

営業職一人ひとりが経営者視点を持てるように
100期連続増収を目指したBIツールの導入と社内浸透の取組み

導入製品
業種
卸売・小売
投稿日
2021.04.22

歯科技工の専門商社として歯科医院と歯科技工所の橋渡しを行っている株式会社成田デンタル(以下、成田デンタル)では、MotionBoardを導入し、基幹データを手軽に分析できるダッシュボードを構築。また、MotionBoard上に地図情報と営業ルートを取り込み、効率性の高い営業活動を実現した。

導入背景

課題
  • 基幹システムからのデータ抽出のハードルが高く、分析レポートの作成作業が属人化していた
  • 市場シェアをさらに高めるため、営業活動の効率化が求められていた
  • 導入当初は現場にすぐには浸透しなかった
解決策導入ポイント
  • データベースの専門知識がない人でも簡単に使えるダッシュボードを構築
  • 営業ルートの関連情報を地図データ上に配置することで、営業ルートを可視化
  • ユーザーコミュニティへの参加で得た知見を活かし社内浸透を促進
効果
  • 分析レポート作成にかかっていた負担を約6割削減
  • 新規開拓の余地や可能性が可視化され、営業職の数字への意識とモチベーションが向上


歯科医院と歯科技工所の橋渡し役


 成田デンタルは、それまで存在しなかった歯科技工の専門商社として1983年に創業。現在、全国6400軒の歯科医院と150社の歯科技工所の橋渡し役を担っている。歯科技工士とは、歯科医院から歯型を受け取って入れ歯や差し歯といった技工物を製作する技術者だ。かつての歯科技工士は、製作のかたわら自ら営業も行うことが当たり前だった。一方、歯科医院では優れた技工士をいつも探している状況だったという。


 なぜ、技術者が営業までしているのか――。技工士は職人として製作に集中してもらい、代わりに営業をして歯科医院とつなぐ存在がいれば、業界全体のメリットになるのではないか――。そんなアイデアを思いつき、同社を創業したのが代表取締役を務める石川 典男氏だ。このビジネスモデルは狙いどおり市場のニーズを捉え、成田デンタルは2020年度までに38期連続の増収を達成している。


 同社では、歯科技工専門の営業職は「アソシエイト」と呼ばれている。そこには歯科医と技工士の良きパートナーでありたい、との思いが込められている。成田リンクシステムと名付けられた歯科医院と技工所を結ぶネットワークでは、全国25拠点にいるアソシエイトが歯科医や技工士と直に会って話をしながら、双方にとって最良となるマッチングが行われている。


 「歯科医と技工所のコーディネーターとして、どうすれば患者さんが喜んでくれるのかを常に考えながら、提案型の営業をしてきました。現在では、これまで培ってきた知見とネットワークを活かして歯科医院へのコンサルティングも行っています。会社としてはこれから第2ステージに入る段階です」と石川氏は将来を見つめる。


IT力アップでデータドリブン経営を実現


 100期連続の増収を目標に掲げる石川氏だが、成長を続けるために課題としていたのがアソシエイトのITスキル強化だった。歯科技工専門商社のビジネスは、単価数千円の商品を積み上げていくモデルだ。年間220万件超の取引があるため、販売管理のために独自の基幹データベースシステムを開発・運用している。


 このシステムの操作にはある程度の知識が求められ、例えばデータを取り出して分析することは、多くのアソシエイトにとってハードルが高かった。そのため、会議などの資料としてデータが必要な時は、石川氏やIT担当者が分析レポートを作る必要があった。しかし、事業が拡大して会社の規模が大きくなり、全国各地に拠点が増えてくると、これまでどおりではいかなくなる。何よりも、各部署長やアソシエイト一人ひとりが経営者的視点を持てるようになってほしい、という石川氏の希望もあった。


 「全体の売上、部署ごとの売上、取引先ごとの売上、さらに分類ごと商品ごとと、データを用いてドリルダウンしていくと、様々なことが見えてきます。組織がある程度の規模になると、各部署長にも社長のような経営者意識を持ってもらわないと、100年連続増収は不可能です」(石川氏)


代表取締役 石川 典男氏

 基幹システムと連携できて、社内の誰もが簡単に使えるような分析ツールはないか。さまざまな製品を検討する中で見つけたのが「MotionBoard」だった。2015年に導入し、試行錯誤しながら現場での利用を少しずつ広げていった。


全社の売上実績を即座に把握


 MotionBoardの導入直後から効果を実感したと語るのは、同社の千葉営業所 所長を務める大場 富美夫氏だ。導入前は週に一度の売上レポートによって業績の善し悪しを判断していた。しかし導入後は、売上データがMotionBoardへリアルタイムに反映されるため、日々実績を確認できるようになったという。これにより、より細かな営業判断や軌道修正が可能になった。


 「私の立場として、千葉営業所自体の数字は当然ですが、全社的な数字の流れも見ています。自分の管轄だけだと狭い視点になってしまい、偏った方向に進んでしまうこともあります。全体を見てそれを所員に発信することで、どういった動きをすべきかが見えてきます」(大場氏)


MotionBoardで可視化された売上実績を所員に共有する会議の様子

 恩恵はレポートを作る側にも大きかった。以前は、Accessからデータを抽出してExcelで加工して送る毎日だった。分析を加える必要がある時は、さらに負担が大きくなっていた。しかし、MotionBoardの導入後はレポート作成が自動化され、それらの手間は約6割まで軽減されたという。


 さらに、営業現場が実感した効果もある。アソシエイトの活動としてかかせないのが、日々の取引先への営業だ。同社では3rd Party Dataを活用し、MotionBoard上で地図情報に歯科医院をマッピング、さらにそこに営業ルートを落とし込んで活用している。それまでは、地図上に取引のある歯科医院と、これから新規開拓する歯科医院をマッピングしていただけだった。しかし、詳細なルート情報も加えたことで、アソシエイトがどのような道筋を通って市場を回っているか、見えるようになった。この仕組みを最初に試したのが、大場氏率いる千葉営業所だった。


 「システムには、既存の歯科医院の売上データや最終納品日といった情報も入っています。さらにエリアごとの売上や隣のルートとの関係性も把握できます。また、距離感だけでなく方向もわかるので、より効率が良くて、将来性のあるルートを組む際の参考になります。以前のルート決めでは、効率を度外視していたこともありました。しかし、地図上に落とし込むとそれらの無駄が明確になります。千葉営業所は、千葉市内ですでに50%以上のシェアを持っており、今後の新規開拓先は限られています。となると、効率的に回る必要が一層出てくるというわけです」(大場氏)


歯科医院をマッピングした上に営業のルート情報を落とし込み、MotionBoardで可視化

 各アソシエイトのルートは、定期的に変更される。その際、新しいルートはどのようなエリアで、どのような歯科医院があるのか、アソシエイトは不安になることもある。しかし、MotionBoardを見せながら、そのエリアにどれくらい新規開拓の余地や可能性があるのかを説明することで、営業活動へのモチベーションを高められるという。


社内浸透策の参考になったユーザーコミュニティ


 導入してから5年が経ち、MotionBoardの導入効果は確実に現れている。しかし、これまですべてが順調に進んできたわけではない。まず「システムを駆使してデータ分析する」ことを、多くのアソシエイトがすんなりと受け入れたわけではない。


 同社のデジタル推進室 室長でMotionBoard導入の司令塔役を任された吉原 大騎氏は、社内で浸透させるためにさまざまな試行錯誤を行った。その際に大きな助けとなったのが、ウイングアーク1stのユーザーコミュニティ「nest」の存在だった。


 「他社ではどのようなダッシュボードを作っているのか、どんな機能を使っているのか、プレゼンの方法や社内への浸透方法など、大いに参考にしました。マニュアルを読むだけではそういったノウハウを知ることはできませんから、直接聞いて話し合える場があるのは助かります。社内に担当者は私だけですが、1人で悩まずに済んだのは大きいです。今は、nestで吸収したことを、自社で活かしている状態です」(吉原氏)


デジタル推進室 室長 吉原 大騎氏

 そんな吉原氏は、MotionBoardの導入時には各営業所を回って勉強会を開き、アソシエイト1人ひとりにMotionBoardで作った資料を渡しながら、具体的な使い方やメリットを説いていったという。


Excelとの相乗効果でボトムアップ型のDXを実現


 MotionBoardの導入前にデータを活用する文化がなかったからこそ、導入から現場浸透までは苦労もあった。この点について、石川氏は「しつこくMotionBoardを使おうと言わないと、なかなか使われません。ダッシュボードを見てもらうだけでも1年以上かかりました」と当時を振り返る。しかし、現在は社内の半数程度の従業員がMotionBoardを利用するようになった。


 今後もMotionBoardの浸透を推し進めるという石川氏だが、1つの秘策を持っている。それはデータをExcelに簡単に落とし込めるというMotionBoardの利点を活かすことだ。とにかくExcelの使い方やデータ加工、さらに分析の方法について学んでもらうことで、その元データとなるMotionBoardにも注意を向けてもらう作戦だ。「データ分析したいけど、そのためにはMotionBoardを触る必要がある」というように、今度は逆方向から攻めることになる。


 「データを一番見やすいのはMotionBoardです。ただ、それがすべてではなく、グループウエアやコミュニケーションツールなど、いろんなツールを組み合わせながらデジタルトランスフォーメーション(DX)に対応しようと考えています。Excelは、MotionBoardとの相性は抜群ですし、やはり世界的な表計算ソフトだけのことはあって非常に優れています。それを使いこなすためのデータがMotionBoardの中にある、と社内に訴求していきます。できればすべてをMotionBoardでという思いもありますが、まずは個々の自主性を高めることで、データ活用を進めたいと考えています」(石川氏)


 焦らず、着実に社内のIT力を向上させている成田デンタル。Excelを入り口にしたボトムアップのデータ活用を目論むなど、さまざまな工夫を凝らしてDXへの対応を進めている。


 


Company Profile

株式会社成田デンタル

設立:1983年3月
所在地:千葉県千葉市
事業内容:歯科技工物の販売業務、歯科医療事業所に対してのコンサルティング業務
URL:http://www.narita-d.co.jp/

(写真中央)代表取締役 石川 典男 氏
(写真左)千葉営業所 所長 大場 富美夫 氏
(写真右)デジタル推進室 室長 吉原 大騎 氏

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