導入事例

株式会社WorkVision

株式会社WorkVision

DX推進に向けたデータ活用基盤を構築
~分散している様々なデータを統合~

株式会社WorkVision
業種

情報・通信

 東芝デジタルソリューションズグループから2019年に独立した株式会社WorkVision(以下、WorkVision)は、
販売管理・会計システムや見込管理システムなど、様々なシステムに分散しているデータを統合し、データ活用基盤を構築した。その基盤として採用したのがウイングアークの「Dr.Sum」と「MotionBoard」だ。営業や技術、経理など部門や職種を問わず全社の社員に利用を広げ、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進している。

導入背景

 WorkVisionは、東芝デジタルソリューションズグループからの独立に伴い、すべてのシステムを新たに構築する必要があった。これをDX推進のチャンスととらえ、短期間で基幹システムをはじめとする全システムを刷新。
データ分析に関しても、これまで以上にレベルの高い仕組みを実現すべく、BIツールを活用したダッシュボードの構築を開始した。

課題
  • 見込み値や経費など、業務上で把握しなければならない計数が様々なシステムに分散
  • 実績データは基幹システムからもレポート出力することが可能だが、ユーザーの個別ニーズに対応することが困難
解決策導入ポイント
  • 販売管理システム、見込管理システム、会計システムなど様々なシステムに分散しているデータをDr.Sumで高速で集計・分析可能
  • 全社、事業部、部門、担当者といった階層におけるそれぞれの期別、月別、カテゴリー別の実績データを見える化するダッシュボードを構築したかった
効果
  • 経理部は、実績データの収集から集計までの手作業から解放され、必要なデータをダッシュボードで確認する事により、締め処理の短縮化を実現
  • 経営企画部は、全社予実績及び損益見込管理表などの資料作成に要する時間を効率化、毎月丸1日分の時間を短縮

今まで以上のレベルでデータの見える化や分析を促進していく仕組みを実現したい


 WorkVision(旧、東芝ソリューション販売)は2019年に東芝デジタルソリューションズグループから独立し、新たなスタートを切ったITソリューションベンダーだ。社名が変わってからも、これまでと同様の手厚い顧客対応を継続。さらに多彩なクラウド/パッケージソリューションを拡充し、企画からサポートまで一貫したサービスを提供している。


 そうした中で急がれたのが社内システムの整備である。WorkVision 経営企画部 企画管理グループの南英昭氏は、「独立に伴いこれまで慣れ親しんできた東芝デジタルソリューションズグループのシステムはすべて利用できなくなりました。そこで、これをDX推進の大きなチャンスと捉え、独自のシステム構築ではなく、標準パッケージでの導入による基幹システムを立ち上げることにしました」と語る。


 ただ、これだけでは会社の経営は回らない。主要な実績値は基幹システムで管理されているのだが、そのほかにも様々な見込み値や経費など、業務上で把握しなければならない計数は数多い。「会社の再始動に際してまず直面したのが、これらのデータを全社的に一元管理するためのシステム整備に関する課題です」と南氏は振り返る。


 そして、せっかくゼロから新しいシステムを導入するのなら、今まで以上のレベルでデータの見える化や分析を促進していく仕組みを実現したい――。そんな思いからWorkVisionが向かったのが、BIツールを活用したダッシュボードである。


データの扱いやすさやパフォーマンス、ダッシュボードの見栄え、コストなどを総合評価


 では、どんなBIツールを基盤とすべきか。WorkVisionが選んだのが、ウイングアークのDr.SumおよびMotionBoardである。


 基幹システムをはじめ販売管理システムやSFA、経理・人事システム、さらには担当者が個人のExcelファイルで管理している見込み情報まで、様々なシステムに分散しているデータをDr.Sumに集約。この集約したデータをMotionBoardのダッシュボードに表示するというシンプルな構成のBI環境を構築することになった。


 WorkVisionの成谷 浩一氏は、「Dr.SumやMotionBoardは弊社で取り扱っている商材でもあり、社内の活用事例をお客様に対するショーケースとしたいと考えました」と語る。


 ただし、だからといって最初からDr.Sum、MotionBoardありきで導入を進めたわけではない。他社の様々なBI製品と客観的な目で比較検討を行い、選定に臨んだという。WorkVision 経営企画部 企画・改革グループの小林 幸夫氏は、「実際に他社製品を選ぶ可能性もありました。しかし、データの扱いやすさやパフォーマンス、ダッシュボードの見栄え、コストなどを総合的に評価した結果、やはり私たちのビジネスにはDr.SumとMotionBoardが最適という判断に行き着きました。また、今回導入したのはオンプレミス版ですが、Dr.SumとMotionBoardにはクラウド版も用意されており、将来のクラウド移行の選択肢を残しておきたいという思いもありました」と語る。


ほぼすべての社員が利用する実績データの見える化から優先的に取り組む


 こうしてDr.SumとMotionBoardを導入したWorkVisionは2019年10月にワーキンググループを立ち上げ、計数管理システムの構築プロジェクトをスタートした。


 最初に実装したのは、事業部、部門、担当者といった階層におけるそれぞれの通期、月別、カテゴリー別の実績データを見える化するダッシュボードである。「実績データは営業や技術、経理など部門や職種を問わず、ほぼすべての社員が利用するため優先的に取り組むことになりました。これらの実績データは基幹システムからもレポート出力することが可能ですが、タイムリーではなく、また、ユーザーが求める形式ではないため、個別のニーズに対応することができません。まずはこの課題を解決したという次第です」と成谷氏は語る。


 例えば経理部は従来、基幹システムから出力されるレポートをもとにそのデータをExcelに再入力し、様々な集計・加工を施すことでようやく月次の締め処理を行っていた。「そこに今回Dr.Sum、MotionBoardが導入されたことで、経理部は必要な実績データを1ヶ所に集め、締め処理に適した形でダイレクトにダッシュボードに表示することが可能となりました」と成谷氏は強調する。


 さらに、実績データに続いて事業部ごとの月別の見込みデータについてもDr.Sumへの集約が始まったことに伴い、同様の業務効率化の効果は経営企画部でも表れた。WorkVision 経営企画部 企画・改革グループ部長の武内省作氏は、「以前は様々なシステムからデータを手作業で集めて突合し、予実績、損益見込などの資料を作成していました。現在はそのすべての作業がMotionBoardのダッシュボード上で完結します。これにより毎月丸1日分(8時間)の時間が削減されています」と語る。


 なお、先に述べたように営業部門の見込みデータについては担当者ごとのExcelシートで管理されているものも多いのだが、これらのデータ収集についてはMotionBoard のオプション機能であるMotionBoard Agentを活用したという。「MotionBoard Agentを使用すると、データソースとなるExcelシートが更新されたときに自動でMotionBoardに読み込ませるように設定することが可能で、スムーズな連携を実現することができました」と成谷氏は語る。


営業の受注見込を可視化するダッシュボード

Excelで管理していた技術実績情報をMotionBoardで可視化

データ分析基盤としての機能強化を図り、データドリブン経営を前進させていく


 もっとも現状で、目指す数字の見える化に必要なすべてのデータがDr.Sum上に揃っているわけではない。「精度の高い見込策定のためには、より多くの見込みデータを収集しなければなりません」と南氏は語り、これが当面の目標となる。その1つが様々な経費の見込みデータである。現在、これについては経理部門が各事業部、部門から収集しているのだが、WorkVisionは今後そのデータ入力にもMotionBoardを活用したいという方針を打ち出している。


 「各事業部や各拠点がExcelで集計した経費を経理部に集め、また別のシステムに再入力して全社で集計し直すのは、あまりにも無駄な作業です。最初から担当者がMotionBoardにデータを入力できるようにすれば、現場も手間がかからず業務効率を格段に向上することができます。MotionBoardを使った入力フォームのプロトタイプはすでに出来上がっており、現場のユーザーの意見を聞きながら使い勝手を改善し、2021年度中に展開を目指し、構築中です」と成谷氏は計画を示す。


 さらにその先に見据えているのが、データ分析基盤としての機能強化である。「今後5年、10年と事業を続けるに従い、Dr.Sumには大量の実績データや見込みデータ、その他のデータが蓄積されていきます。そうしたデータを単に見える化するだけでなく、市場トレンドやお客様のニーズの変化を詳細に分析して多くの洞察(気づき)を導き出し、有効なアクションや新たなビジネス戦略につなげていくための仕組みをMotionBoard上に構築していきます」と武内氏は語り、データドリブン経営をさらに前進させていくツールとして活用を広げていく考えだ。


Company Profile

株式会社WorkVision

設立 :2012年10月
所在地 :東京都品川区
事業内容 :クラウドソリューション、パッケージソリューションを拡充し、企画からサポートまで一貫したサービスを提供。お客様にとって何がベストであるかを考え続け、最新の情報技術を駆使し、最高の価値を提供することを自らの使命とする。
URL :https://workvision.net/

写真左より
経営企画部 情報システムグループ 部長 小田村 隆 氏
経営企画部 情報システムグループ プロフェッショナル 成谷 浩一 氏
経営企画部 企画・改革グループ スペシャリスト 南 英昭 氏
経営企画部 企画・改革グループ プロフェッショナル 小林 幸夫 氏
経営企画部 企画・改革グループ 諸 博之 氏
経営企画部 企画・改革グループ 部長 武内 省作 氏

導入製品

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