導入事例

ADインベストメント・マネジメント株式会社

不動産運用事業で進むDXの第一歩
Excel分析の限界をBIダッシュボードで突破

導入製品
業種
不動産
投稿日
2021.07.30

 J-REIT (不動産投資信託)の資産運用会社であるADインベストメント・マネジメント株式会社(以下、ADインベストメント・マネジメント)では、ウイングアークの「MotionBoard Cloud(以下、MotionBoard)」を活用し、基幹システムに蓄積してきた業務データを活用できる環境を構築。レポート作成に関する定型業務の効率化だけではなく、Excelでは不可能だったデータの掛け合わせやドリルダウンなどを行い、複数のデータを素早く俯瞰できる情報体制を構築した。今後は利用領域の拡大を図ることで全社の業務効率を向上させるとともに、新たな示唆の獲得を目指すなどデータドリブン経営の定着を目指す考えだ。

導入背景
 ADインベストメント・マネジメントではDXに向けた歩みを進めるべく、新たなデータ活用基盤を構築し、業務の効率化や高度化、データ活用風土の醸成を図ることとした。

課題
  • 基幹システムに蓄積されたデータを十分に活用できていなかった
  • Excelによるデータ抽出作業は手順が複雑で属人化していた
  • 経営陣や投資家に向けた報告業務に手間と時間がかかっていた
解決策導入ポイント
  • MotionBoardを導入し基幹データを十分に活用できる情報体制を構築
  • 利用者・開発者双方の目線でのUIの使いやすさ
  • 短期間での導入が可能なベンダーと構築パートナーの支援体制
効果
  • データ抽出業務の作業時間が1/10以上に短縮
  • 経営陣向け予実管理や計数管理が効率化。労力を約5割削減
  • MotionBoardを通じてデータを積極的に活用できる新たなアイデアが社内から広く寄せられた

業務の効率化・高度化に向けたデータ活用の機運が盛り上がる


 J-REIT(不動産投資信託)の資産運用会社であるADインベストメント・マネジメントは、投資家から預かった資金を、賃貸住宅を中心とする不動産などに投資。不動産と金融に関連する専門性を発揮し、投資家とテナント双方の満足を高めるよう務めている。


 「現在、270棟を超える物件と2万数千におよぶ運用データを管理しています。日々発生する賃貸契約や入出金業務、資金調達などを滞りなく進めるとともに、その状況を早く正しく捉え、経営陣や投資家様に伝えることが求められています。また、不動産の管理実務は約20社の委託先にお願いしており、委託先とともに不動産の価値を高めることも重要な業務です」


 こう説明するのは、経営管理部で部長を務める信國 太郎氏だ。同部は計数管理の実務とともに、業務システムの企画や推進、さらに全社的なデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進を担っている。


 「基幹システムには過去10年以上のデータが蓄積されていますが、それを十分に活用できていませんでした。私たちの業界においても、DXの推進は重要なテーマです。DXの第一歩として、データを利活用する風土づくりに向けてBIダッシュボードの導入に着手しました」(信國氏)


経営管理部長 信國 太郎 氏

 一方、目下の課題を解消する手段としても、BIダッシュボードへの期待は高かった。経営管理部 経営管理チーム長である土橋 佑太氏が、日常業務での苦労を明かす。


 「社内の各部署が使用するデータを基幹システムから抽出し、Excelにまとめて提供しています。データをチェックして、間違いがないか確認することも必要。時間がかかるだけでなく、単なる“作業”に過ぎないため、この作業を不要とし、人の手で行うべき生産的な時間に充てたいと考えていました。また、作業手順を理解している担当者が限られており、属人化していることも課題でした」


 このようなExcelを使ったフローは、データを使用する立場の資産管理部にとっても望ましいものではなかった。資産管理部は、物件個別の予実管理、各種評価やモニタリング業務といった足元の運用状況を管理会計面で管理し、こうした数字を取締役会に報告している。同部部長の星 青児氏は、業務の実態を次のように説明する。


 「約25のExcelファイルを月次で更新しており、そのうち3割程度を経営陣に報告しています。定型的な更新だけでなく、状況に応じて変化する経営陣が求める切り口にデータを加工することも発生します。Excelで対応しようとすると、どうしても時間がかかってしまい、適切なタイミングでレポートを作ることができません。また、作るだけで精一杯で、結果から新たな示唆を得るといった活用にまでなかなか手が回っていませんでした。こうした業務をMotionBoardに置き換えることができれば、短時間で結果を出せますし、新しい何かを発見できるのではないかという期待感がありました」


利用者・開発者双方にとって優れたUIデザインを評価


 今回のBIダッシュボード導入プロジェクトでは、信國氏のリーダーシップのもと土橋氏が実務を担当した。


 ADインベストメント・マネジメントでは、これまでにもBIツールを導入していたものの、使い勝手の評価が芳しくなく、ごく一部の利用者が使用するにとどまっていたという。製品選定にあたっては、従前のツールも含む4製品を比較。その結果、MotionBoardを採用することになった。


 信國氏は「選定で意識したのは、利用者目線での使いやすさでした。実際に見る人が気に入ってくれる画面構成なのか。MotionBoardは視認性、操作性ともにわかりやすく、UIがもっとも優れていると感じました。また、ウイングアークの担当者と話してみて、サポート体制も非常にしっかりしているなと実感できたことも決め手の一つになりました」と選定理由を説明する。


 土橋氏も「いろいろな製品のハンズオンセミナーに参加して、実際に使用してみました。ダッシュボードを作成・カスタマイズする立場としても直感的に操作可能であることなど、扱いやすさを感じました」と続ける。


経営管理部 経営管理チーム長 土橋 佑太 氏

4ヶ月という短期間で完成、リリース後も機動的に日々改善中


 要件定義や設計・開発は、主に伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が担当し、それに土橋氏が利用者目線で調整を加え、約4ヶ月という短期間で完成させた。信國氏は、開発が成功裏に終わった要因の一つに、ウイングアークのサポート力を挙げる。


 「他のベンダーと接した経験に照らしても、たいへん満足できました。オンサイトで加わってくれた方の技術力、対応力が素晴らしく、無理難題かなと思うようなリクエストでも即座に反映してもらえたのには驚きました。言い換えると、それだけ使いやすい製品であることを証明していたのかもしれません」


 今回のスコープで作成したのは、「不動産物件の稼働状況、賃料、収益分析ダッシュボード」。一例を紹介すると、同社が運用している物件の稼働率や、その内訳である成約率や解約率などの月別推移を一目で把握できる。さらに、気になる数字をクリックすると、瞬時に前年同月比が表示される。また、賃料や契約更新時の値上げ交渉結果なども、時系列で比較可能だ。


不動産物件の稼働状況、賃料、収益分析 ダイジェストボード ※本画面ではサンプルデータを使用

エリア・ユニット別 稼働状況分析ボード ※本画面ではサンプルデータを使用

 エリアごとの情報を見たいときに使用する「ブロック」別の分析では、複数選択したエリアを合計するなど、切り口を瞬時に変更できる点、エリア全体の数字から物件個別の数字までを容易にドリルダウンできる点が重宝しているという。


 「Excelでは不可能なことが、MotionBoardならできるようになり役立っています。リリース後の現在でも、より良くなるよう少しずつ手を加えていますが、機動的に変えられるのもMotionBoardの良いところだと思います」(土橋氏)


 さらに、地図を組み入れたモバイルアプリの利便性についても高く評価する。


 「不動産の場合、立地が重要な要素となります。位置情報をもとに、現在地からの半径を設定し、地図上に物件と稼働率の状況を色分けして表示することができますので、これまでにない示唆を得ることができます。また、実際に物件を見に行く際、これまでのように資料を印刷して持って行く必要もなくなります。モバイルアプリは、社内でかなり大きな反響がありました」(土橋氏)


物件別 稼働率マップ(PC&モバイル) ※本画面ではサンプルデータを使用

1時間かかっていたデータ抽出業務が、わずか5分に。


 定型的な業務に割く時間を削減したいと考えていた土橋氏は、「Excelで毎週1時間かかっていたデータ抽出業務が、MotionBoardでは約5分になりました」と、歴然と変化した例を挙げる。


 星氏も「必要な情報を得るために、以前なら分厚いファイルを行き来していました。MotionBoardでは各報告資料の全体感が掴みやすく、知りたい情報に短時間でたどり着くことが可能なので、経営陣への報告が効率的になりました。感覚としては、およそ半分の労力になっています」と評価する。


資産管理部長 星 青児 氏

 このように、現場ではすでに無くてはならない存在になっているMotionBoardは、経営陣からの評判も上々だ。


 「完成したダッシュボードを披露したところ、評価がとても高かったです。本格的に活用されるようになれば、威力を実感する場面が増えて、手放せなくなるのではないでしょうか」(信國氏)


いまがDXへの第一歩。全社的な業務効率化やデータドリブン経営へ挑戦


 今後の活用について星氏は、「資産管理部は、データベースを活用して新しい方向性や判断軸を発見することが期待されています。Excelの場合、緻密に数式を組み上げてみたものの、導き出された答えが思わしくないことが珍しくありません。MotionBoardなら、さまざまな試行を瞬時に行えますので、今まで試すことができなかった膨大なデータの掛け合わせによって、期待に応えられることでしょう」と意気込みを語る。


 土橋氏は、今まで「作業」に費やしていた時間を、より生産的な業務に割り当てていきたいとした上で、「現在は利用部門が限定的ですが、別の部署からもMotionBoardを利用したいという声が寄せられています。まずは、工事を担当する部門向けに、モバイルの地図上に表示される物件に工事情報を追加する予定です。さまざまな要望を取り入れつつ活用領域を広げていき、全社の経営を効率化できればと思っています」と話す。借入金の管理や同業他社の分析など、多数のアイデアを思い浮かべており、各部門に利用を働きかけていく考えだ。


 最後に信國氏は、「今後はAIを取り入れるなど、新しい切り口でのデータ活用を進めていくことが、私の使命だと思っています。MotionBoardの導入によって、まずは第一歩を踏み出しました」と話し、データ活用に対する意気込みを改めて示した。


Company Profile

ADインベストメント・マネジメント株式会社

設立 : 2005年2月
所在地 : 東京都千代田区
事業内容 : J-REIT (不動産投資信託)の資産運用会社。賃貸住宅を中心とする不動産への投資を通じて、投資家利益、入居者・従業員の豊かな発展に努める。
URL :https://www.adim.co.jp/

(写真右側から)
経営管理部長 信國 太郎 氏
経営管理部 経営管理チーム長 土橋 佑太 氏
資産管理部長 星 青児 氏

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