データに基づいた提案や意思決定が成果を生み、データ活用の風土をつくる
花キューピットは、一般社団法人JFTD(以下、JFTD)の完全子会社としてECサイト「インターネット花キューピット」を運営。全国約4,300店の加盟花店ネットワークによって、ECサイトで注文されたフラワーギフトを「いつでも、どこからでも、どこへでも」花店から顧客へ直接届けるECビジネスを展開している。
同サイトでは母の日などの季節のイベントや結婚祝いなどの用途、予算などに合わせて最適のギフトを選ぶことができる。
同社システム開発部 シニアマネージャーの星野 靖東氏は次のように話す。
「ECサイトにおいては、お客様を深く知り、理解することが非常に大切です。特にお花は年齢層や性別によって大きく嗜好が分かれます。いつどのようなお客様に、どんな商品が何の用途でどれくらい売れたのか?そうしたデータを正確に集計・分析し、商品開発やキャンペーン企画、コンテンツ作成などに活かすことは極めて重要です」
同社は2005年にウイングアークの「Dr.Sum」を導入したが、当時は社内の一部での利用に留まっていた。経営トップの判断により、2011年からDr.Sumによる社内のデータ活用が推進された。
商品や顧客などについてのデータの不備をなくし、データ更新を見直すことで精度を向上。さらに社員のPC全台にDr.Sum Datalizer for Excel(Excel上で操作する集計レポーティングツール)をインストールし、集計定義をテンプレート化することで、誰もがデータを集計・分析できる環境を整えた。データ活用のための勉強会も定期的に行ったことで、徐々にDr.Sumの利用者が増えていった。
現在では多くの社員がDr.SumとPC全台にインストールされたDatalizer for Excelを使い、慣れ親しんだExcelの操作方法によって自らデータの集計・分析を行っている。最も多く行われているのが受注データの分析で、性別、年齢などの顧客属性や用途を組み合わせることで、どういう層に何が売れているかを詳細に把握しているという。
「商品開発やキャンペーン企画、コンテンツ作成を行う際、個人の勘や経験によるのではなく、データに裏付けされた提案や意思決定が行えるようになりました。それが会員登録数や売上の増加など実際の成果に結びついたため、いっそうデータ活用が重要だという認識が社内に浸透していきました。また、従来システム部門に依頼されていたデータの集計・分析を社員自らが行い、その結果を直接業務に活かせるようになったため、PDCAのスピードが格段に上がりました」と星野氏は語る。

「今」のデータをリアルタイムに可視化・共有、データをもっと身近に
ECサイトは日々刻々と動いている。Dr.Sumによって顧客や販売に関する様々なデータを分析・活用できるようになったが、次に求められたのはリアルタイムに今のデータを可視化し、それを共有することで業務に活かす仕組みだった。
同社のビジネスでは、顧客から受けた注文をカスタマーセンターが届け先に近い花店へと伝え、その花店が商品の用意と配達を担当している。宅配便に比べ移動距離が短いため、商品の鮮度が保たれるなどのメリットはあるが、母の日など特定のイベント時期には何十万件もの注文が殺到し、キャパシティを超えてしまう花店も存在する。
そうした今の注文や配達のデータをリアルタイムに可視化・共有し、適切な対応をするための情報を提供するツールとして、ウイングアークのBIダッシュボード「MotionBoard」が活用されている。
MotionBoardは2013年に「もっとデータを身近に」という目的で導入された。選択の理由はDr.Sumとの親和性とウイングアークとの間に築かれた強固な信頼関係だった。


素早い状況把握で、業務の円滑化と効率の大幅向上
MotionBoardの活用によって、全国の今の受注状況・配達状況が一目で把握・共有できるようになり、キャパシティを越えたエリアでの一時的な受注制限などの対応が素早く行えるようになった。そのため母の日など注文が殺到する時期でも、よりスムーズに確実に商品を届けることが可能となった。また、注文数などもリアルタイムでわかるため、データを元にインターネット上のリスティング広告が最大の効果を上げるよう出稿量を調整している。
同社は胡蝶蘭や観葉植物など産地直送品も扱っているが、そうした商品の生産者と、いつ、どの商品を、いくつ届けるかなどの情報共有をMotionBoardで行っている。
「以前は現在の状況を素早く把握・共有する手段がありませんでした。MotionBoardによって、誰もが簡単に今の状況を知り、適切な手を打てるようになったため、より円滑なオペレーションが実現し、業務効率が大幅に向上しました」と星野氏は話す。
星野氏はDr.Sum、MotionBoardが社内で長年にわたり広く活用されている要因として、ウイングアークによる手厚いサポートとユーザーコミュニティ「nest」の存在を挙げる。
「データベースやBIの専門知識がない自分に、サポート担当者の方は初歩的な部分から社内における使いこなしまで、常に丁寧で的確なアドバイスをしていただきました。また、ユーザーコミュニティ『nest』に参加することで、他社の事例や活用法のヒントを多数知ることができ、いつも刺激をもらっています。MotionBoardのユーザー視点での使いこなし方をまとめた『MotionBoard wiki』というページもnestのメンバーと協力して作り上げました」
グループ全体の活用を推進、顧客像を追求し新たな価値の創造へ
ECサイトの運営は花キューピットが担当しているが、全国の加盟花店との関係構築や花の生産などは親会社であるJFTDが行っている。商品開発やビジネスの方向性などもJFTDと話し合って決定しているため、データを共有することは極めて重要だ。
現在、JFTDとDr.Sumを共同利用しているが、MotionBoardの共同利用もJFTDに提案している。
「JFTDグループ全体では、ECサイトのデータだけでなく、花店の精算や資材・花材の卸販売のデータなど共有すべきデータがたくさんあります。MotionBoardなら権限管理機能もしっかりしていますので『見せる・見せない』の柔軟なコントロールが可能です。MotionBoardを活用することで、お客様にはより魅力的な商品とサービスを、さらに加盟花店、JFTD、弊社従業員に様々な価値を提供していきたいと考えています」と星野氏は語った。
顧客の嗜好や気持ちを深く知り、「贈る人」「贈られる人」をともに笑顔にしたい。そうした思いの実現を、今後もDr.SumとMotionBoardが後押ししていく。






