導入事例

株式会社HBA

「管理会計BI」導入で実現するデータドリブン経営
リアルタイムな情報把握から迅速な意思決定を実現

導入製品
業種
情報・通信
投稿日
2021.11.25

システムインテグレーターの株式会社HBA(以下、HBA)は、新収益認識基準への対応を契機に従来の内製システムからERPパッケージへの移行を決断。その過程で、ERPだけでは自社業務に適した管理会計へのニーズを実現できないことが分かり、管理会計BIとしてDr.SumとMotionBoardを採用した。これにより、月次決算確定から報告までのリードタイムが20日から10日に、プロジェクトの損益状況の把握が2週間から日次サイクルに短縮された。業務の数値化や数値に基づいた意思決定を実現する「データドリブン経営」のための基盤を構築した。

導入背景
HBAでは新収益認識基準への対応を契機に管理会計業務の刷新プロジェクトを立ち上げた。ERPパッケージ、勤怠・工数管理のクラウドサービス、管理会計BI(Dr.Sum・MotionBoard)を導入し、管理会計業務の高度化と早期化を目指した。

課題
  • 従来のシステムでは、管理会計に必要なデータが散在し、データフォーマットも異なり、事前のデータ加工に多くの時間を費やしていた
  • 結果として、月次決算が確定した7〜8営業日後に分析を開始、報告は月末となっていた
  • 管理会計において重要な情報となる各プロジェクトの進捗度合いや、SEの勤怠・工数を始めとする原価に紐づくデータの取得に2週間かかっていた
解決策導入ポイント
  • ERPの導入によるデータの整備と、勤怠・工数管理のクラウドサービス導入による日次でのデータ連携により、管理会計の高度化・早期化の下地となった
  • ERPのデータを分析に適した形でDr.Sumに蓄積し、MotionBoardでさまざまな切り口から集計・分析
  • より実態に即した管理会計業務を行うために必要な「仕掛売上データ」を、MotionBoardの入力機能でSE部門が入力し収集
効果
  • 予算対比や前年比などの管理会計レポートが自動出力され、月次決算確定から報告までのリードタイムを20日から10日に短縮
  • ドリルダウンや明細抽出などが行えることにより、要因の分析が可能に
  • 勤怠・工数データを日次で取得・活用できるようになり、売上や原価の見通しや、赤字プロジェクトの予兆を早期に察知、迅速なアクションを起こせるように

最新の管理会計情報がスピーディに把握できない


 HBAは、50年以上の歴史を持つシステムインテグレーターとして、本社のある北海道のみならず日本各地の顧客に対し、さまざまなIT関連サービスを展開している。同社では、2021年4月1日以後の事業年度から適用される「収益認識に関する会計基準」への対応をきっかけとして、2018年に新たにERPパッケージを導入することを決定した。


 経営管理本部 経営企画室 高野 達氏は、「新しい基準に対応するためにERPを導入し、従来利用していた内製で構築してきた経営管理システムを廃止することにしました。これを機に、管理会計によってビジネス情報をリアルタイムに把握する『データドリブン経営』を目指すことになりました」と振り返る。


 従来の経営管理システムは、システムインテグレーターとしての同社の技術が生かされたもので、経費精算、日報、案件管理の各システムを制度や法改正のたび、また各部門からのニーズに対応しながら、スクラッチで開発してきたものだ。この経営管理システムに、会計のパッケージ製品を連携させて、各プロジェクトの状況把握や分析を行ってきたが、集計が完了するまでに時間がかかるのが大きな課題となっていた。また、管理会計に必要なデータ取得にも課題があった。


 「当社では社員エンジニアの7割がお客様の事業所で仕事をしており、お客様先での社員の労働時間が売り上げの源泉であり人件費となります。それらは従来、社員各自が毎日エクセルで管理し月末にまとめて集計される仕組みになっていたため、経営管理システムに連携されプロジェクトの最新データがそろうまでには2週間程度かかっていました」(高野氏)


 この仕組みでは、経営層に最新の状況をレポートするのに時間がかかる。さらに、採算的に問題が起きつつあるプロジェクトがあったとしてもスピーディに察知できない。管理者層による問題の把握、解決策の検討が遅れ、いわゆる赤字プロジェクトをタイムリーに察知できなかった。


BI ツールでERPの機能を補い、「データドリブン経営」を目指す


 こうした課題を解決するために同社では、まず、社員の勤怠やプロジェクトごとの稼働工数を可視化するクラウドサービスを導入し、各社員がスマートフォンから毎日勤務時間などを入力できるようにした。


各社員の労働時間を素早く集約する手立てが確立し、旧経営管理システムのERPへの移行が着実に進むなかで課題になったのが、ERPだけではデータ分析の種類や分析スピードが十分ではないという点だ。


「ERPにデータを集約したことで、データそのものの粒度は自動的にそろえることができるようになりました。しかし、必要なデータを抽出・分析し、当社が必要とする形式でレポート化することに支障がでることが分かったのです」と話すのは、経営管理本部 社内IT推進室の茅野 裕馬氏だ。


 そこで同社では、すぐにBIツールの導入の検討を開始。情報が取得できたほぼ全てのBIツールを比較検討する中で、ウイングアークの「Dr.Sum」と「MotionBoard」の採用を決定した。ERPから必要なデータをDr.Sumに取り込み、そのデータをMotionBoardで自由自在に分析するという使い方だ。


「Dr.Sum」と「MotionBoard」による管理会計BI

データの可視化・分析だけではなく、データ入力機能もあるMotionBoard


 ウイングアークの製品を選定した理由はいくつかあるが、MotionBoardに入力機能があることが大きな評価ポイントになった。集計・分析に特化するBIツールが多い中で、データの入力機能が充実したMotionBoardは、データ利活用を進める上で有用であると評価された。


 「当社では、管理会計を行う上で『仕掛売上』という考え方をとっています。例えば、6ヶ月で完了する仕事があった場合、完了時に全売上額を計上するのではなく、毎月の業務実績から想定される売り上げを毎月分割計上するのです。より実態に即した管理会計を行うにはこのデータが必要ですが、財務会計システムにはありません。そこで、『仕掛売上』の入力画面をMotionBoardの入力機能を使って構築しました。もし、この機能がなければ、各部門のリーダーからExcel等で『仕掛売上』のデータを送ってもらい、Dr.Sumに反映するという作業が発生するところでした」(茅野氏)


売上計画入力ボード

※掲載するダッシュボードイメージは全てサンプルデータを使用しています


 また、サーバーライセンスであることも重要な評価ポイントとなった。


「将来的な展開を考えた時に、今まではライセンスで困ることも多かったのですが、ライセンス数を気にせず全社でデータの利活用を進めることができるDr.Sum・MotionBoardを採用することにしました」(茅野氏)


データ分析のレベルを全社的に向上させる


 本稼働から3ヶ月だが、すでに分析の高度化・迅速化をはっきりと感じ取っているようだ。


 「旧経営管理システムでは、バラバラなシステムにある生データをダウンロードしてExcelで加工する必要があったため、膨大な工数がかかり、分析に時間を割くことが難しい状況でした。現在は、分析に適したデータがDr.Sumに格納され、それをMotionBoardから自由な切り口で集計・分析する環境が整っています。最終的には売上明細の確認までMotionBoard上で行えるため、実績の把握にかかるまでのスピードが改善され、分析の自由度が向上しました」と高野氏は語る。


売上実績計画対比ダッシュボード

 この管理会計BIの導入はIT部門にとっても大きな効果をもたらしている。


「従来は、データの抽出対応やプログラムコーディングなどを個別対応することがありましたが、その対応がなくなり楽になりました。また、プロジェクトや契約の一覧検索や、請求処理・承認状況の確認画面など旧システムからERPに移行できなかった画面もDr.SumとMotionBoardで実装することができ、大変助かりました。Dr.SumとMotionBoardは機能も豊富で、何とかなるという安心感があります」(茅野氏)


プロジェクト情報の検索・確認ボード1

プロジェクト情報の検索・確認ボード2

 さらに、蓄積された経営データにアクセスできる人数も増加したこともメリットとなっている。両製品とERPの連携においてセキュリティをしっかりと担保できたことで、プロジェクトリーダーの全員がアクセスできるようになった。


「管理会計BIを利用する社員は現在100名以上います。各自がデータへ自由にアクセスし、分析結果を迅速に業務に生かせるようになったことは大きな変化です。データドリブン経営は、経営層や一部の管理層だけで進めるのではなく、全社的に取り組んでこそ価値があるので、まさにこれからが楽しみといったところです」(高野氏)


 今後、同社は、新システムの運用の習熟度をさらに上げ、より高度な「データドリブン経営」を進めていく。ERPを新しく導入したが、なかなかデータが生かされないというケースは意外に多い。HBAの事例は、そうしたケースの大きな参考になるに違いない。


Company Profile

株式会社HBA

設立:1964年4月16日
所在地:札幌市中央区
事業内容:50年以上の歴史を持つIT企業として、高い競争環境で磨かれた技術とコストの最適なバランスを武器に、システム開発からシステム運用、データ保守・管理に至るまで、IT業務のニーズを広くカバーする。
URL :https://www.hba.co.jp/

写真左より
経営管理本部 経営企画室 室長
高野 達 氏

経営管理本部 社内IT推進室
茅野 裕馬 氏

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