導入事例

医療法人社団こうかん会 日本鋼管病院

経営指標をスタッフ全員が意識するために
院内ポータルに最新のKPIを表示
手作業でのレポート作成業務をゼロに

導入製品
業種
その他
投稿日
2019.04.09

川崎市南部の中核病院である医療法人社団こうかん会 日本鋼管病院は、専門性の高い治療の提供で地域社会に貢献している。

その責務を担っていくためにも病院の経営状態を常に健全に保つ必要があり、病院経営のKP(I 重要評価指標)を院内スタッフ全員が常時、簡易に共有できる仕組みを実現したいと考えた。そこで導入したのがウイングアークのMotionBoardである。様々なデータソースからデータを取得して可視化するだけではなく、作成されたチャートなどをそのままWeb画面(院内ポータルサイト)に埋め込むことができるメリットを活かし、毎日必ず全員の目にとまる効率的なレポート配信体制を整えた。

導入背景
エンドユーザーにわかりやすいレポートを作成するためには、データをいったんExcelに出力して加工する必要がある。複数のデータを計算式に組み込まなければ算出できないKPIもあり、作業が完了するまでに1~2時間程度費やしてしまう。システム室としては、そうした定型業務に時間を割きたくない。

課題
  • 病院経営に関するKPI(重要評価指標)をデイリーで見える化したい
  • 要求されたKPIをまとめたレポートを毎日Excelで作成する工数を削減したい
解決策導入ポイント
  • データの取り込みからKPIの算出、チャートの加工まで、すべてのプロセスを自動化
  • ダッシュボード上で作成したチャートをそのままポータルサイトに貼付できる
効果
  • 院内のスタッフ全員が毎日KPIを見ることで、病院経営への意識が高まった
  • Excel では毎日1~2時間程度かかるレポート作成の工数をゼロに

電子カルテからのリアルタイムでのデータ取り込み、KPIの算出、チャートの加工まで、すべてのプロセスがMotionBoardで自動化され、最新状態のレポートが常にポータルサイトに反映される。Excelを使ったレポート作成で避けられなかった手作業がゼロとなり、システム室担当者の業務効率化を実現できた。


レポート作成の定型業務の工数を削減 本来の業務に集中したい


 川崎市の中核病院である医療法人社団こうかん会 日本鋼管病院は、急性期(一般)病棟および地域包括ケアの計395病床を有し、専門性の高い医療で地域社会に貢献している。

 この活動を背後から支えているのがITシステムだ。1990年代から診療報酬請求を担うレセプト電算処理システム、検査や処方などの指示を電子的に管理するオーダリングシステムなどの整備を進め、2012年より電子カルテシステムの運用を開始した。そしてその延長線上で、理事長や院長、看護部長などマネジメント層から「病院経営に関するKPI(重要評価指標)をデイリーで可視化してほしい」という声が上がってくるようになった。

 だが、当時このニーズに即応することは容易ではなかった。同院 事務局 システム室の小林 隆氏は、次のように語る。

 「必要なデータは電子カルテに集約されていますが、エンドユーザーにわかりやすい形のレポートを作成するためには、データをいったんExcelに出力して加工する必要がありました。複数のデータを計算式に組み込まなければ算出できないKPIもあり、すべての作業が完了するまでに1~2時間程度かかってしまいます。毎日発生する単純な定型業務を自動化することにより、システム室本来の業務に集中したかったのです」

 そうした中で注目したのがウイングアークのMotionBoardだ。同院 事務局 システム室 室長の村上 義光氏は、「課題解決の方法を探すべく、様々なBI製品を探していたところMotionBoardと出会いました。他のBI製品も調べましたが、デモなども見せてもらった結果、求めるものがすべて揃っていたのがMotionBoardでした」と語る。


最新状態のレポートを常にポータルサイトに反映


 こうして日本鋼管病院は2018年5月にMotionBoard導入を正式決定。最初に可視化したいと考えたKPIが、在院患者数、入退院患者数、病棟別利用率、平均在院日数、全病棟稼働率、診療科別達成率、病棟別看護必要度だった。そして、「新たにBIツールを導入しデイリーで情報が可視化されるのなら、院内スタッフ全員がより容易に情報を共有できる仕組みも作って欲しい、という経営幹部からの声もあり、それを実現したいと考えました」と村上氏は語る。

 MotionBoardを活用することで、具体的にどんな課題解決を図ったのか―。

 「ダッシュボードをそのまま公開しても、自発的にその画面を開いてデータを自在に閲覧・操作できるスタッフは限られてしまいます。そこで、院内に約400台設置されている電子カルテ端末上で運用しているポータルサイトのトップ画面に、MotionBoardで作成されたチャートを埋め込んで表示することにしました。これなら毎日必ずスタッフ全員の目にとまります」と説明するのは、同院 事務局 システム室の小池 園美氏だ。

 さらに同院 事務局 システム室の杉浦 将人氏が、次のように強調する。

 「電子カルテからのリアルタイムでのデータの可視化、KPIの算出、チャートの加工まで、すべてのプロセスがMotionBoardで自動化されており、その最新状態のレポートが常にポータルサイトに反映されます。Excelを使ってレポートを作成していた場合には避けられなかった手作業はゼロとなり、レポート作成業務の工数削減を実現できました」

 なお、この新システムが正式にリリースされたのは同年8月1日だが、実際には7月初旬には、ほぼシステムが完成に近い状態まで仕上がっていた。

 「当院はウイングアークの『活用定着化支援サービス』を利用しましたが、実質わずか2ヶ月で院内全体をカバーするシステム展開を実現できたMotionBoardのスピード感には、本当に驚きました。ソフトウェアの品質が高く、現場の様々な要求に柔軟に対応できるからなのでしょう」と小林氏は評価する。


地域医療連携強化を目指し患者分布をマップ上で把握


 診療科や病棟の枠を超えて、院内のスタッフ全員が毎日同じKPIを見るようになったことで、「各病棟や各診療科の稼働状況など、病院経営に対するスタッフ一人ひとりの意識が確実に高まったと感じています」と村上氏は語る。

 もっとも、MotionBoardの活用面でも拡張/改善すべきポイントはまだまだ残っている。地域医療連携を推進していくためのKPIの可視化もその一つだ。

 地域医療連携とは、高度な医療設備を備え専門性の高い医療を提供する基幹病院と、患者にとって身近なかかりつけ医(医院、診療所、クリニックなど)が、互いの長所を活かしながら連携し、病気の早期発見、集中的な治療、持続的なケアの提供などを通じ、地域で患者ごとのニーズに合った最適な医療サービスの実現を目指すものだ。「川崎市南部の中核病院である当院にとって、地域医療連携は最優先で取り組まなければならない命題の一つです」と小林氏は語る。

 この取り組みをより効率化する方策の一つとして日本鋼管病院では、入院患者や外来患者がどの地域から来院されているのか、地図上で居住地域分布を可視化することを考えている。

 「ここから得たデータに基づいて、来院患者が集中する地域のかかりつけ医への働きかけを強化して患者紹介を促し、かつ当院からの患者紹介(逆紹介)を積極的に行うことで、更に相互連携を深めることができるのではないか」と、村上氏はアイデアを示す。一般企業における消費者マーケティングと似たデータ分析を行うことで、地域の患者に対する最適な医療サービス体制構築につなげていくわけだ。

 ただし、こうしたデータ活用をする際、患者住所など個人情報が含まれるため、高いレベルでの情報管理が必要であり、スタッフ全員が閲覧できるようなポータルサイト上に公開するわけにはいかない。あらかじめアクセス制限を設定し、一部の医師やスタッフのみで限定的な運用を行うことが大前提となる。また、得られたデータを更にドリルダウンしたり、チャートや地図から詳細データにドリルスルーしたりといったBIの基本操作を活用し更なる分析につなげていくことも求められる。「今後は更に知見を高めて、ダッシュボードをベースとしたMotionBoard活用の幅を広げていくつもりです」と小林氏は力を込める。

 日本鋼管病院は今後もウイングアークとタッグを組みながら、関連データの整備、院内のデータ分析リテラシーの向上などに取り組み、地域中核病院としての機能を高めるべく、経営支援や業務効率化に向けて、MotionBoardのさらなる高度利用を進めていく考えだ。


Company Profile

医療法人社団こうかん会 日本鋼管病院

設立 :1937年
本社所在地 :神奈川県川崎市
事業内容 :内科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、肝臓内科、糖尿病内分泌内科、腎臓内科、神経内科、外科、消化器外科、乳腺外科、血管外科、肛門外科、脳神経外科、整形外科、耳鼻咽喉科、皮膚科、泌尿器科、眼科、小児科、精神科、婦人科、救急科、リハビリテーション科、放射線科、病理診断科、歯科、麻酔科
URL :https://www.koukankai.or.jp/

(左から)
事務局 システム室
杉浦 将人 氏
事務局 システム室
小林 隆 氏
事務局 システム室 室長
村上 義光 氏
事務局 システム室
小池 園美 氏

導入製品

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