導入事例

株式会社富山第一銀行

複数部署が携わるローン受付業務をデジタル化
ローン申し込みから実行までの期間を最短10日に短縮

導入製品
業種
金融・保険
投稿日
2022.08.25

1944年の設立以来、富山県を中心とする地域経済や住民生活に寄り添ってきた株式会社富山第一銀行(以下、富山第一銀行)は、従来の地域密着型のビジネスモデルを越え、より多くのお客様から選ばれるべく「ネット活用の快適さを、地銀でも」というスタンスで非対面取引の拡充など、さらなる利便性を追求している。
業務の遂行にはこれまで以上のスピードが求められるが、DX推進により成果をあげている。ローン受付業務においては、ウイングアークの「MotionBoard」を導入し、複数部門で進める13のプロセスの進捗状況をリアルタイムに可視化することで、各部門での対応や部門間の連携がスムーズになったほか、データにもとづくプロセス改善も実現された。その結果、ローン申し込みから実行までの期間を20営業日要していたところ、最短10営業部まで短縮することができたため実行率も向上し、収益改善につながった。

導入背景
インターネット経由で申し込みのあった個人ローンの手続きでは、受付からローン実行まで、複数の部門間で内容を精査するため約20営業日を要していた。手続きに長期間を要することが原因で申込者が途中で離脱してしまうケースもあった。手続きを迅速に進めるために、担当者がメールや電話で進捗を管理する手法をやめ、進捗状況をデジタル化して共有する方法を検討していた。

課題
  • 申し込まれたローンの進捗状況を複数の部門間で共有できていなかった
  • ローン手続きが滞っているボトルネックがわからず、適切なアクションを起こせなかった
  • ローン実行までに要する期間が長く、申込者が途中で離脱してしまうケースがあった
解決策導入ポイント
  • MotionBoardの導入により、各工程の進捗状況を見える化
  • 手続きの工程を可視化することで業務フローを改善し、リードタイムを短縮
効果
  • ローンの進捗状況や関連情報をリアルタイムに共有し、処理を迅速化できた
  • 各部が連携し合い、柔軟に顧客対応を行うお客様ファーストな風土が醸成された
  • 手続き全体を数字で可視化したことでボトルネックが明らかになり、根本的なプロセスの改善が可能に
  • ローン実行までの期間を2分の1にまで短縮し、実行率が大幅に向上、収益改善につながった


非対面接触のサービス強化で顧客拡大を目指す


 富山第一銀行は基本理念に「地域とともに。さらなる信認、さらなる進化を」を掲げ、地域の利用者の利便性向上に向け、さまざまなアクションに挑戦し続けている。その一つとしてデジタル技術を活用した「非対面取引」に対応するため、地方銀行ではいち早く専門部署や先任者を配置し、利用者が手軽にサービスを受けられる環境づくりに取り組んできた。店頭でのサービスを可能な限り非対面で提供できるように推進するダイレクトバンキング部や、2017年に総合企画部内に設置したデジタルイノベーション室らが協力して、デジタル技術を活用した新たな価値提供や業務効率化に努めている。


 同行取締役 事務統括システム部長 兼 ダイレクトバンキング部長の長谷 聡氏は、「リアル店舗の統廃合を進める中で、お客さまの利便性を損なうことなくサービスを引き続き提供するために、非対面取引の重要性が高まっています。お客様側からも新型コロナウイルス感染防止の観点で非接触サービスの需要が高く、Webを経由した口座開設の申込件数が大幅に増加しています。銀行側とお客様側双方でデジタル技術を活用したサービス向上が求められているのです」と指摘する。


ローン契約において進捗状況の共有が課題に


 同行のサービス向上に向けた取り組みの中で特に課題となっていたのが住宅や教育などの各種個人ローン契約の非接触手続きだった。Web上で申し込みができる環境を整備していたものの手続きに時間を要し、実行までに20~30営業日程度かかってしまっていた。


 ローン審査を求める顧客は同時に複数の金融機関に申し込み、いちばん早く手続きが進んだ銀行を選ぶというケースも多く、実行までのリードタイムが長いことが顧客の途中離脱につながる課題となっていた。


 当時、同行が抱えていた課題についてダイレクトバンキング部 営業推進役補佐 兼 事務統括システム部 調査役補佐 兼 インターネット支店 副長の西田 圭吾氏は「ローン実行には、3つの部署をまたいで13の工程をこなす必要があります。部署が異なる担当者同士の連絡は電話やメールで進めるため、複雑な業務フローが上手く連携できず、情報共有に時間がかかっていました。時間短縮には業務フローの可視化が不可欠でした」と振り返る。


 そこで手続きにかかわるリードタイムを短縮して、「10営業日以内に実行すること」を目標に、業務効率化に向けたツールの導入に関する検討を2021年1月にスタートさせた。


MotionBoard導入で業務の見える化を実現


 ツールの選定ではほかの分野の業務効率化で効果が見込まれていたMotionBoardの導入以外の考えはなかった。一つひとつの案件の進捗状況が部署をまたいで可視化でき、俯瞰的に業務を管理できる点を評価した。


 「新しいツールは使いやすくなければ浸透しません。MotionBoardは入力しやすいことはもちろん、管理面でもそれぞれの部署ごとの処理にかかっている時間などをリアルタイムに表示できる点で末端の職員・管理者を問わずに利用しやすく魅力的でした」(西田氏)


 ツールの導入もスムーズだった。1月にウイングアークの担当者に導入したい機能のイメージを伝えたところ、2月にはデモンストレーション版が完成。5月には正式契約を結んだ。「これなら使えそうだという感触を得て、すぐに契約を結びました。このスピード感は非常に助かりました」と長谷氏は評価する。


 導入したMotionBoardには、申込者の名前や日付、ローンの種類、申込金額を入力し、進捗状況が一目瞭然に分かる機能を搭載。使い勝手も工夫できるため、各工程では審査の可決・否決を○×方式で入力したり、日付などがボタンを押せば設定できたりするようにした。


WEBローンの進捗管理ボード

案件ごとに各工程の進捗状況が一目で分かるように

 ウイングアークの対応についても長谷氏は「こちらの要望に対して対応が早く、私たちの方針にも柔軟に対応してくれました」と評する。西田氏は「問い合わせへの対応が丁寧でわかりやすく、ミーティングを重ねて理解が進みました」と話す。


 導入後、関係者の反応はどうだったのか。西田氏は「MotionBoardは操作性が分かりやすかったほか、運用マニュアルを作成しスムーズな導入につながるサポートをすることで、大きな混乱は起こりませんでした」と話す。


ローン実行までの期間を半減し、実行率も大幅に改善


 MotionBoardの本格的な運用開始後は、大きなトラブルもなく順調に稼働を続けており、行員らのWeb手続きによる個人ローンの処理は大幅な効率化を実現している。


 長谷氏は「以前は各部署のペースで手続きを進めていたため、相当な時間がかかっていました。それがMotionBoardの導入で手続きがどの段階にあるかが分かって後続の担当者が事前準備できるようになりましたし、どこがボトルネックになっているのかがわかるようになりました」と説明する。


 西田氏も「手続きが進まない理由が分かるようになり、時間がかかる案件は顧客にメールで伝えるアクションも可能になりました」と話す。


 MotionBoardを起点に様々なデジタル技術を組み合わせることでさらなる業務の効率化も実現できた。例えば、顧客の非対面口座開設のタイミングをローン審査と並行してできるようにしたり、オンラインで本人確認手続きを済ませることができる技術「eKYC」を導入したりして手続きに必要なリードタイムの短縮を達成した。


 こうした取り組みで当初の10営業日以内でのローン実行という目標を叶えた。実際に離脱を減らす結果も出ており、Web手続きの担当支店となるインターネット支店での保証承諾に対する実行比率は、件数ベースで30.2%から44.7%に、金額ベースでは27.0%から44.6%へと大幅に改善できた。



 長谷氏は「こうした新しい取り組みが受け入れられたのは、MotionBoardの導入による効果が浸透したからだと思います。数字で手続きのフローが可視化されたことで、自分最適・各部最適なオペレーションという意識はなくなり、各部が連携し合いお客様ファーストで業務を進める形に変わってきたように感じます」と振り返る。


 MotionBoardを活用したローン受付業務の効率化の取り組みは、他の業務にも応用ができると見込まれ、現在準備が進められている。


 富山第一銀行では、ネット専業銀行をベンチマークに、顧客サービスのさらなるIT化、DX化することでより質の高い顧客支援ができる体制づくりに取り組んでおり、最近では、口座解約も非対面で完結するようにした。金融機関が大きな変化を求められる中で、お客様起点で新たな取り組みを続ける富山第一銀行は、利用者のみならず多方面から、今以上に注目される存在になるだろう。


Company Profile

株式会社富山第一銀行

設立:1944 年10 月
所在地:富山県富山市
URL:https://www.first-bank.co.jp/
富山県を中心に国内66支店を構えて事業を展開する地方銀行。「地域とともに。さらなる信認、さらなる進化を」という企業理念のもと、顧客のニーズに沿ったサービスの展開に取り組んでいる。

<インタビュイー>
取締役 事務統括システム部長 兼 ダイレクトバンキング部長
長谷 聡氏

ダイレクトバンキング部 営業推進役補佐 兼 事務統括システム部 調査役補佐 兼 インターネット支店 副長
西田 圭吾氏

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