MotionBoard

MotionBoard ver.6.0 開発者INTERVIEW「HTML5へのアーキテクチャー刷新にかけた開発者たちの熱き思い

MotionBoard Ver.6.0は、これまでの延長線上で行われた単なるバージョンアップではありません。
2020年に予定されているFlashのサポート終了に伴い、アーキテクチャーをHTML5に刷新したのです。
お客様の既存資産の継承、パフォーマンスの向上、そして新機能の実装など、
新たなBI基盤を具現化するまでの困難で険しい道のりと、開発者たちの熱い思いを聞きました。

これほどまでにエキサイティングな移植は経験したことがない

――まずは今回のMotionBoard Ver.6.0開発の狙いをお聞かせください。


舘 原

これまでMotionBoardはFlash上で動かしてきました。
ご存じのとおりアドビはFlashのサポートを2020年に終了すると発表しており、これに伴いMotionBoardもアーキテクチャーを見直す必要に迫られました。
もっとも、以前からFlashを含めたミドルウェア上でMotionBoardを動かすこと自体に限界を感じていたのも事実です。
今後のモバイル環境などへの展開を考えても、よりプリミティブな言語で開発したほうが制限や制約が少なく、柔軟な広がりが可能となります。
こうした背景から、MotionBoard をHTML 5ベースのアーキテクチャーに刷新することにしたのです。

――アドビも「今後Flashコンテンツは、HTML5などのオープンな標準技術で置き換えていってほしい」と表明しています。
MotionBoardの新しいアーキテクチャーとしてHTML5を選んだのは、やはり移植・移行が一番楽で容易だからですか。


舘 原

それはまったく違います。確かにFlashからHTML5への移行は標準的な流れですが、MotionBoardは簡単に移植できるものではありません。
というのも、Flash上で動かしながらもFlashらしくない作りをしているのです。

ダッシュボードに多様なデータを見栄え良く可視化する必要があり、高速な描画を実現するために、ゲームソフト開発で用いられるような特殊なテクニックも数多く駆使しています。
こうしたパフォーマンスを左右する部分は、ほぼ全面的な作り直しとなります。

もうひとつの課題が、操作性の継承です。世の中で一般的に行われているFlashからHTML5への移行は、画面の見た目も"HTML5風"のイメージに改めます。
しかし、MotionBoardのようなエンタープライズ製品ではそうはいきません。
画面を大幅にリニューアルしてしまうと、ユーザーへの再教育や社内マニュアルの改訂など、お客様に大変なコストや手間の負担を強いてしまうからです。
お客様がこれまで培ってきた経験やノウハウはお客様自身の大切な資産であり、画面の見た目も使い勝手も、違和感なく継承していただくことがウイングアークのモットーです。
もちろん、これまで作成してきたダッシュボードや定義ファイルもそのまま使い続けることができます。


小 山

技術的な側面から補足させていただくと、MotionBoardは何層ものフレームワークやライブラリで成り立っており、画面表示といった上位層のアーキテクチャーをFlashからHTML5に単純に置き換えただけでは、「遅すぎて使い物にならない」という結果になってしまうのです。
したがってHTML5に置き換え、そのパフォーマンスを最大限に発揮させるためには、より下位層のフレームワークからプログラムの見直しや最適化を重ねていく必要があります。


舘 原

開発ルームに大きなディスプレイを置き、パフォーマンスの改善状況を常にチェックしてきましたね。


小 山

実際、これまでのFlashと同等のパフォーマンスをHTML5で出すのは本当に至難の業で、打った施策でどんな効果が出るのか一喜一憂の日々でした。
でも、「絶対に高速化してやる」という皆の熱い思いで、最終的にはなんとFlashを上回るパフォーマンスを実現できました。これは画期的なことです。


舘 原

確かに移植と言われてしまえばそれまでですが、これほどまでにエキサイティングな挑戦は、私の長いソフトウェア開発人生の中でも経験したことがありません。

あらゆる

――HTML5ベースのアーキテクチャーに移行しながら見た目や使い勝手を変えず、なおかつパフォーマンスまで向上する。
開発チームの大変な努力がわかりました。ただ、見た目もほとんど変わらないとなれば、逆の意味でインパクトに欠けてしまい、MotionBoard Ver.6.0の価値がお客様に伝わらないのではないでしょうか。


小 山

おっしゃるとおりなのです。
お客様から「何も変わってないじゃないか」と言われるのは一番ショックです(笑)。


舘 原

その点はMotionBoard Ver.6.0に実装された、様々な新機能で評価していただければと考えています。
目玉として、ウイングアークが掲げる「あらゆる"データ"と"人"をつなぐ」というBIのコンセプトを具現化すべく、多様なデータソースとの接続を実現しました。
CData Software社とデータ連携分野におけるグローバルな技術パートナーシップを結び、同社が提供するドライバーをMotionBoard Ver.6.0でサポートしました。
これにより主要なデータベース製品のほか、世界中の多様なクラウドサービスとの接続が可能となりました。
すでにkintoneやGoogle BigQueryなどの外部データソースとの接続を実現しており、今後も順次コネクターを拡大していく計画です。
また、WebAPIを強化し、ウイングアーク製品のSPAのほか主要なビジネスチャットとの連携も実現しています。


小 山

私からはチャートエディタという設定画面の機能強化を、ぜひアピールしておきたいと思います。

プレビュー機能もそのひとつで、チャートの設定を変更した際にその内容をすぐに確認できるようになりました。
これによりダッシュボードのビジュアルを、より簡単かつ効率的に設計・調整することが可能となりました。
また、多機能な設定項目の検索機能を用意しました。
ユーザーが入力したキーワードにヒットした設定項目がハイライト表示され、メニューからも見つけやすくなります。


舘 原

チャートエディタの改善はお客様からも強く望まれていたので、MotionBoard Ver.6.0の大きなセールスポイントになると考えています。


小 山

新しいチャートエディタの原案は私が出したのですが、社外のデザイン会社に協力を依頼し、将来を見据えた骨太のグランドデザインを描きながら再設計に臨みました。
また、インプリメントにあたっては若手のエンジニアを積極的にプロジェクトに巻き込んで、デジタルネイティブな感性を体現してきました。


舘 原

お客様にMotionBoard Ver.6.0を今までどおりに使っていただきつつ、同時に新しいフィーチャーを感じていただけると嬉しいですね。

ビジネスのPDCAサイクルを包括的に支援するBIへ

――MotionBoard Ver.6.0は、ウイングアークが提案していく新しいBIの出発点となりそうですね。その意味で、今後の展開にも非常に興味があります。


舘 原

今後も継続的に取り組んでいくのは、何と言ってもパフォーマンスの向上です。
ダッシュボードがスピードアップすれば、そのぶん業務が効率化し、より迅速な意思決定が可能となり、ビジネス価値が高まります。

さらに、ビジネスのPDCAサイクルの包括的なサポートも大きなテーマです。
これまでのBIは主にC(確認)のプロセスに重点が置かれていましたが、MotionBoard Ver.6.0は今まで以上に力を入れてA(アクション)のサポートに乗り出していこうとしています。
「あらゆる"データ"と"人"をつなぐ」コンセプトの一環として、先にビジネスチャットとの連携を紹介しましたが、例えばリアルタイムアラートという形で関係者に通知を行い、アクションを促すことが可能となっています。
現時点ではあらかじめ設定されたしきい値やそのレベルをもとにアラートを発しますが、AI(人工知能)を活用することで、より複雑な状況判断や将来予測に基づいたBIと人のコミュニケーションを実現していく構想を持っています。
また、MotionBoardは従来からBIツールには珍しい入力機能を持っていることも大きなアドバンテージであり、この仕組みをP(計画)やD(実行)のプロセスに生かしていきたいと考えています。


小 山

そうした将来構想を考えると、アーキテクチャーをHTML5に刷新したことが、より意義をもってきます。
ブラックボックスに近い側面もあったフレームワークの制限や制約から逃れ、コアな部分にもどんどん手を突っ込んでいけるからです。

とにかく、MotionBoard Ver.6.0がいかに空高く飛翔できるかが、私たち開発チームの命運を握っています。
ここで立ち止まってしまえばFlashと共にMotionBoardも寿命が尽きることになり、開発チームにも先がありません。
苦労の絶えないプロジェクトですが、MotionBoardをより多くのお客様に喜んでいただけるBI基盤に発展させていかなければなりません。


舘 原

外資系ソフトウェア会社の開発者たちがこんな話を聞いたら、驚いて腰を抜かすかもしれません(笑)。
でも、これこそが包み隠すことのないウイングアークの開発チームのありのままの姿です。
開発体制や規模では歯が立たなくても、ソフトウェアにかける情熱は決して負けません。
私たちが総力を結集し、魂を込めて作り上げたMotionBoardの最新バージョンにどうかご期待ください。

VOICE「開発メンバーがイチオシするMotionBoard Ver.6.0の注目ポイント」


現場リーダー
上野 真一

HTML5版とFlash版はカンタンに切り替え可能

MotionBoard Ver.6.0はアーキテクチャーをHTML5に刷新しましたが、これまでのFlash版も決して捨て去るわけではありません。
システム設定のダイアログでたった1ヶ所選択するだけで、簡単に動作環境を切り替えることができます。

画面の見た目や操作性を継承しているとはいえ、まったく変わらないわけではなく、どうしても従来バージョンとの違いが生じます。
お客様が余裕をもって対応し、新バージョンにソフトランディングできるよう配慮することが、私たちの開発ポリシーです。


HTML5の描画
プロフェッショナル

勝亦 勇仁

従来バージョンを上回る高速グラデーション表現を実現

アーキテクチャーをHTML5に移行すると、当然のことながら従来のFlashの描画機能は使えなくなってしまいます。
そこで困ったのが、様々なグラフのグラデーション表現です。オープンソースのライブラリに独自の改良を加え、この課題を解決しました。
MotionBoard Ver.6.0でも従来に勝るとも劣らないパフォーマンスでグラデーション表現が可能となったのは、私たちの努力の賜物です。


外部データソース
連携のメインアーキテクト

高橋 慶

外部クラウドサービスからも直接データを取り込める

CData Software社のドライバーを中心に、MotionBoard Ver.6.0を多様なデータソースと接続するためのコネクター(アダプター)開発に、一人黙々と取り組んできました。
これまでのMotionBoardは基本的にデータベースとしかつながらず、すなわち自分たちが所有しているデータしか扱うことができませんでした。
しかし、今後のビジネスでは社外のデータも取り入れた複合的な分析が必須となります。


ベテランアーキテクト
吉原 江輔

アクションを促すリアルタイムアラートを実装

MotionBoard Ver.6.0ではSPAとの連携やビジネスチャットを通じたリアルタイムアラートの拡張など、目玉機能の開発に取り組みました。
これまでは主にサーバ側のデータ取得処理の設計・実装を本業としてきましたが、Ver.6.0ではその殻を破り、画面側の開発も行いました。
この開発チームの中で私は最年長になりますが、今回の開発を通じて視野が広がり、MotionBoardの奥深さをあらためて知ることができました。
これまで私が経験してきた開発の視点を若手エンジニアにも共有し、MotionBoardのさらなる進化に貢献したいと思います。


ルーキー開発者
長辻 亮太

フレッシュな感性で開発したボード回復機能

入社2年目の新人ながら、MotionBoard Ver.6.0開発チームに加えてもらいました。
最初は右も左もわからず戸惑うばかりでしたが、目玉機能のひとつであるボード回復機能の開発を任せてもらえました。
ダッシュボードを編集している途中でブラウザーがクラッシュした、うっかりミスで閉じてしまったという場合に、直近の編集内容を復元するものです。
これもお客様からも多くの要望が寄せられていた機能でもあり、自分なりに大きな手応えを掴むことができました。


CTO 島澤 甲

みんな色々言っていますが、
お客様に良いものを提供するために全エネルギーを投入したことは間違いありません!
MotionBoardを、ぜひよろしくお願いいたします!!

MotionBoard 6.0

2018年12月、MotionBoardがメジャーバージョンアップ。
アーキテクチャーを一新し、HTML5ベースで開発。

"データ"と"人"をつなぎ、
スピーディーなアクションにつなげるデータ活用。

詳しくはこちら>>

受け継ぐ新世代
このページのトップへ