導入事例

アスノシステム株式会社

アスノシステム株式会社

Salesforceデータから見積書や請求書を自動発行
請求書のWeb配信化により作業時間を3分の1に短縮

貸し会議室検索サイト「会議室.COM」をはじめ、サイト運営事業を手掛けるアスノシステム株式会社(以下、アスノシステム)のメディアサービス部では、案件管理の統合に向けて2016年にSalesforceを導入。その後、2017年にSVF Cloud for Salesforce(以下、SVF Cloud)を導入し、見積書や請求書をSalesforceから直接発行できるようにした。さらに、2021年4月には、invoiceAgent TransPrintの運用を開始し、請求書のWeb配信化を実現。請求書発行の作業時間を3分の1に短縮することに成功した。

導入背景

Salesforceを導入して案件管理の一元化を実現したアスノシステムのメディアサービス部では、見積書や請求書などの帳票作成はExcelなどを用いて手動で行っており、それら帳票の作成を自動化することが課題になっていた。また、新型コロナの感染拡大により、リモートワークが進むなかで、請求書のメール添付での送信依頼が増加し、請求業務が煩雑化しており、その解決策が求められていた。

課題
  • Salesforceを導入して案件管理の一元化を図ったものの、見積書や請求書の作成はExcelなどを用いて手動で行っていた
  • 請求書のファイル添付配信の増加により発行作業が煩雑化していた
解決策導入ポイント
  • SVF Cloud導入で、見積書や請求書の発行を自動化
  • invoiceAgent TransPrint導入で、請求書のWeb配信化を実現
効果
  • 見積書や請求書をSalesforceから直接発行することが可能に
  • Excelでの書類作成作業がゼロに
  • Web配信の実現により、請求書発行の作業時間を3分の1に短縮
  • 添付ファイルや宛先間違いなどのメール送信ミスのリスクがなくなった
「SVF Cloud」「invoiceAgent TransPrint」を導入し、帳票の自動発行/Web配信システムを構築

Salesforce導入で案件管理を一元化も 帳票の作成プロセスの効率化に課題が


 「明日を創造する企業(To create tomorrow.)」を理念として掲げ、システム開発、オフショア開発、Webインテグレーションなど幅広い事業を展開するアスノシステム。同社のメディアサービス部は、事務処理の効率化を目的に、2016年にSalesforceを導入し、営業が担当する案件はSalesforceに登録して管理できるようになっていた。同部で営業事務の効率化の推進役を担ってきた竹下智美氏は、当時の事務処理の題について、「案件の管理は、Salesforce上で一元的に行うことができるようになったのですが、見積書や請求書の作成については、依然として、ExcelやPowerPointなどを使って担当者が個別に手作業で行っていました」と当時を振り返る。


 同氏によると、当時の見積書の作成プロセスは概ね次のとおりだった。


①Salesforceに案件を登録
②見積書をExcelで、関連資料をPowerPointで個別に作成
③承認を受けた後、作成した見積書を印刷し担当者印と社判を押印
④PDF化してSalesforceに添付
⑤顧客へ送信


 また、注文書を受領した後に行う請求書の作成は、数ある運営サイトのうち「会議室.COM」の案件についてだけ自社開発の請求書発行管理システムを使って行っていたが、それ以外のサービスの請求書の作成は、Salesforceのデータを抜き出して手動で行うしかなかった。また、会議室.COMの請求書発行に関しても、請求書発行システムとSalesforceが連携しておらず、両方のシステムに情報を登録しなければならず、作業が煩雑で営業担当者の負荷が大きかった。


 竹下氏は、当時の帳票作成の状況について、「手作業での作成が多かったため、帳票や採番簿の管理が煩雑でした。明細項目や金額のミスが発生すると、書類の再発行対応が大変でした。帳票を上書きして履歴を残していなかった営業担当者はミスが見つかると最初から作り直す必要がありました」と説明する。


アスノシステム株式会社 メディアサービス部 メディアサービス 竹下 智美 氏

SVF Cloudの導入により見積書や請求書をSalesforceから直接発行可能に


 メディアサービス部のビジネスが拡大し、事務処理が増加するなかで、こうした問題を根本的に解決し、帳票処理を自動化・電子化することが重要な課題として浮上していた。課題を解決するためには、Salesforceに登録されたデータから見積書や請求書などの帳票を直接発行できるシステムの構築が不可欠であり、実際に検討を進めた結果、その基盤としてSVF Cloudを導入することを決断した。Salesforceを導入した翌年2017年のことだ。


 SVF Cloudを選定した理由の1つは、何と言ってもSalesforceとの親和性が高いことにある。Salesforce上で管理されている案件データは容易に帳票化することができる。また、導入後の自由度が高く、容易に帳票を追加できることも選定理由の1つになった。


 実際に、SVF Cloudの導入によって、Salesforceから見積書本体と請求書を直接発行できるようになり、Excelによる作成はまったく不要となった。その後、注文請書や納品書兼検収書もSVF Cloud を使って直接発行できるようになり、帳票発行業務は大幅に効率化されていった。


 SVF Cloudの導入効果について、竹下氏は、「営業担当者の意識を変える契機になり、Salesforceに案件データをきちんと登録さえすれば、業務全体を自動化し効率化できるという認識を持ってもらうことができました」と評価している。


invoiceAgent TransPrintによる請求書のWeb配信化でメール添付配信を根絶、作業時間が3分の1に


 新型コロナの感染拡大は、メディアサービス部の業務にも大きな変化をもたらした。2020年に1回目の緊急事態宣言が発出されて以降、取引先のリモートワークが進んだ結果、これまで郵送のみで送付していた請求書をメール添付でも送ってほしいという依頼が増加した。竹下氏によると、こうした依頼は当初、数件程度にすぎなかったが、リモートワークが進むにしたがって、数十件の規模に増加していったと話す。


 メール添付での請求書の配信は、メディアサービス部の業務に思わぬ負担をもたらすことになる。請求書を再発行する手間がかかるだけでなく、メールアドレスなどの管理も必要になるなど、事務作業が煩雑化していった。例えば、メールのみの配信、メール配信と郵送の両方が必要など、複数の送付リストを整備する必要があった。結果として、ミスも発生しやすく、セキュリティ対策上の問題も出てきた。


 そうした問題の根本的な解決に向けて検討を進めたのがWeb配信の採用だった。検討を進めた結果、2020年7月にinvoiceAgent TransPrintのトライアルを開始し、2021年4月から正式運用を開始している。


 invoiceAgent TransPrintを選定した理由の1つは、Salesforceとの親和性が高く、システムの大規模改修の必要がなかったことだ。当然、SVF Cloudとの親和性も高いため、導入前から仕様の理解もある程度可能であり、データ連携を容易に行うことができた。実際に、管理画面もわかりやすく配信環境の設定にも時間はかからず、invoiceAgent TransPrintの導入費用以外に費用もかからなかった。


 もう1つ重要な選定の理由は、受取側のマイページが複雑でなく、わかりやすかったことだ。invoiceAgent TransPrintでは、利用者がマイページにログインすると、すぐに目的の帳票を見つけてダウンロードすることが可能になっている。


invoiceAgent TransPrintの帳票ダウンロード画面

 竹下氏によると、invoiceAgent TransPrintを導入した2021年4月の時点で、郵送件数を3分の1に削減し、請求書発行の作業時間を3分の1に短縮することができた。もちろんWeb配信には作業時間は必要にならない。


 invoiceAgent TransPrintでは、郵送からWeb配信への切り替えを簡単に行うことができるが、いったん切り替えると、Web配信から郵送へ戻すことができない仕様になっている。また、新規の取引からは、Web配信しか受け付けないことになっており、今後、郵送は減少していくとみられている。


 invoiceAgent TransPrintの導入効果について、竹下氏は、「送付リストの作成作業をなくすことができ、負担になっていたメール添付による送付も“ゼロ”にすることができました。これによって、事務作業を大幅に軽減できたと同時に、インシデントの原因を除去することができました」と、感慨深げに語っている。


あらゆる書類のやり取りをinvoiceAgent上で実現へ
顧客が必要な書類を適時取り出せる環境の整備を


 2021年5月現在のシステムでは、メディアサービス部の側から請求書を一方的に配信しているだけである。invoiceAgent TransPrintはinvoiceAgent 文書管理をベースに機能が提供されており、invoiceAgent TransPrint利用者はinvoiceAgent 文書管理の機能も活用することができるため、今後、メディアサービス部では、顧客や取引先との書類のやり取りのすべてをinvoiceAgent上で統一していきたいと考えている。


 こうした環境を実現することができれば、書類の受け渡しを効率化できるだけでなく、未ダウンロードや未受領もより管理しやすくなるなど、情報がより扱いやすくなり、抜け漏れも防ぐことが可能になる。また、セキュリティ対策上のメリットも期待することができる。


 一方で、今回のプロジェクトを通じて、同時に明らかになったことは、いくら効率的で安全な仕組みを提案しても、相手先企業の文化やルールに合わないために利用してもらえない場合も少なくない。今後は、こうした状況を踏まえながら、取引先の理解を十分に得たうえで段階的に進めていく計画だ。


※2022年6月より「SPA」および「SPA Cloud」は「invoiceAgent 文書管理」「invoiceAgent AI OCR」に名称を変更しました。


Company Profile

アスノシステム株式会社

設立 :2009年9月
所在地 :東京都港区
事業内容 :「明日を創造する企業」をスローガンにお客様のビジネスパートナーとして、システム開発、オフショア開発、SES、Webインテグレーション、MVSソリューション、Webサービス、ERPパッケージ販売・保守と様々な事業展開でワンストップサービスを提供しています。
URL :https://asno-sys.co.jp/

アスノシステム株式会社
メディアサービス部 メディアサービス
竹下 智美 氏

導入製品

SVF Cloudは日本固有の複雑な帳票フォームの設計と、PDFやExcelなどの美しい出力をクラウドで実現。

既存システムを変えることなく、請求書・支払通知書・注文書・納品書などのあらゆる企業間取引文書の電子化と配信・返信が可能。取引に紐づく文書の一元管理やインボイス制度・電子帳簿保存法にも対応する電子取引サービスです。

 
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