導入事例

株式会社フェリシモ

株式会社フェリシモ

仕入先との受領書兼請求書のやり取りを電子配信に移行
印刷・封入・投函の工数を1/3に削減し、業務効率化を実現

株式会社フェリシモ
業種

卸売・小売

オリジナル商品を中心としたファッション、雑貨等の通信販売事業を柱とする株式会社フェリシモ(以下、フェリシモ)の財務部門では、ウイングアークの「invoiceAgent TransPrint」を導入し、紙で行っていた仕入先との受領書兼請求書のやり取りを電子配信に切り替えた。これにより、郵送作業に1.5日かかっていた工数が3分の1になり、業務効率化とコスト削減につながっている。今後は、財務部門の他の帳票、さらには他部門での帳票電子化にも活用を展開していく。

導入背景

新型コロナウイルス感染症の影響下でリモートワーク環境の整備が急がれる中、財務部では仕入先への受領書兼請求書の送付、回収業務に作業工数やコストの面で課題があったため、デジタル化を検討していた。

課題
  • 請求処理のために出社を余儀なくされていた
  • 大量の受領書兼請求書を印刷、郵送する手間とコストがかかっていた
  • 仕入先によっては電子メールでの送付など、個別対応が発生して煩雑になっていた
解決策導入ポイント
  • invoiceAgent TransPrintの導入により、受領書兼請求書をワンクリックで配信
  • 基幹システムに手を入れることなく、既存帳票をPDFに変えるだけで配信が可能に
  • 将来的に社内の承認業務などにも展開でき、幅広い効率化を実現できる
効果
  • 導入決定から約3ヶ月で本格的に電子配信をスタート
  • 工数は3分の1に減少し、月間10万円のコストが削減された
  • 仕入先のリモートワーク推進や業務効率化にも貢献

リモートワーク実現のためには、紙帳票のデジタル化が不可欠


 「ともにしあわせになるしあわせ」を合言葉に、オリジナル商品を中心としたファッション、雑貨、手づくりキット等の通信販売事業を展開するフェリシモ。この合言葉の対象は顧客だけでなく、従業員や取引先など全方位に向けたものだ。


 フェリシモの仕入先であるメーカーは約600社。各社には納品内容を記した受領書を郵送し、間違いがなければ押印のうえ返送してもらうことで、請求書に代える運用をとっている。受領書兼請求書を出力し郵送する業務には1.5日程度を要し、ときには残業や休日出勤も必要だったという。


 「コロナ禍に対応するリモートワークでは発行や回収が難しいことから、デジタル化を進めることにしました。なかでも受領書発行と回収の仕組みについては、仕入先への支払いを滞りなく進めるためにもデジタル化が不可欠でした」と話すのは、同社財務部 経理グループ グループリーダー 部長代理 天谷 浩人氏だ。


財務部 経理グループ グループリーダー 部長代理 天谷 浩人氏

 コロナ禍の始まりと同時期に財務部へ異動となったコーポレートスタイルデザイン本部 財務部 経理グループ 課長代理 井脇 幸代氏は、当時を次のように振り返る。


 「ちょうどリモートワークが始まったタイミングだったのですが、紙の多さやアナログ作業の多さに驚きました。法令の定めでやむを得ないものを除いてできる限りデジタル化し、効率的に業務ができるように変えなければならないと実感しました」


コーポレートスタイルデザイン本部 財務部 経理グループ 課長代理 井脇 幸代氏

 また、仕入先においてもリモートワークが推進されていることから、紙の帳票ではなくメールでデータを送るなど、個別対応する手間も生じ始めていた。


 そこで同社では、受領書をデジタル化して仕入先に一斉送信し、電子印を押して返送してもらう仕組みの導入を検討することにした。


導入しやすさ、コスト、将来性を評価


 フェリシモでは2021年3月に電子取引プラットフォームの検討を開始し、Webサイトなどを参考に情報収集を進めた。そして、いくつかのサービスを比較検討した結果、ウイングアークのinvoiceAgent TransPrintを選定した。


 基幹システムに手を入れることなく帳票をPDFに変えるだけで配信できること、約600通の規模でも導入しやすい費用感であること、将来的に他業務でも展開が可能であることが主な理由だ。また、すでに基幹システムにおいてウイングアークの総合帳票基盤ソリューション「SVF」を利用しており、信頼感があったことも理由の1つだった。


 「デモンストレーションを通じて、フェリシモ側と仕入先側の画面を確認しました。仕入先の担当者がデジタルに不慣れであっても、これなら問題ないだろうと感じました」(井脇氏)


導入決定から3ヶ月で本格稼働、仕入先もスムーズに活用


 フェリシモは、invoiceAgent TransPrintの導入を決定してから約3ヶ月で、テスト配信を経て本格運用を開始した。


 この間のウイングアークのサポートについて、フェリシモのビジネスプラットフォーム本部  IT推進部  SCMシステムグループ 榎本 凌氏は、「設定方法の質問に対して、オンラインで画面を共有しながら丁寧に対応してもらえました。また、プロキシサーバーの設定が上手くいかなかったのですが、サポートセンターに問い合わせたところ、具体的な解決策を教えてもらえて助かりました」と振り返り、高く評価する。


ビジネスプラットフォーム本部 IT推進部 SCMシステムグループ 榎本 凌氏

 導入においては仕入先の理解も欠かせないが、同社では事前の説明や準備によって混乱を回避することができた。


 仕入先へ電子への切り替えの案内を実施することについては、ウイングアークが提供している案内テンプレートをカスタマイズして登録を依頼する書面を作成し、1ヶ月前の受領書と同封して通知した。テレワークやデジタル化に対する理解もあり、大部分の仕入先が移行に応じた。榎本氏が社内向けに簡易マニュアルを作成し、閲覧できるようにしたこともあり、仕入先からの問い合わせは少なかったという。


工数は3分の1に減少、郵送関連費用のコストを削減


 invoiceAgent TransPrintを導入したことで、フェリシモでは出社しないでも受領書のやり取りができるようになった。さらに、従来の紙を郵送する場合に比べて手間とコストの大幅な削減も実現した。印刷・郵送作業に1.5日かかっていたのが、今では半日以下と3分の1の工数で完了できるようになり、残業や休日出勤もほとんどなくなったという。コストは送料だけでなく紙や封筒も不要になったことから、月間10万円程度をカットできた。


受領書兼請求書の送付・回収フロー

 井脇氏は、「これほど多くの仕入先に、データを1クリックで配信できる手軽さは何にも代えがたいです」と評価する。


 大幅な工数削減につながっているのは、invoiceAgent TransPrintに配信作業を効率化する機能が備わっていることも関係している。フェリシモの基幹システムでは約600社分のデータが1つのPDFでまとまって生成されるが、invoiceAgent TransPrintの処理を通せば、取引先コードをOCRで読み取って自動で分割、仕入先ごとにフォルダ分けすることが可能だ。また、PDFとセットで明細をCSVファイルにして送付することもできるので、仕入先企業のチェック業務を軽減することにも貢献する。


 「仕入先でもリモートワークの導入が進んでおり、紙の伝票を事務所宛てに送っても自宅に転送することから、当社へ返送されるまで時間がかかってしまうことがありました。仕入先からも、確認がスムーズにできるようになったと喜ばれています」(天谷氏)


適用範囲を拡大し、さらなる業務効率化を目指す


 invoiceAgent TransPrintを活用し紙帳票のデジタル化の第一歩を踏み出したフェリシモでは、さらなるデジタル化と自動化を見据えて取り組みを始めている。


 天谷氏は、「今回取り組んだものの他にも、取引先から受け取る帳票はたくさんあり、現状では全体の8割程度が紙です。これを電子帳票で受け取り、そのまま保管できるようにしていきたいと考えています。さらに他の帳票についてもinvoiceAgent TransPrintで配信することで、一層の業務効率化を図りたいです」と話す。


 井脇氏は「デジタル化を通じて災害にも強い体制を作らなければなりません。緊急事態だからこそ、仕入先への支払いを止めないことが必要です」と語る。そのためにも、invoiceAgent TransPrintの適用範囲と対象となる取引先を増やしていきたい意向だ。


 適用対象となるのは、対外向け帳票だけではない。社内承認プロセスについてもデジタル化することで、業務フローのスピードアップを図る考えだ。紙を保管するロッカーや倉庫も不要になるうえ、検索スピードの向上も期待できる。


 「デジタル化によって書類を探したり、やり取りしたりする時間を削減し、商品企画など売上向上につながる活動に時間を割けるようにしていきたいです」(天谷氏)


 榎本氏は「物流部門の帳票、商品管理、納品依頼書などにも広げていきたいと考えています」と、財務部門以外への展開も視野に入れていることを明かす。


 フェリシモでは、invoiceAgent TransPrintの活用をさらに進めることによって、あらゆるステークホルダーとの「ともにしあわせになるしあわせ」をこれまで以上に叶えていくことだろう。


Company Profile

株式会社フェリシモ

設立 :1965年5月
所在地 : 兵庫県 神戸市
事業内容 : ダイレクトマーケティング事業
URL :https://www.felissimo.co.jp/

写真右より:
財務部 経理グループ グループリーダー 部長代理 天谷 浩人 氏
コーポレートスタイルデザイン本部 財務部 経理グループ 課長代理 井脇 幸代 氏
ビジネスプラットフォーム本部 IT推進部 SCMシステムグループ 榎本 凌 氏

導入製品

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