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【徹底解説】物流関連2法とは?改正の背景と物流管理者が取るべき対応策

作成日:2025.05.26 更新日:2025.12.22

物流業界では近年、トラックドライバーの勤務時間改革(通称「2024年問題」)や、複雑な下請け構造による非効率など、深刻な課題が山積しています。これらの課題を解決し、より効率的かつ安全な物流体制を実現するため、「物流関連2法(物流総合効率化法・貨物自動車運送事業法)」の改正が行われました。これらは「新物流2法」とも呼ばれ、2024年5月の公布以降、荷主・物流事業者の双方に新たな対応を求めることになりました。

本記事では、物流2法(物流関連2法)改正の背景や実務における影響、効率化のための取り組みポイントを解説するとともに、物流DX推進に役立つ具体的な対応策もあわせてご紹介します。

【物流2法改正】伝票・運送契約の電子化 スタートガイド

新物流2法により、荷待ち・荷役時間の削減や契約書面化が義務化され、物流・製造業界では「伝票・運送契約の電子化」への対応が急務となっています。 この資料では、法改正のポイントから具体的な進め方、事例までわかりやすく解説。新物流2法への対応を進めたい荷主・物流事業者の方は必見です!

物流関連2法とは

「物流関連2法」とは、「物流2法」または「新物流2法」とも呼ばれ、「物流総合効率化法(物資の流通効率化に関する法律)」と「貨物自動車運送事業法」2つの法律を指します。2024年4月に改正されたこの法律は、物流取引の適正化や管理体制の見直しと、継続的かつ安定した物流の実現を主な目的としています。

今回の改正では、ドライバーの労働時間規制(2024年問題)による輸送力不足や、多層下請け構造がもたらす不当な運賃設定や情報伝達の遅延、安全性への懸念など、業界が直面する喫緊の課題に対応するための施策が盛り込まれています。

 

なぜ改正が必要か:深刻化する課題

今回の法改正は、効率的かつ安全な物流体制を築くために不可欠なものです。とりわけ大きいのが、「トラックドライバーの勤務時間短縮制度」が2024年に本格適用される影響です。従来よりも少ない労働時間で従来と同じ輸送量を維持するのは困難であり、経済活動全体にも影響が及ぶと懸念されています。加えて、多段階下請け構造の中で適正運賃が末端の企業まで行き届かず、事故や労働条件の悪化につながるケースも問題視されてきました。

そこで、「物流総合効率化法」は従来から推進してきた共同配送やモーダルシフトを一層強化し、サプライチェーン全体の効率アップを図ります。同時に、「貨物自動車運送事業法」はトラック事業者への管理責任や書類作成の義務化などを盛り込み、安全性と公正な取引を確保しようとしています。

 

物流総合効率化法の改正ポイントと影響

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こうした背景を受けて実施された改正では、具体的にどのような義務や取り組みが企業に求められるのでしょうか。以下で主なポイントを解説します。

 

物流統括管理者(CLO)の選任

改正法では、大口荷主に対し、社内全体の物流戦略を統括する管理者を選任することが義務付けられました。これは、物量の平準化や荷役の標準化などを進めるうえで、物流部門だけでなく「経営戦略と一体となった改善施策」を推進する必要があるためです。

物流統括管理者(CLO)の配置により、業務フローの見直しや管理体制の強化を図るだけでなく、物流事業者や荷受け先と連携しやすくなる効果も期待されます。結果として、荷積みや荷卸しの待機時間を減らし、ドライバーの労働環境を改善するとともに、企業にとってはコスト削減や品質向上につながる可能性があります。

 

荷主・物流事業者への義務強化

今回の改正によって、国の基準に沿った物流効率化の取り組みが義務付けられました。努力義務が課されることで、荷主や物流事業者は従来の業務フローを見直し、指導や公表のリスクを回避しながら改善を進めることになります。

 さらに、一定規模以上の事業者、いわゆる特定事業者には中長期的な物流効率化計画の策定と定期報告が義務化され、不遵守の場合は国土交通省による勧告や命令が下される可能性があります。

 

各社の対応状況と今後

2025年4月1日より、荷主や物流事業者には、荷待ち時間や荷役時間の短縮、積載効率の向上などへの取り組みが努力義務として課されています。

さらに、同年秋頃には、国が物流事業者を対象としたアンケート調査を実施し、荷主や物流事業者の取り組み状況が点数化されて公表される予定です。この調査・公表により、各社の取り組み状況が明らかになることから、対応が進んでいない企業にとっても、早期の対応が求められる状況となっています。

このような背景から、2025年から新物流2法への対応に向けた取り組みが徐々に始まっており、企業は今後の調査・公表を見据えて、具体的な施策を検討・実施していくことが重要です。

 

貨物自動車運送事業法の改正ポイントと影響

続いて、「貨物自動車運送事業法」の改正内容を見ていきましょう。

 

元請事業者の責任強化

「実運送体制管理簿」の作成が義務化され、運送契約の透明性を高めるための書面交付(発注内容の明確化)が必須となりました。また、一定規模以上の事業者には、下請発注の適正化を図る社内規程の策定や管理者の選任が義務付けられ、違反した場合には国による指導や公表が行われる可能性があります。

 

軽貨物運送業の安全対策強化

ラストマイル配送で増加する軽貨物運送に対しても、管理者資格の取得や重大事故時の報告義務を強化し、事故件数の減少を目指します。

 

施行スケジュールと注意点 (両法共通)

新制度は2025年4月より段階的に施行となり、2026年4月には一部の義務が本格的に適用される見込みです。対応が遅れると監査や行政指導のリスクが高まるため、自社の業務体制を早めに見直す必要があります。まずは国土交通省や経済産業省の公表資料を確認し、規模や事業形態にあわせた準備を開始しましょう。

 

物流管理者が取るべき実践的な対応策

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物流関連2法の改正により、荷主や元請の物流管理者には、契約の適正化と業務効率化が求められます。従来の運用を見直して新たな義務に対応し、法令順守と物流最適化を同時に実現することが重要です。以下では、契約管理の強化や物流統括管理者(CLO)の選任、さらに輸送効率化の具体策について解説します。

 

運送契約の書面化と管理簿の整備

運送契約の書面化と「実運送体制管理簿」の整備は、物流管理者が優先的に取り組むべき課題です。改正によって契約内容の明確化と情報管理の強化が義務化され、口頭契約や慣習的な取引から脱却し、標準化された管理体制を導入する必要があります。

輸送内容や料金を明記した書面(電子データ可)を交付・保存し、下請事業者の情報を一元管理することで、取引の透明性を確保して契約トラブルを防げます。また、契約を定期的に更新・見直ししながらデジタル化を進めることで、業務負担の軽減と法令順守の徹底を両立できます。

 

物流統括管理者(CLO)の選任と効率化計画の策定

特定事業者に該当する場合は、物流統括管理者(CLO)の選任と物流効率化計画の策定が義務化されます。それ以外の企業でも、責任者を明確にし、計画的に改善を進めることは重要です。物流統括管理者(CLO)は社内外のデータを活用し、積載率の向上や待機時間の短縮などの課題を洗い出し、具体的な改善策を推進します。

物流効率化計画は、コスト削減やサービス向上につながる経営戦略として位置づけるべきです。共同配送や配送ルートの最適化を進めれば、輸送コスト削減と環境負荷低減の両立が期待できます。早めに対応を始めることで、業務負担を抑えつつ競争力のある物流体制を構築できるでしょう。

 

積載効率の改善と輸送効率の最大化

トラックの輸送効率を高めるには、積載効率の向上が欠かせません。納期に余裕を持たせたり、配送日時の柔軟性を高めたりすることで混載を促進し、満車運行に近づけることが可能です。自社だけで十分な積載効率を確保できない場合は、共同配送や配送先の集約に取り組み、空車を減らすことで輸送リソースを有効活用することが重要です。これらの取り組みは、改正物流関連2法で努力義務とされた「物流の効率化」にも直結します。

 

荷役作業(積み降ろし)の効率化

倉庫や工場での荷役作業を効率化すれば、トラックの停車時間が短縮され、より多くの輸送をこなせるようになります。たとえば、パレットやカゴ車の活用、荷姿の標準化によってバラ積み・バラ降ろしを減らし、大幅な作業時間削減を目指せます。

また、フォークリフトやコンベヤーなどの設備を導入することで、作業効率をさらに高めることも可能です。荷主企業は自社施設だけでなく、委託先の倉庫や納品先とも連携し、業務フロー全体の効率化を推進することが求められます。

なお、ドライバーが荷役作業を行う「自主荷役」は、現状ではドライバーのサービス作業となっており、労働負担の増加や人手不足の要因とされています。荷役作業の効率化を進める際には、ドライバーに追加のサービス作業が発生しないよう配慮が必要です。改正物流関連2法では、運送契約の書面化により荷役作業の内容や対価を明確にすることも求められており、ドライバーに荷役作業を依頼する場合は、適正な運賃・料金の収受が必要となります。これにより、ドライバーの負担軽減と物流コストの適正化の両立が図られることが期待されます。

 

荷待ち時間の短縮

積み込みや荷卸しの待機時間を短縮することも、大きな課題です。受け渡し時間をあらかじめ調整し、倉庫や荷受け側で予約受付システムを導入すれば、トラックの待機時間を減らせます。ドライバーの時間外労働に上限がある中、待機時間の短縮は運送可能距離の確保につながります。さらに、荷主側が早出対応や人員配置を工夫し、トラック到着直後に荷受け作業を始められる体制を整えることも重要です。

 

新物流2法対応なら、まずは物流現場の可視化から

業務効率と法令順守を両立するには、デジタルツールの活用が欠かせません。契約書や運行記録を手作業で管理している場合、手間がかかり過ぎるため、ITシステムを活用した自動化や省力化を検討すべきです。たとえば、電子契約システムを導入すれば、契約締結や共有が円滑になり、物流クラウドシステムを活用することで、運送案件の情報管理、配車指示、請求処理を一元的に行えるようになり、書面化義務や管理簿作成にも対応しやすくなります。

さらに、データをリアルタイムで社内外と共有できれば、多重下請構造であっても荷主が実運送の状況を把握しやすくなります。物流DXを推進することで、法対応にかかる負担を軽減すると同時に、業務の可視化と効率化を図ることが可能です。こうした取り組みを具体的に進めるうえで、納品伝票の電子化は重要な役割を果たします。

 

荷待ち・荷役時間の削減に貢献する「納品伝票の電子化」invoiceAgent(インボイスエージェント)

国土交通省をはじめとした経済産業省、農林水産省の3省合同で合議された「物流効率化に関する取りまとめ」では、荷主が講じるべき具体的な措置の一つとして「事前出荷情報の提供」が明記されており、その手段として納品伝票をデジタルデータで事前提供することが推奨されています。

この取り組みを支えるのが、ウイングアークが提供する電子帳票プラットフォーム「invoiceAgent(インボイスエージェント)」です。

invoiceAgentを活用すれば、既存の基幹システムを大きく変えることなく、紙の納品伝票をPDFやXML形式で出力・送信する仕組みを導入できます。これにより、着荷主(納品先)は納品前に情報を把握できるようになり、荷受け準備の効率化・荷待ち時間の削減に直結します。

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また、invoiceAgentで出力されるデータは「物流情報標準ガイドライン」に準拠しているため、他社の電子伝票システムともスムーズに連携が可能。物流現場の混乱を防ぎながら、標準化と効率化を同時に実現できるのも大きな特長です。

物流業務の可視化ツールと電子帳票システムを組み合わせれば、契約〜運行〜納品までのプロセスをすべてデジタル化でき、物流関連2法の対応をより万全に進めることが可能です。

 

まとめ

トラック運転者の労働時間制限や、多段階の下請け構造が招く過当競争といった問題は、決して他人事ではありません。物流2法(物流関連2法/新物流2法)の改正で新たに要求される書面化や効率化の取り組みは、面倒な作業が増えるように見えるかもしれませんが、デジタル技術を活用すれば労力を最小限に抑えながら生産性を向上できます。

自社に合ったDXツールを導入し、契約から配車、請求処理までを一元化しておけば、煩雑な事務処理に追われることなく、ドライバーの働きやすさの確保やコスト削減に注力できるでしょう。

ウイングアークが提供する電子帳票プラットフォーム「invoiceAgent(インボイスエージェント)」は、納品伝票の電子化や事前出荷情報の共有を通じて、改正物流関連2法への対応を支援するソリューションです。物流DXを推進するためにも、まずは資料を入手し、機能や導入効果を確認してみてはいかがでしょうか。

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