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電子押印とは?PDFへの電子押印のやり方や法的効力、導入時の注意点まで解説

業務効率化更新日:2026.01.30

テレワークの普及やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に伴い、「押印のためだけに出社する」といった従来の業務プロセスが見直されつつあります。

そして、その解決策として注目を集めているのが「電子押印」です。

一方で
「電子押印とは具体的に何を指すのか?」
「従来の押印と比べて法的効力はあるのか?」
「PDFに電子押印するやり方が知りたい」

といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

この記事では、電子押印の基本的な定義から、混同しやすい電子署名との違い、具体的なメリット、法的効力、そしてPDFへの押印方法まで解説します。電子押印の導入を検討されている業務担当者の方は、ぜひご一読ください。

ペーパーレス化を実践する3つのステップとは?

業務効率化・テレワーク実現に向けて、まず取り組むべき「ペーパーレス化」。
・ペーパーレス化により業務を効率化しテレワークを促進したい
・ペーパーレス化を実践するための手順が知りたい
こんな課題がある方へ、ペーパーレス化を実践するための3つのステップを解説します。

電子押印とは?

「電子押印(読み方:でんしおういん)」とは、データ化された印鑑(=電子印鑑)を使用して、PDFなどの電子文書(電子ファイル)に押印する行為を指します。

紙の書類に物理的な印鑑(ハンコ)を押す行為を、デジタル上で行うイメージです。従来の業務フローにおける「承認」や「確認」のしるしとして利用されます。

電子署名と違いはある?

電子押印と混同しやすいキーワードに、「電子署名(読み方:でんししょめい)」があります。電子押印と電子署名は密接に関係していますが、厳密には異なるものです。

電子押印は、電子文書に印鑑を押す行為そのものであり、残される印影は単純な画像データから、識別情報を保持するものまでさまざまです。

一方の電子署名は、電子文書が「本人によって作成されたこと」および「改ざんされていないこと」を証明する技術的な仕組みです。

法的な証拠力が求められる契約書などでは、電子印鑑に加えて電子署名の技術が組み合わさった電子契約サービスが利用されるのが一般的です。

電子押印が注目される背景

電子押印が注目される背景には、社会全体の大きな変化があります。

  • DX・ペーパーレス化の推進:企業活動において紙文書を減らし、業務プロセス全体をデジタル化する動きが加速しています。
  • テレワークの普及:場所を問わない働き方が一般化し、オフィスにいなくても承認・決裁ができる仕組みが不可欠となりました。

これらの流れのなかで、従来の「紙とハンコ」による押印文化は業務効率化の大きな妨げとなっていました。電子押印は、このボトルネックを解消し、デジタル時代に適応した業務フローを実現するための重要な手段として期待されています。

電子押印を導入する3つのメリット

電子押印を導入する3つのメリット

電子押印を導入することは、単に印鑑がデータになること以上のメリットをもたらします。

メリット1.業務効率化とスピードアップ

電子押印を導入するメリットとして、業務の効率化・迅速化が挙げられます。

従来の紙ベースの業務では、作成した書類を印刷して押印を行い、承認者・決裁者への回付・回覧、承認者・決裁者による確認・押印、といった多くのステップが発生します。拠点をまたぐ承認経路であれば、文書の封入封緘と配送・返送といったステップも加わります。

電子押印を導入すれば、これらのプロセスがすべてデジタル上で完結します。紙ベースの業務プロセスでありがちな押印のためだけに出社する必要がなくなり、承認・契約にかかる時間が大幅に短縮され、ビジネスのスピードアップに直結します。

メリット2.コスト削減

上述した業務効率化による人的コスト削減に加え、紙文書にまつわる各種コストの削減にもつながります。

  • 人的コスト:印刷や回覧、封入封緘作業などにかかっていた工数が削減され、人的コストの節約につながります。
  • 印刷・保管コスト:紙代やインク代、プリンターのリース・維持費、そして書類を保管するためのキャビネットや倉庫の費用も不要になります。
  • 配送コスト:書類の郵送代や社内便の運用コストなどが削減されます。


メリット3.テレワーク・多様な働き方に対応

電子押印によって手作業で行っていた押印作業が電子化されると、従業員は自宅やサテライトオフィス、出張先といったオフィス以外の場所でも業務を遂行できます。

これは、テレワークの定着を強力に後押しし、育児や介護と仕事を両立しやすい環境を整えるなど、多様な働き方の実現にも寄与します。

電子押印に法的効力はある?

電子押印を導入する上で、担当者がもっとも懸念するのが「法的効力」の問題です。従来の押印と同様の効力が認められるのでしょうか。

そもそも「押印」に求められる法的役割とは?

日本の法律(民事訴訟法第228条第4項)では、契約書などの私文書に「本人(またはその代理人)の署名または押印があるときは、真正に成立したものと推定する」とされています。

これは通称「二段の推定」と呼ばれ、

  1. 押印が本人の印鑑によるもの(印影が一致)であれば、
  2. その押印は本人の意思に基づいて行われ、結果として文書全体が真正に成立した(本人が作成を認めた)

と法的に推定される、というものです。

押印は、このように「本人の意思」を示すための重要な証拠として機能してきました。

法的効力を左右する電子印鑑の種類

電子押印の法的効力を考える上で重要なのは、使用する「電子印鑑」がどのタイプかということです。

電子印鑑は、その仕組みによって大きく2種類に分けられます。

  • 印影の画像データのみのタイプ
  • 識別情報が付与されたタイプ

では、各タイプの法的効力について見ていきましょう。

印影の画像データのみのタイプ

ひとつめは、従来の印影をスキャンしたり、WordやExcel、無料ツールなどで作成したりした、単なる「画像データ」です。

誰でも簡単に複製・偽造ができることから、 「本人の意思」を証明する力(証拠力)は非常に弱いと考えるべきです。

そのため、用途としては社内稟議の確認印や、請求書・見積書への角印(商習慣としての押印)など、法的証拠力が求められない「認印」としての利用に限定すべきだと言えます。

識別情報が付与されたタイプ

ふたつめは、印影に識別情報が付与されたタイプで、有料の電子契約サービスなどで提供される電子印鑑です。

印影のデータに加えて、「誰が」「いつ」押印したかを証明する識別情報が紐付けられています。本人性や非改ざん性が担保されるため、法的な証拠力(「二段の推定」に代わる効力)が期待でき、企業間で交わされる契約書や重要書類など、「実印」相当の証拠力が求められる場面で利用されます。

PDF文書への電子押印のやり方

では、実際にPDFファイルへ電子押印するにはどうすればよいのでしょうか。「法的効力がない認印レベル」の方法と、「法的効力を持つ契約レベル」の方法を具体的に解説します。

ケース1.Adobe Acrobat Readerで電子印鑑を作成・押印する方法

PDFの閲覧ソフトとして広く使われている「Adobe Acrobat Reader」(無料)には、簡易的な電子印鑑(スタンプ)機能が搭載されています。

【スタンプ機能を使った押印手順】

  1. PDFを開く:Adobe Acrobat Readerで押印したいPDFファイルを開きます。
  2. 「スタンプ」を選択:上部メニューの「ツール」から「スタンプ」を選択します。
  3. スタンプの種類を選択:「スタンプ」メニュー内に「電子印鑑」というカテゴリがあります(ない場合は「カテゴリ」→「電子印鑑」)。「承認」「受領」などの定型スタンプや、日付印などが選べます。
  4. ユーザー情報の設定:初めて使用する場合、氏名や会社名などを設定する画面が表示されることがあります。
  5. 押印:任意のスタンプを選び、PDFの押印したい箇所でクリックすると、電子印鑑が配置されます。


なお、この方法は手軽ですが、あくまでAcrobat上の「スタンプ機能」であり、法的証拠力が求められない「認印」としての利用に留めることをおすすめします。

ケース2.Word・Excelで作成した印影画像をPDFに貼り付ける方法

WordやExcelの図形描画機能や、Web上の無料ツールを使って、自分の名前の印影画像(PNG形式など)を作成する方法です。

【WordやExcelで印影画像を作成する手順】

  1. WordやExcelの「挿入」→「図形」で円やテキストボックスを組み合わせ、印鑑風の画像を作成します。
  2. 作成した図形をグループ化し、右クリックから「図として保存」を選択し、PNG形式などで保存します。


【PDFに印影画像を貼り付け・押印する手順】

  1. Adobe Acrobat ReaderでPDFを開きます。
  2. メニューの「ツール」から「スタンプ」を選択します。
  3. 「スタンプ」メニューの「カスタムスタンプ」→「作成」を選びます。
  4. 先ほど作成した印影画像ファイルを選択し、スタンプとして登録します。
  5. 登録したスタンプを、ケース1と同様の手順でPDF上に配置します。


これもケース1と同様、「認印」としての利用に適した方法です。複製が容易でセキュリティリスクが高いため、社内確認などでの利用に留めるべきです。

ケース3.専用のサービス・システムを利用する方法

法的効力(本人性・非改ざん性)が求められる契約書や重要文書に押印する場合は、識別情報付きの電子押印が可能な専用サービスを利用することをおすすめします。

たとえば、電子帳簿保存法の要件を満たすソフトウェアに与えられる「JIIMA認証」を取得している電子取引システムや文書管理システム、書面契約と同等の法的効力が担保された電子契約サービスなどです。

これらのサービスでは、識別情報を有する電子押印が可能であったり、タイムスタンプや電子署名との組み合わせにより本人性や非改ざん性を担保できる機能が備わっていたりします。加えて、業務プロセス自体をデジタル化することができるので、ただ押印を電子化する以上に業務効率を高めることができるでしょう。

電子押印が可能なデジタル帳票基盤

次は、PDF文書への電子押印だけでなく、文書のライフサイクルを一気通貫でデジタル化するソリューションとして、ウイングアークのデジタル帳票基盤をご紹介します。

デジタル帳票基盤のイメージ

ウイングアークのデジタル帳票基盤は、デジタル帳票の設計・出力や紙帳票のデータ化、法令に基づく一元管理、企業間での配信・受領まで一気通貫で実現するソリューション群です。

では、デジタル帳票基盤の特徴を見ていきましょう。

法令に基づく一元管理なら「invoiceAgent 文書管理」

「invoiceAgent 文書管理」は、PDFなどの電子文書を法令に基づき一元管理するソリューションです。

ウイングアーク製品で出力・データ化した文書はもちろん、他システムで出力した文書もまとめて取り込み、指定したルールに従い自動で仕分け・保存を実行可能です。

さまざまな条件に対応する検索機能や、文書の非改ざんを証明するタイムスタンプ機能など、電子帳簿保存法に対応するための機能も搭載しています。

電子押印で業務を効率化する「invoiceAgent 電子取引」

「invoiceAgent 電子取引」は、企業間における帳票のWeb配信・Web受領を実現するソリューションです。

PDF形式の帳票をアップロードするだけで取引先にWeb配信することができ、取引先が発行する帳票も「invoiceAgent 電子取引」を介して受領可能。配信側・受領側のどちらも操作画面上での電子押印が可能なので、配信前の社内承認や、受領確認のための押印作業の手間を解消できます。

契約手続きの電子化なら「invoiceAgent 電子契約」

「invoiceAgent 電子契約」は、書面の契約書と同等の法的効力を担保する電子契約ソリューションです。

契約者双方の社内承認を経た電子契約書に対し、タイムスタンプと電子署名を付与することで、「電子文書の成立が真正」であることを証明し、電子契約の有効性を高めます。

また、契約締結後には、タイムスタンプと電子署名が施された完了証明書が出力されるので、信頼性とセキュリティを担保した電子契約が可能です。

まとめ

今回は、近年普及している電子押印に焦点を当て、その概要やメリット、やり方などを解説しました。

記事内でご紹介したウイングアークのデジタル帳票基盤は、電子押印が可能なだけでなく、文書にまつわる一連の業務プロセスを一気通貫でデジタル化することができます。

業務のデジタル化やペーパーレス化に取り組まれている企業は、ウイングアークのデジタル帳票基盤の活用を検討してみてはいかがでしょうか。

ペーパーレス化を実践する3つのステップとは?

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