製造指図書とは?
製造指図書(読み方:せいぞうさしずしょ)とは、製品の種類や数量、納期など、製造作業に必要な情報が記載された命令書で、主に製造業で活用されています。
たとえば、「どの製品を、どれくらいの数量、いつ、どこで生産するのか」といった情報が記載されており、製造指図書があることで製造活動が秩序づけられるとともに、製造コストを把握するための原価計算表を作成する際にも用いられます。
ちなみに、製造指図書とよく似た言葉に製造指示書(読み方:せいぞうしじしょ)があります。どちらも製造作業に必要な情報がまとめられた書類ですが、違いを挙げるとするならば、製造指図書は作業内容の命令だけでなく原価計算にも用いられるのに対し、製造指示書は業務内容や方法を指示する役割が主だと言えます。
製造指図書の記載項目と書き方
次は、製造指図書の主な記載項目をご紹介します。
- 指図書番号
- 製造指図の内容
- 作業日・納期
- 製造担当者
- 注文情報
- 添付書類
各項目の内容と書き方について見ていきましょう。
指図書番号
製造指図書には、別の製造指示と区別するために固有の通し番号(指図書番号)を記載します。なお、製造指図書ごとに用意する原価計算表でも同じ通し番号が利用されます。
製造指図の内容
「何をどれくらい作るのか」という製造指図の内容を記載します。
具体的には「品目(品名)」「種類」「規格」「数量」といった項目で記載するケースが一般的です。
作業日・納期
製造指図書には、作業期間や納期についても記載する必要があります。
着手予定日と完了予定日、納品期日を記載することで、作業担当者はスケジュール感を把握することが可能です。
製造担当者
誰に宛てた指図書なのかを明確にするため、製造担当者名を記載します。
製造担当者の氏名に加え、所属部門名や工場名なども併記するケースが一般的です。
注文情報
どの注文に基づく製造指図書なのかを明確にするため、注文情報を記載します。
具体的には、発注者名や注文書番号などを注文情報として記載するケースが一般的です。
添付書類
製造指図書は、別書類を添付して材料仕様や作業仕様などを指定するケースが多々あります。
製造指図書以外に添付書類がある場合には、添付書類の種類や部数を記載しましょう。
製造指図書の作成・管理を効率化するソリューションは?
ここまでは、製造指図書の意味や作成方法について紹介してきましたが、運用を効率化していくにはデジタル化が有効です。
そして、製造指図書の作成・管理をデジタル化するソリューションが、ウイングアークが提供するデジタル帳票基盤です。
ウイングアークのデジタル帳票基盤は、「SVF Cloud」と「invoiceAgent」シリーズで構成されるソリューション群で、デジタル帳票の作成や紙帳票のデータ化、法令に基づく一元管理、企業間での配信・受領まで一気通貫で実現します。
ここでは、製造指図書に関わる業務のデジタル化に有効な「SVF Cloud」と「invoiceAgent AI OCR」、「invoiceAgent 文書管理」の特徴を見ていきましょう。
製造指図書などの設計・出力は「SVF Cloud」
「SVF Cloud(エスブイエフ クラウド)」は、製造指図書を含むあらゆるデジタル帳票の設計・出力を実現するソリューションです。
ノーコードで設計可能な帳票設計ツールを搭載しているので、新規帳票の設計も既存帳票の移行も簡単に行えます。また、各種システム・アプリケーションとのデータ連携・マッピングにより、効率的な帳票作成を叶えます。
さらに、プリンターでの直接印刷はもちろん、PDFやExcelなどの電子ファイル形式での出力や、メール・FAXでの配信にも対応しているため、自社の業務プロセスに応じて適切な出力形式を選択可能です。
紙の現場帳票をデータ化するなら「invoiceAgent AI OCR」
「invoiceAgent AI OCR(インボイスエージェント エーアイ オーシーアール)」は、活字・手書きを問わず、紙帳票を高精度かつ効率的にデータ化するソリューションです。
高性能な4つのOCR/AI OCRエンジンを搭載しており、読み取り帳票の種類や特徴に合わせて最適なOCR/AI OCRエンジンを選択したり、1つの読み取り帳票に対して複数のOCR/AI OCRエンジンによる処理を実行することも可能です。
さらに、読み取り帳票の歪みや傾きを自動補正することも可能なので、認識率の低下を防ぎつつ効率的にデータ化を推進することができます。
帳票データの一元管理なら「invoiceAgent 文書管理」
「invoiceAgent 文書管理(インボイスエージェント 文書管理)」は、帳票データの一元管理を実現するソリューションです。
「SVF Cloud」や「invoiceAgent」シリーズで作成・出力した帳票データはもちろん、他システムで出力した帳票データもまとめて取り込み、指定したルールに基づき自動で仕分け・保存を実行します。
保存したデータは、さまざまな条件で検索・参照可能。電子帳簿保存法の検索要件にも対応しているので、製造指図書などの現場帳票だけでなく、企業間取引に用いる対外帳票も一元的に管理可能です。
さらに、保存期間に応じた自動削除機能や、改ざんなどの不正防止・検知に役立つ証跡管理機能も備えているので、安全かつ効率的な文書管理を実現します。
製造指図書の作成・管理を効率化した事例
最後に、製造指図書や製造指示書の作成・管理を効率化した事例をご紹介します。
製造指図書を含む帳票出力基盤を構築(カリモク家具)
木製家具のトップブランドとして知られるカリモク家具株式会社は、SVFを導入して製造指図書などの各種帳票を出力する仕組みを構築しました。
2000年代初頭、基幹業務システムにパッケージERPを採用し、購買管理・生産管理・在庫管理を再構築するなど、大規模な業務改革プロジェクトに取り組んでいた同社。ミッドレンジサーバーIBM「System i」による新システムを稼働し、業務プロセスの標準化・合理化を進めていました。
しかし、採用したパッケージERPでは期待する帳票出力を実現できず、アドオン開発が必要に。そこで同社の情報システムグループは、高い帳票出力機能を有し、人的負荷の少ない集中管理が可能な帳票システムとして「SVF」の導入を決定。
製造指図書や納品書、注文書などの帳票類に加え、在庫管理用の特大バーコードの出力など、「System i」だけでは実現できない、さまざまな機能を持った帳票出力を実現しました。
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カリモク家具株式会社のSVF導入事例をもっと見る
帳票の一元管理により業務効率化を実現(三菱マテリアルグループ)
老舗非鉄金属メーカーとして知られる三菱マテリアルグループは、かねてより利用してきた「SVF」と、新たに導入した「invoiceAgent」の組み合わせにより、帳票作成から仕分け、保管、検索までの一元管理を実現しました。
全社DXに取り組む同社では、基幹業務変革の柱としてERP導入を掲げ、2024年4月には三菱マテリアル単体でERPの本番稼働を開始。それと並行する形で、周辺システムのモダナイゼーションにも着手しました。改正電帳法への対応が求められていた背景もあり、同社はウイングアークの電子帳票プラットフォーム「invoiceAgent」に注目。同社では製造指示書などの帳票デジタル化にウイングアークの「SVF」を活用してきた経緯があり、「SVF」とスムーズに連携可能な点も評価し、「invoiceAgent」の導入を決めました。
「SVF」と「invoiceAgent」の組み合わせにより、帳票作成から仕分け、保管、検索までの一元管理が可能になり、大幅な業務効率化を達成。すでにグループ全体の標準帳票ツールとして定着している「SVF」に続き、「invoiceAgent」に関してもグループ全体を通じた導入を想定しています。
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三菱マテリアル株式会社/三菱マテリアルITソリューションズ株式会社のSVF・invoiceAgent導入事例をもっと見る
まとめ
今回は、製造指図書の意味や作成方法などをご紹介しました。
製造指図書の運用を効率化するには、デジタル化がポイントとなります。そして、製造指図書の運用をデジタル化するソリューションが、記事内でもご紹介したウイングアークのデジタル帳票基盤です。
製造指図書の作成・管理に課題を感じている方は、今回ご紹介した「SVF Cloud」や「invoiceAgent」の活用を検討してみてはいかがでしょうか。