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電子帳簿保存法のシステム変更・移行ガイド|データ引き継ぎの注意点と新システムの要件

法対応更新日:2026.05.26

電子帳簿保存法の義務化に伴い、急いで対応システムを導入したものの、「運用負荷が高い」「維持コストが見合わない」と悩む担当者は少なくありません。

「より使いやすい別のシステムに変更したいが、過去のデータはどうなるのか?」と不安に感じる方も多いでしょう。

この記事では、電子帳簿保存法においてシステムを変更・移行する際に押さえるべき注意点や、失敗しない新システム導入のポイントをわかりやすく解説します。

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電子帳簿保存法のシステム変更・移行は可能?

結論から述べると、利用中のシステムから別のシステムへ変更すること自体は法的に問題ありません

しかし、システムの移行には大きなハードルが存在します。それは、電子帳簿保存法で定められた「保存要件(真実性の確保・可視性の確保)」を損なわずにデータを引き継ぐ必要があるからです。

単にデータを移し替えるだけでは、要件を満たせず法律違反となる恐れがあります。そのため、電子帳簿保存法のシステム移行においては、過去のデータをどのように扱うかを慎重に検討しなければなりません。

変更にあたり旧システムのデータはどう扱う?

変更にあたり旧システムのデータはどう扱う?

システムを変更する際、最大のネックになるのが「過去データの扱い」です。

ここでは、電子帳簿保存法のシステム変更における、現実的な3つの選択肢をご紹介します。自社の状況やコスト、セキュリティ要件に合わせて最適な方法を選びましょう。

方法1.新システムへすべての過去データを移行する

理想的なのは、旧システムに保存されているすべてのデータを新システムへ移行することです。

しかし、旧システムで付与したタイムスタンプや、訂正・削除履歴といった「真実性の証明」を新システムに引き継ぐのは、技術的に困難なケースも少なくありません。

ベンダー間で仕様が異なるため、移行先でも元のデータが改ざんされていないことを完全に証明できるか、事前の入念な検証が必要となります。

方法2.データを一括ダウンロードし、自社サーバー等で保存する

コストを抑えたい場合の現実的な解決策が、旧システムからデータを一括ダウンロードする方法です。

ダウンロードしたPDFなどのファイル名に「日付・金額・取引先」を入力し、自社のファイルサーバー等で法定保存期間(原則7年〜最長10年)保管します。

ファイル名を変更することが困難な場合は、エクセル等で「索引簿」を作成し、データと紐付けて検索できるようにすることでも要件を満たせます。

方法3.旧システムを並行稼働させる

データ移行がどうしても困難な場合や、リスクを最小限に抑えたい場合、旧システムを並行稼働させる方法も選択肢となります。

旧システムへの新たなデータ登録は停止し、「閲覧専用」として最低限のプランなどで残し、新システムと並行稼働させます。

維持コストは二重にかかってしまいますが、データの真実性や検索要件が失われるリスクがないため、安全で確実な方法と言えます。

システム移行における法律・実務上の注意点

電子帳簿保存法のシステム変更時にデータ移行を行う場合、税務調査等で指摘されやすい法的な注意点がいくつか存在します。

「真実性」をどう担保するか

データ移行によって、これまでの履歴が途切れてしまうリスクがあります。

そのため、移行前後でデータが改ざんされていないことを外形的に証明できる仕組みが必要です。

技術的な担保が難しい場合は、「訂正削除の防止に関する事務処理規程」を整備・運用することで、真実性の要件をカバーするアプローチも検討しましょう。

検索要件(日付・金額・取引先)の維持

電子帳簿保存法では、「取引年月日・取引金額・取引先」の3項目で検索できる必要があります。

旧システムからデータをダウンロードした際、ファイル名がランダムな文字列になってしまうと、この検索要件を満たせません。

移行にあたっては、属性情報(メタデータ)を付与した状態でCSVと紐付けて出力できるかが重要な鍵となります。

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取扱通達4-40(書面出力の特例)の対象範囲に関する注意

国税庁の取扱通達4-40には、「システム変更により電磁的記録の保存が困難な事情がある場合、書面に出力して保存することを認める」旨の記載があります。

しかし、これは主に「自社で作成した電子帳簿や国税関係書類」に関する規定です。メールなどで受け取った「電子取引データ」についても同様に書面出力(紙保存)が認められるかは、税務署の判断が分かれるグレーゾーンとなっています。

また、電子帳簿保存法の解釈や、システム移行前後におけるデータの同一性・真実性の証明可否については、個別のシステム仕様や運用状況によって国税庁(所轄税務署)の判断が異なる場合があります。データ移行を実施する際は、自己判断せず、事前に税務署または顧問税理士に相談することを強くおすすめします。

新たな電子帳簿保存法システムの選定ポイント

新たな電子帳簿保存法システムの選定ポイント

次は、新たに電子帳簿保存法システム導入を検討する際の重要なチェックポイントを解説します。

JIIMA認証を取得しているか

基本かつ必須の要件として、検討中のシステムがJIIMA(日本文書情報マネジメント協会)の認証を取得しているか確認しましょう。

JIIMA認証を取得しているパッケージソフトやクラウドサービスであれば、電子帳簿保存法の要件を満たしていると客観的に認められているため、安心して導入できます。

将来の移行を見据えた機能確認

将来、事業規模の拡大などで再びシステムを変更する事態になるかもしれません。

そのため、システム導入時に「出口戦略」を見据えることが重要です。データの一括ダウンロード機能や、検索項目を含んだCSV出力が容易に行えるかを必ず確認しましょう。

特定のベンダーに依存してしまう「ベンダーロックイン」を防ぐためにも欠かせない視点です。

既存の業務システムとの連携性

電子保存の要件を満たすだけでなく、業務効率化につながるかも重要です。

API連携やCSV連携を活用し、自社で利用しているERP、会計ソフト、ワークフローシステムとシームレスにつながるかを確認しましょう。

帳票の生成から電子保存、配信までを統合的に管理できる基盤システムを選ぶことで、業務プロセス全体の生産性向上が期待できます。

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システム変更・移行をスムーズに進める4つの手順

実際に移行プロジェクトを安全かつスムーズに進めるためのステップをご紹介します。

ステップ1.現行システムの仕様確認

まずは、現在利用しているシステムから、どのような形式でデータと検索項目(インデックス情報)を出力できるかを確認します。

出力仕様によって、前述した3つの対応方法のどれが現実的かが決まります。

ステップ2.所轄の税務署への事前相談

データの抽出・移行方針が固まったら、その方法で法的な要件を満たせるか、必ず所轄の税務署に事前相談を行ってください。

後々の税務調査で指摘されるリスクを排除するため、この手順は絶対にスキップしてはいけません。

ステップ3.新システムの要件定義とテスト移行の実施

税務署の確認が取れたら、新システムへの要件定義を進めます。

いきなり本番環境で移行するのではなく、必ず一部のデータを使ってテスト移行を実施しましょう。文字化けがないか、検索要件が正しく機能するかを入念にチェックします。

ステップ4.事務処理規定のアップデート

利用するシステムが変われば、業務フローも変化します。

それに伴い、社内で定めている「電子取引データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規程」のアップデートが必要です。規程内のシステム名や運用手順の記載を、新しい実態に合わせて確実に改定しましょう。

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電帳法への対応ならデジタル帳票基盤「SVF」

電帳法対応におけるシステム移行の際は、ここまで解説した要件や手順を踏まえ、将来の運用も見据えた拡張性の高いシステムを選ぶことが重要です。

ここでは、ウイングアークが提供するデジタル帳票基盤「SVF(エスブイエフ)」の製品ラインナップから、電帳法へのスムーズな対応を実現する帳票保管「SVF Archiver」と帳票流通「SVF Transact」の特徴をご紹介します。

電帳法の要件を満たす帳票保管「SVF Archiver」

「SVF Archiver(エスブイエフ アーカイバー)」は、デジタル帳票の一元管理や紙帳票のデータ化を実現するJIIMA認証製品です。

「SVF」で出力した帳票はもちろん、他システムで出力した帳票もまとめて取り込み、適切なフォルダへと自動で仕分け・保存を実行。AI OCR機能を搭載しているので、紙・PDF文書を高精度かつ効率的にデータ化することも可能です。

保存した帳票データは、さまざまな条件で検索可能。複数項目での掛け合わせ検索や、文書の非改ざん性を証明するタイムスタンプ付与など、電子帳簿保存法に対応するための機能を標準搭載しています。

加えて、アクセス権限管理や証跡管理、保存期間に応じた自動削除なども行えるので、安全かつ効率的な帳票管理を実現可能です。

※ 2026年4月より「invoiceAgent 文書管理」「invoiceAgent AI OCR」は「SVF Archiver」に名称を変更しました。

電子取引への対応なら帳票流通「SVF Transact」

「SVF Transact(エスブイエフ トランザクト )」は、取引に関わるあらゆる帳票の配信・受領を行うことができるJIIMA認証製品です。

既存の帳票フォーマットを変えることなく、PDF化した帳票をアップロードするだけで配信・受領を実現。私書箱配信や受信者サイト配信、リンク配信、郵送など、複数の配信手法をご用意しているので、自社の業務プロセスや取引先に応じて最適な方法を選択可能です。

また、配信前や受領後の社内承認フローにも対応しているので、ガバナンスを担保しつつ取引の電子化を進めることができます。

「SVF Transact」は電子帳簿保存法の電子取引要件に対応する機能を搭載しているほか、デジタルインボイスの標準規格「Peppol」に準拠したデータ送受信にも対応しているので、インボイス制度への対応という面でも有効です。

※ 2026年4月より「invoiceAgent 電子取引」は「SVF Transact」に名称を変更しました。

「SVF」で電帳法対応を実現した事例

ここでは、「SVF」を活用して電帳法対応を実現した事例をご紹介します。

電帳法に則った文書管理の基盤を構築(将軍ジャパン)

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株式会社将軍ジャパンは、「SVF Archiver」を導入し、電帳法に準拠した文書管理基盤を構築しました。

同社では従来、全国の各店舗から膨大な量の請求書が本社に届いており、承認者が不在の際などは最終承認までに4週間かかるケースも珍しくない状況でした。こうした請求書の処理業務の改善策を模索するのと並行し、インボイス制度や電帳法への対応についても検討を開始。「SVF Archiver」であれば、文書管理における電帳法対応だけでなく、懸案であった請求書処理業務の電子化も実現できると判断。営業日報の突合作業で利用していた既存のAI OCRシステムについても「SVF Archiver」で代替可能なことも、導入の決め手となりました。

「SVF Archiver」導入後、経理担当者がスキャナで請求書を読み取るとファイルサーバーに保存され、「SVF Archiver」にアップロードされる仕組みが完成。電帳法に準拠した文書管理が可能になるとともに、懸案であった請求書処理の承認期間短縮にも効果を実感されています。

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株式会社将軍ジャパンのSVF導入事例をもっと見る

改正電帳法に対応するワークフローを確立(ポリプラスチックス)

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ポリプラスチックス株式会社は、「SVF」の導入により改正電帳法に対応するワークフローを確立しました。

「SVF」の導入以前、全社的なDX推進活動として、各種システム・データベースで管理していた情報をSalesforceに一元化するプロジェクトを推進していた同社。そのなかで、経理領域においては2022年1月施行の改正電帳法対応という要件が加わり、取引書類の電子保存対応、およびそれに伴う新たなワークフロー構築が急務となりました。

そこで同社は、請求書ベースで行っている一般経費支払いの業務フローを見直し、新たな仕組みを構想開始。ワークフロー部分については、すでに導入していた「Salesforce」に搭載されている「Salesforce Flow」を使用する方針を固め、文書管理システムの部分については「Salesforce」と親和性が高い「SVF」を採用することを決めました。

「SVF」導入後、改正電帳法に対応するワークフローが整備され、経理業務のペーパーレス化を実現。経費申請に関する業務工数削減と検索性の向上を実現したほか、経理部門におけるリモートワーク推進にも効果を実感されています。

▼事例詳細はこちら
ポリプラスチックス株式会社のSVF導入事例をもっと見る

電子帳簿保存法のシステム移行に関するFAQ

ここでは、電子帳簿保存法のシステム移行に関するよくある質問とその回答について、あらためて整理していきましょう。

Q1:電子帳簿保存法のシステム移行は法的に可能ですか?

A1:別のシステムへの変更は法的に問題ありません。ただし、電子帳簿保存法で定められた「真実性の確保」や「可視性の確保」などの保存要件を損なわずにデータを引き継ぐ必要があります。

Q2:旧システムの過去データはどのように扱えばよいですか?

A2:主に3つの方法があります。「新システムへすべての過去データを移行する」「データを一括ダウンロードし自社サーバー等で法定期間保存する」「旧システムを閲覧専用として残し並行稼働させる」方法です。

Q3:データ移行時の法律・実務上の注意点は何ですか?

A3:移行前後で改ざんがないことを証明する「真実性」の担保と、日付・金額・取引先で検索できる「検索要件」の維持が必要です。自己判断せず、事前に税務署や顧問税理士へ相談することをおすすめします。

Q4:新しいシステムを選ぶ際の重要なポイントは何ですか?

A4:電帳法の要件を満たすJIIMA認証を取得しているかが重要です。また、将来の移行を見据えたデータ出力機能の有無や、既存の業務システム(ERPや会計ソフトなど)との連携性も確認しましょう。

Q5:システム移行をスムーズに進める手順を教えてください。

A5:まず現行システムの出力仕様を確認し、所轄税務署へ事前相談を行います。その後、新システムの要件定義とテスト移行を実施し、最後に社内の事務処理規程を新しい運用に合わせて改定しましょう。

まとめ

今回は、電子帳簿保存法におけるシステム変更の注意点や、データ移行の現実的な対応方法について解説しました。

システム変更は単なるツールの乗り換えではありません。安易な移行はリスクを伴うため、現行システムの仕様確認と専門家への相談をセットで行うことが大切です。

「今のシステムに不満がある」「次に導入するシステム選びで失敗したくない」とお考えの方は、記事内でご紹介した電帳法対応のデジタル帳票基盤「SVF」への移行を検討してみてはいかがでしょうか。

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