ファイル管理とは?必要性とよくある課題
ファイル管理とは、業務で扱う文書やデータを、作成から保管、廃棄に至るまでの一連のライフサイクルに沿って適切に管理することです。
とくに近年では、テレワークの普及や電子帳簿保存法の改正などにより、多くの企業でファイル管理の手法が見直されています。
ファイル管理の目的・必要性
ファイル管理を適切に行う最大の目的は、「業務効率化」と「ガバナンスの強化」の2点にあります。
- 業務効率化:必要な情報をいつでも素早く取り出せる状態を作り、探す手間や業務の停滞を削減します。
- ガバナンスの強化:機密情報へのアクセス権限を管理し、情報漏えいや改ざんなどの不正を防ぎます。
このように、適切にファイル管理を行うことは、単なる業務効率化のみならず、ガバナンスの観点でも非常に重要だと言えます。
企業のファイル管理における「よくある課題」
ファイル管理のルールが曖昧なまま運用を続けると、現場では以下のような課題が発生します。
- 検索の手間:業務で必要なファイルを探す作業に時間を奪われる。
- 紛失・先祖返り:誤ってファイルを上書き・削除したり、古いバージョンを顧客に送ってしまう。
- 属人化の発生:特定の担当者しかファイルの保存場所や管理ルールを把握していない。
これらの課題は、ファイル管理のルール策定と運用の徹底が不十分な場合に生じてしまいます。
失敗しない「ファイル管理」の方法と基本手順
先述したような課題を解決し、整然としたファイル管理を実現するためには、正しい手順を踏んでルールを策定・運用することが不可欠です。
ここでは、ファイル管理で失敗しないための4つのステップを解説します。
ステップ1:現状のファイル量と保管状況の洗い出し
まずは、社内にどのようなファイルが、どこに、どれくらい存在しているかを把握します。各部署で管理している共有フォルダや個人のローカル環境を調査し、業務に必要なファイルと不要なファイルを明確に区別することが第一歩です。
ステップ2:ファイル管理における「フォルダ」構成の最適化
洗い出したファイルを整理するため、フォルダ構成を見直します。
後述する「大分類・中分類・小分類」の階層化を意識し、誰もが直感的に保存場所を推測できる分かりやすい構造を設計します。
ステップ3:運用ルールの策定と社内への周知徹底
フォルダ構成が決まったら、それを維持するためのルールを定めます。
ファイル名の付け方や保存期限などをマニュアル化しましょう。また、ルールを作るだけでなく、勉強会を開くなどして全社員に周知徹底することが成功の鍵です。
ステップ4:定期的な棚卸しと不要ファイルの削除
ファイルは日々増え続けます。そのため、半年に1回などの頻度で定期的な「棚卸し」を実施します。保存期間を過ぎたファイルはアーカイブまたは削除し、常に最新かつ必要な情報だけが検索できるクリーンな状態を保ちます。
業務効率を高める「ファイル管理ルール」の作り方

ファイル管理を成功させるには、実効性のある「ファイル管理ルール」の策定が欠かせません。ここでは、運用しやすいルールの作り方を具体的に解説します。
フォルダの階層化・分類ルール(大・中・小分類のコツ)
フォルダ階層は深すぎると目的のファイルに辿り着きにくくなります。基本は3階層、多くても4階層までに留めるのがコツです。
- 大分類(第1階層):年度、部門名、プロジェクト名など
- 中分類(第2階層):顧客名、業務カテゴリなど
- 小分類(第3階層):見積書、請求書、提案資料など
このように分類の基準を統一することで、迷わず直感的にファイルを格納・検索できるようになります。
ファイル名・フォルダ名の明確な命名規則(日付・担当者・バージョンなど)
ファイル名を見るだけで中身が判別できるように、命名規則(ネーミングルール)を統一します。
- 悪い例:提案書_最新版_修正.pdf
- 良い例:20260310_〇〇株式会社様_システム提案書_v2_山田.pdf
「日付_顧客名_文書名_バージョン_作成者」のように、要素の並び順と区切り文字(アンダーバーなど)を全社で統一しましょう。
アクセス権限とセキュリティルールの設定
情報漏えいを防ぐため、役職や部門に応じて適切なアクセス権限(閲覧・編集・削除など)を設定します。「誰でもすべてのファイルを見られる」状態は避け、必要最小限の権限付与(Need-to-Knowの原則)を徹底してください。
保存期間や社内規定に基づく保存・廃棄ルール
文書の種類によっては、法律で保存期間が定められています(例:請求書などの国税関係書類は原則7年、会社法関連書類は10年など)。これらの法定保存期間に準拠しつつ、社内の規定と照らし合わせて「いつまで保存し、いつ廃棄するか」の基準を明確にします。
「ファイル管理」を「クラウド」で実現するメリット
近年、ファイル管理の基盤としてクラウド型システムを採用する企業が増えつつあります。
次は、ファイル管理のクラウド化によって得られる具体的なメリットを解説します。
時間と場所を問わずファイルにアクセス・共有が可能
クラウド最大の利点は、インターネット環境さえあれば、自宅や出張先からでもファイルにアクセスできる点です。テレワークでの業務がスムーズになり、社外の取引先とのセキュアなファイル共有もURL一つで簡単に行えます。
サーバーの運用保守の負担軽減とBCP対策
クラウド環境では、サーバーのメンテナンスやセキュリティアップデートは提供ベンダーが行います。情報システム部門の負担が大幅に軽減されるだけでなく、データは堅牢なデータセンターでバックアップされるため、災害時のBCP対策としても有効です。
ファイル管理に利用するシステム選定のポイント

ファイル管理システムにはさまざまな種類があります。自社に最適なシステムを選ぶための比較ポイントを紹介します。
オンラインストレージと文書管理システムの違い
ファイル管理に用いられる主なシステムとして、オンラインストレージと文書管理システムが挙げられます。まず、それぞれの性質を理解しましょう。
- オンラインストレージ:ファイルの「保管・共有」に特化。(例:GoogleDrive,Dropboxなど)
- 文書管理システム:ファイルの「ライフサイクル管理・高度な検索・法対応」に特化。
複雑な権限設定や、承認フローの記録、法的な要件を満たした保管が目的であれば、文書管理システムを選ぶのがおすすめです。
検索性の高さと操作性の良さ(現場が使いやすいか)
どんなに高機能でも、現場の従業員が使いこなせなければ意味がありません。
誰もが簡単に扱うことができる、直感的なユーザーインターフェース(操作画面)かを確認しましょう。
また、検索性の高さも重要です。たとえば、ファイル名だけでなく、ファイルの中身まで検索できる「全文検索機能」があるかどうかは、業務効率を左右します。実際の業務での利用シーンを想定し、必要な検索機能を備えた製品を選ぶことが大切です。
自社の要件(セキュリティ・電帳法対応など)との適合性
セキュリティや法対応の観点で、自社が求める要件に適合しているかも重要です。
たとえば、閲覧・編集権限を柔軟にコントロールすることができるか、証跡を確認可能かどうかなどは、事前に確認すべきポイントとなります。
また、電子帳簿保存法の対象となる帳票ファイルを管理・運用するのであれば、機能要件を満たしているか必ず確認が必要です。
検索要件に対応する機能やタイムスタンプ付与機能、訂正・削除履歴の確保など、法的要件を満たした製品かどうか事前にチェックしましょう。その際、「JIIMA認証」の取得有無は、電帳法の要件を満たしているかどうかの目安となります。
他システムとの連携機能
ファイル管理だけでなく、一連の業務プロセスを効率化するためにも、他システムとの連携性についても注目してみましょう。
たとえば、社内で既に利用しているERP(基幹システム)やワークフロー、チャットツールなどとシームレスに連携することができれば、業務の自動化や二重入力の解消につなげることができます。
ファイル管理の効率化・ガバナンス強化に「SVF Archiver」
次に、ファイル管理の効率化とガバナンス強化を実現するソリューションとして、ウイングアークが提供する帳票保管ソリューション「SVF Archiver(エスブイエフ アーカイバー)」をご紹介します。
※ 2026年4月より「invoiceAgent 文書管理」「invoiceAgent AI OCR」は「SVF Archiver」に名称を変更しました。
法令に基づく帳票ファイルの一元管理を実現
「SVF Archiver」は、法令に基づく帳票ファイルの一元管理を実現する帳票保管ソリューションです。
「SVF」シリーズで出力した帳票ファイルはもちろん、他システムで出力した帳票ファイルもまとめて取り込み、適切なフォルダへと自動で仕分け・保存を実行。AI OCR機能を備えているので、紙文書やPDFファイルを高精度かつ効率的にデータ化することも可能です。
保存した帳票ファイルは、全文検索や複数項目での掛け合わせ検索にも対応。電子帳簿保存法で求められる検索要件にも対応可能です。
さらに、タイムスタンプ付与やアクセス権限管理、証跡管理、保存期間に応じた自動削除なども行えるので、効率性とガバナンスを担保したファイル管理を実現することができます。
システム連携で一連の業務プロセスを効率化
「SVF Archiver」は、各種システムとの連携により、その効果をさらに高めることができます。
たとえば、同じく「SVF」ブランド製品である帳票生成基盤&クラウド帳票サービス「SVF/SVF Cloud」や帳票データ流通プラットフォーム「SVF Transact」と連携することで、帳票生成・保管・流通の仕組みを一気通貫で実現するデジタル帳票基盤を構築することができます。
また、専用アダプター・コネクターやWeb APIを用いることで、各種周辺システムとのシームレスな連携が可能です。これにより、ファイル管理に留まらない広範な業務効率化を推進します。
「SVF Archiver」でファイル管理を効率化した事例
次に、実際に「SVF Archiver」を活用してファイル管理を効率化した事例をご紹介します。
年間1,000万超で増加するファイルを自動保管(NTTドコモソリューションズ)
NTTドコモソリューションズ株式会社は、グループ115社・17万人が利用する共通決裁システムの構築に際し、「SVF Archiver」を導入して膨大なファイルの自動保管を実現し、大幅な効率化とガバナンス強化を達成しています。
同社では「SVF Archiver」の導入以前、グループ各社で異なっていた決裁プロセスや文書管理方法を標準化するため、全社共通の決裁システム基盤として「ServiceNow」の構築プロジェクトに着手。一方で同社では、この大規模システム開発と並行して、電子帳簿保存法への対応も急務となっていました。
ServiceNowの開発で検討事項が山積みのなか、いかに効率的に電帳法への対応を進めるかを重視して製品選定を実施。ServiceNowとの高い親和性や、膨大な決裁文書の保管に耐えられる性能と信頼性、そして電帳法対応をシステムに一任できる手軽さが決め手となり、「SVF Archiver」の導入に至りました。
「SVF Archiver」の導入後、決裁に関連する年間1,000万超のファイルが、現場や管理者に負担をかけることなく「SVF Archiver」へ自動で転送・保管される仕組みが完成。直感的な操作性により、目的のファイルや証跡を即座に検索・抽出できるようになり、監査対応にかかる手間が大幅に削減されました。グループ全体で統一的な電帳法対応を実現し、適切なファイル管理に基づくガバナンス強化にも大きく寄与しています。
▼事例詳細はこちら
NTTドコモソリューションズ株式会社のSVF導入事例をもっと見る
ファイル管理の効率化とオペレーション負荷の軽減を達成(ソニー銀行)
ソニー銀行株式会社は、「SVF Archiver」を導入し、多様な経路から届く重要書類の一元管理を実現し、ファイル管理の効率化とオペレーション負荷の大幅な軽減を達成しています。
「SVF Archiver」の導入以前、同行の住宅ローン本審査では、お客様からの書類提出後、結果告知までに3〜5週間を要しており、複数のスタッフによる書類の事前確認や管理がボトルネックとなっていました。そこで、書類提出の方法として専用サイトへの「アップロード」を追加することに加え、各経路で送られてくる書類の管理を一元化することを決断。
製品選定の結果、顧客管理基盤として利用している「Salesforce」との親和性が高く、顧客情報と紐付けてシームレスな書類管理が可能になる点を評価し、「SVF Archiver」の導入に至りました。
導入後、アップロードされたファイルが自動で顧客別フォルダへ格納される仕組みが完成。
Salesforceの顧客情報画面に、ファイルが格納されたフォルダへのリンクが表示されるなど、ファイルの閲覧性も向上しています。さらに、数百万規模のフォルダからわずか4秒程度で目的の書類を検索可能に。
これにより、ファイル管理にかかる業務負荷が劇的に軽減され、迅速な顧客対応へとつながっています。
▼事例詳細はこちら
ソニー銀行株式会社のSVF導入事例をもっと見る
ファイル管理に関するよくある質問(FAQ)
ここでは、ファイル管理に関するよくある質問とその回答について、改めて整理していきましょう。
Q1:ファイル管理を適切に行う目的は何ですか?
A1:主な目的は「業務効率化」と「ガバナンスの強化」の2点です。必要な情報をすぐ取り出せる状態にして探す手間を省き、機密情報へのアクセス権限を管理して不正を防ぎます。
Q2:フォルダ階層を分かりやすくするコツは?
A2:フォルダの階層は深くなりすぎないよう、原則として3階層(最大でも4階層)までに留めるのがコツです。大分類、中分類、小分類と分類の基準を全社で統一しましょう。
Q3:ファイル名をつける際のポイントは?
A3:ファイル名を見ただけで中身が判別できるように、全社で命名規則(ネーミングルール)を統一します。「日付_顧客名_文書名_バージョン_作成者」のように要素と区切り文字を定めます。
Q4:増え続けるファイルはどう管理すべきですか?
A4:半年に1回などの頻度で定期的な棚卸しを実施します。法定保存期間や社内規定に基づく保存・廃棄ルールに従い、保存期間を過ぎたファイルはアーカイブまたは削除して整理します。
Q5:システム選びで重視すべきポイントは?
A5:複雑な権限設定や電子帳簿保存法などの法対応が必要な場合は、オンラインストレージよりも文書管理システムが適しています。現場での検索性の高さや、他システムとの連携機能も重要です。
まとめ
今回は、ファイル管理の目的やよくある課題、ルールの作り方や運用のポイント、自社に合ったシステムの選び方について解説しました。
ファイル管理は、企業の業務効率やガバナンスを左右する重要なプロセスです。
そして、適切なファイル管理を徹底するには、自社に合ったシステムを導入することが重要です。
ファイル管理に課題を感じている方は、記事内でご紹介したデジタル帳票基盤「SVF」の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
























