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スキャナ保存でタイムスタンプは不要?要件や理想的な対応、有効なツールをご紹介!

法対応更新日:2026.01.30

電子帳簿保存法(以下、電帳法)の改正に伴い、「スキャナ保存のタイムスタンプが不要になった」 といった情報を耳にした業務担当者の方も多いのではないでしょうか。

紙の領収書や請求書などの帳票をスキャンして電子保存する「スキャナ保存」は、ペーパーレス化の鍵となります。その際、従来は「改ざんされていないこと」を証明するためにタイムスタンプの付与が厳格に求められていました。

もし、このタイムスタンプが本当に不要になるのであれば、コスト削減や業務負担の軽減につながる大きなニュースです。しかし、「不要」という言葉だけを鵜呑みにして、自社の運用を安易に変更してしまうことには大きなリスクが伴います。

この記事では、電帳法のスキャナ保存におけるタイムスタンプの要否を改めて整理します。タイムスタンプが不要となる具体的な条件から、法令遵守と業務効率化を両立するアプローチまで詳しく解説します。

5ステップ!改正電帳法対応ガイドブック【完全版】

電子帳簿保存法の改正により要件が緩和された一方で、企業として適切な対応をするためには押さえるべきポイントがあります。
・どのような流れで対応を進めればいいのだろう…
・自社にはどんなシステムが合うのだろうか…
とお悩みの方へ、電子帳簿保存法対応のための5つのステップをご紹介します。

「スキャナ保存にタイムスタンプ不要」って本当?

結論から述べると、電子帳簿保存法のスキャナ保存においては、原則としてタイムスタンプの付与が必要です。ただし、特定の要件を満たす場合に限り、タイムスタンプが不要になるケースがあります

スキャナ保存におけるタイムスタンプの役割

タイムスタンプは、「信頼できる第三者(時刻認証局)」が、「その時刻にその電子データが存在していたこと」および「その時刻以降、データが改ざんされていないこと」を証明する技術的な仕組みです。

つまり、スキャナ保存においてタイムスタンプは、「保存されたデータが後から改ざんされていないこと」、すなわち「真実性(非改ざん性)」を担保する役割があります。

なぜスキャナ保存のタイムスタンプ要件が緩和されたのか

従来の厳格なタイムスタンプ要件は、スキャナ保存への対応を目指すうえで大きなハードルの一つでした。これは、導入・運用コストがかかるためです。

しかし近年、技術の進歩によって高機能なシステムが登場し、タイムスタンプがなくても「改ざんされていないこと」を別の方法で証明できるようになりました。具体的には、データの「訂正・削除の履歴」をシステム上で完全に記録・追跡できる機能です。

このような技術的背景を踏まえ、実務上の負担を軽減し、企業のペーパーレス化(DX)を促進する目的で、2022年の改正電帳法においてスキャナ保存のタイムスタンプ要件が緩和されたのです。

スキャナ保存でタイムスタンプが不要になる条件とは?

スキャナ保存でタイムスタンプの付与が免除されるのは、以下の両方の条件を満たした場合です。

  • システム要件: スキャンしたデータの保存先システムが、「訂正・削除の履歴が残る」または「そもそも訂正・削除ができない」仕様であること。
  • 入力期間要件: スキャン文書を、受領後「速やか(※)」または「業務の処理に係る通常の期間(最長2ヶ月とおおむね7営業日以内)」に入力(保存)すること。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

条件1:訂正・削除履歴が残る(または訂正・削除ができない)システムの利用

タイムスタンプの代わりとして認められるのは、データの「真実性」を担保できるシステムです。

具体的には、以下のような機能を持つシステムが該当します。

  • 訂正・削除の履歴が残るシステム: 一度保存したデータを訂正または削除した場合、その操作を行った「日時」や「担当者」「操作内容」がログとして記録され、後からいつでも確認・追跡できる仕組み。
  • 訂正・削除ができないシステム: 一度保存したデータは、管理者であっても物理的に訂正や削除が一切行えない仕様(追記のみ可能など)のシステム。

このようなシステムを利用することで、タイムスタンプがなくても「不正な改ざんが行われていないこと」をシステム側で証明できる、とされています。

条件2:入力期間内の保存

システム要件とあわせて、入力期限も守らなければなりません。紙の書類を受領してからスキャン保存するまでの期間です。

スキャナ保存の入力期間は、以下の2パターンが認められています。

  • 早期入力方式(速やかな入力): 国税関係書類(領収書など)を受領後、おおむね7営業日以内にスキャン・保存する方式。
  • 業務サイクル方式(通常の期間): 業務の処理に係る通常の期間(例:月末締めなど)を経過した後、最長2ヶ月とおおむね7営業日以内にスキャン・保存する方式。
    ※この方式を採用する場合、社内で「事務処理規程」を定めておく必要があります。

タイムスタンプが不要となるシステムを利用する場合でも、このどちらかの期限内に電子化を完了させる必要があります。

「タイムスタンプ不要=楽になる」は誤解?実務上の落とし穴

「タイムスタンプ不要=楽になる」は誤解?実務上の落とし穴

スキャナ保存において、特定の条件下でタイムスタンプの付与が不要になることをお伝えしました。しかし、タイムスタンプが不要になることで業務が楽になると考えるのは早計かもしれません。

ここでは、タイムスタンプを使用しないスキャナ保存における、実務上の落とし穴をご紹介します。

落とし穴1:社内規程の整備と「事務処理規程」の重要性

先述した通り、スキャナ保存でタイムスタンプ付与が免除されるのは、システム要件と入力期間要件の2つを満たした場合のみです。要件を満たすシステムを導入したとしても、それを運用する社内のルールが曖昧では意味がありません。

とくに、前述の「業務サイクル方式(最長2ヶ月とおおむね7営業日以内に入力)」を採用する場合は、「スキャナ保存に関する事務処理規程」を社内で策定し、備え付けておくことが必須です。

この規程には、紙の書類を受領してから誰が、いつまでにスキャンし、誰がチェック(承認)するかといった一連の業務フローを明記する必要があります。システムを導入するだけでなく、ルールの整備と従業員への周知徹底がセットで必要となるため注意が必要です。

落とし穴2:「不要」の条件を満たし続ける運用の難しさ

「訂正・削除履歴が残るシステム」に依存する運用は、そのシステムを使い続けることが前提となります。

将来、そのシステムの利用をやめ、別のシステムに乗り換える場合、旧システムに保存されていた過去のデータの「非改ざん証明」をどう担保するか、という問題が発生します。旧システムの契約を解除すれば、過去の訂正・削除ログも閲覧できなくなるかもしれません。

一方で、タイムスタンプはデータ自体に付与されるため、特定のシステムに依存しません。文書データ(PDFなど)とタイムスタンプ情報をセットで保管しておけば、システムを乗り換えても非改ざん性を証明しやすいという利点があります。

タイムスタンプ付与によるスキャナ保存対応がおすすめな理由

スキャナ保存におけるタイムスタンプ要件はたしかに緩和されたものの、対応の際は実務上のリスクや運用負荷を考慮する必要があります。

法令遵守の「信頼性」と、バックオフィス業務全体の「効率性」を両立する上では、タイムスタンプの付与によるスキャナ保存対応をおすすめします。

では、その理由について見ていきましょう。

電子取引とスキャナ保存の業務フローを統一

ペーパーレス化を推進していく上では、電子帳簿保存法の「スキャナ保存」への対応だけでは十分とは言えません。むしろ、対応が必須と言う観点では、 メールなどで授受した取引帳票を電子データのまま保存する「電子取引」への対応は急務と言えます。

この「電子取引」データの保存においても、真実性の担保(改ざん防止)のために、以下のいずれかが求められます。

  • タイムスタンプの付与
  • 訂正・削除履歴が残る(または訂正・削除できない)システムへの保存
  • 改ざん防止のための事務処理規程の整備・運用

スキャナ保存も電子取引も、タイムスタンプ付与が可能なシステムでの運用に統一すれば、「紙で来てもデータで来ても、同じシステムに保存する」というシンプルな運用が可能になります。

システムに依存しない「客観的な非改ざん証明」が可能に

前述の「落とし穴」でも触れましたが、タイムスタンプは「時刻認証局」という第三者が時刻を証明する、客観性の高い技術です。

システムのログに依存する方法と比べ、より強固な非改ざん証明となります。また、システムを乗り換えた場合でも、データとタイムスタンプ情報を保持している限り、その証明効力は失われません。

長期的なデータ保存(法人税法上は原則7年、繰越欠損金がある場合は最長10年)を考慮すると、システムに依存しないタイムスタンプのメリットは大きいと言えます。

スキャナ保存への対応なら「invoiceAgent」

次は、スキャナ保存制度への対応、そして取引関係書類のペーパーレス化や一元管理を実現するソリューションとして、ウイングアークが提供する「invoiceAgent(インボイスエージェント)」をご紹介します。

「invoiceAgent」はJIIMA認証を取得しており、スキャナ保存をはじめとした電子帳簿保存法の保存要件に対応しています。

invoiceAgentが取得しているJIIMA認証
  • 電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証
  • 電子書類ソフト法的要件認証
  • 電子取引ソフト法的要件認証

また、各種アダプターやWeb APIを用いることで、さまざまな業務システムやクラウドサービスと連携することも可能。同じくウイングアークが提供している帳票基盤ソリューション「SVF Cloud(エスブイエフ クラウド)」と組み合わせれば、デジタル帳票の出力や紙帳票のデータ化、法令に基づく文書管理、企業間での配信・受領まで一気通貫で実現できます。

デジタル帳票基盤のイメージ

では、「invoiceAgent」の特徴について詳しく見ていきましょう。

紙帳票のデータ化なら「invoiceAgent AI OCR」

「invoiceAgent AI OCR」は、紙で受領・保存している文書のデータ化を実現するソリューションです。

複数の高精度OCR/AI OCRエンジンを搭載しており、読み取り文書の特徴に応じてOCR/AI OCRエンジンを選択したり、複数のOCR/AI OCRエンジンで処理を実行して結果を比較することも可能です。

また、読み取り画像の歪みや傾きを自動で補正し、文字認識率の低下を防止。これらの特徴により、紙媒体で受領・保存している文書のスムーズなデータ化を実現可能です。

企業間取引の電子化を実現する「invoiceAgent 電子取引」

「invoiceAgent 電子取引」は、企業間取引における帳票の送受信を電子化するソリューションです。

先述の通り、スキャナ保存への対応が任意であるのに対し、電子取引への対応は必須です。従来、電子取引で授受する取引情報は、書面に印刷して保存する「紙の保存に代える措置」が認められていましたが、法改正により電子取引で授受した取引情報は電子データのまま保存することが原則となりました。

「invoiceAgent 電子取引」であれば、PDFファイルをアップロードするだけで取引先との間で帳票を送受信することができ、送る側も受け取る側も電子取引要件に対応可能です。

文書データの一元管理なら「invoiceAgent 文書管理」

「invoiceAgent 文書管理」は、あらゆる文書データの一元管理を実現するソリューションです。

「invoiceAgent」で作成・データ化した文書はもちろん、他システムで作成・出力した文書もまとめて取り込み、自動で仕分け・保存を実行します。保存した文書は、電子帳簿保存法の要件である「取引年月日」「取引金額」「取引先」での検索はもちろん、範囲指定や複数項目の掛け合わせにも対応し、必要な文書を即座に参照・出力することが可能。

文書の保存期間に応じた自動削除機能や、改ざんの防止・検知に役立つ証跡管理機能を備えているため、文書の効率的なライフサイクルマネジメントを実現します。

ウイングアーク製品でスキャナ保存への対応を推進した事例

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最後に、ウイングアーク製品でスキャナ保存への対応を推進した事例をご紹介します。

医療機関向けの専門商社である丸木医科器械株式会社は、「invoiceAgent」の導入により取引先から受領する帳票類の電子化を実現し、スキャナ保存に対応する運用体制を構築しました。

同社では従来、取引先とのやりとりはFAXなどの紙ベースで行っていました。しかし、取引先から受領する納品書などの帳票は年間約40万枚に達し、システム入力の負担や保管コストが大きな課題となっていました。

そうしたなか、電帳法改正により電子保存要件が緩和されたことを受け、受領する帳票も含めたペーパーレス化および電帳法対応に取り組むことを決定。製品選定の結果、コストを抑えてOCR機能を利用できる点と文書管理まで行える点が決め手となり、「invoiceAgent 文書管理」の導入に至りました。

外部から送られてくる帳票をスキャン・OCR処理を実行して「invoiceAgent」に取り込み、中間アプリを介してデータを販売管理システムに入力する仕組みを構築。改正電帳法に対応したシステムと運用ルールが用意され、これから本格的にスキャナ保存からのOCRによるデータ化、および保存した電子帳票の運用を全社レベルで推進していく計画となっています。

▼事例詳細はこちら
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まとめ

今回は、スキャナ保存におけるタイムスタンプの要否や、不要になる条件、法令遵守と業務効率を両立する対応方法について解説しました。

2022年の電子帳簿保存法改正により、スキャナ保存のタイムスタンプ要件は緩和され、一定の条件を満たした場合に限りタイムスタンプの付与は不要となります。

しかし、タイムスタンプ付与によるスキャナ保存への対応は、業務の信頼性や効率性の観点でも非常に有用と言えます。

今回ご紹介した情報も参考に、電子帳簿保存法への対応にウイングアーク製品を活用してみてはいかがでしょうか。

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・どのような流れで対応を進めればいいのだろう…
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