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製品出荷の宅配便送り状(伝票)を電子化
~業務効率化による働き方改革と、お客様へのサポートレベル向上を実現~

目次
  1. 製品出荷での業務の効率化、ミスの根絶、そして働き方改革
    1. 宅配便送り状(伝票)の電子化の背景
    2. バーコード利用による自動検査を可能に
  2. 宅配便送り状(伝票)の管理効率化で「真のペーパーレス化」へ

製品出荷での業務の効率化、ミスの根絶、そして働き方改革

宅配便送り状(伝票)の電子化の背景

ウイングアークは「SVF」や「Dr.Sum」「MotionBoard」などのソフトウェアの開発、販売、サポートをビジネスとしており、累計販売社数も約30,000社を超える。
現在ではクラウドサービスとしても提供しているが、オンプレミス版でのソフトウェア提供も少なくない。
オンプレミス版の正式なライセンス購入の場合、バックアップのためにもDVDメディアによる提供を行っており、そのため、年間約3,000の出荷発送数、1日平均100本以上のDVDメディアを主に宅配便を利用して出荷している。

その出荷を担っているのが、技術本部 製品管理部 リリースマネジメントグループだ。
同部門では、作業の効率化のためこの宅配便の送り状(伝票)を、基幹業務システム(GRANDIT)と連携して当社の帳票基盤ソリューション「SVF」で出力。伝票は、ドットインパクトプリンターを利用して、お届け先と依頼主である当社の住所、社名、電話番号、そして品名として出荷物の名称を印字している。

※ GRANDIT株式会社のERPパッケージ

バーコード利用による自動検査を可能に

当社では、ソフトウェアのDVDメディアの盤面も含め、パッケージ等全ての出荷物にバーコード、またはQRコードを印字している。

この印字の際、出荷物と宅配便の送り状との紐づけするための工夫として、「SVF」で出荷No.を伝票の品名の部分に、数字ではなくシステムが読み取れるバーコードで出力している。

パッキングリストに印刷されているバーコードと宅配便伝票を含め出荷物をバーコードリーダーで読み込むことで、パッキングリストと現物が合っているかをシステムで自動的に検査し、その結果を「製品出荷検査結果報告書」として保存・出力している。

これまでは、人が目視で確認し、紙にチェックしていたため、あくまでも確認したとの記録に過ぎなかったが、バーコードでシステム的に照合することで、確認したことと現物一致の記録が残り、確実な証跡とすることができるようになった。

また、併せてパッキングリストと送り状のバーコードを読み取ることで、出荷と宅配便の送り状の問い合わせ送り状番号を紐づけができるようになった。
これまでは、現場担当者の目視でのパッキングリストと現物との照合、記録に依存していたため、間違いを起こしてはならないという、担当者の大きな精神的負担ともなっていた。
これが、システムによる検査・記録となったことで、単に誤りが減っただけでなく、精神的な部分でも大きな働き方改革となった。
結果的に製品出荷でのミスは、75%の大幅削減が実現できた。

宅配便送り状(伝票)の管理効率化で「真のペーパーレス化」へ

バーコード、QRコードの印刷と読み込みにより、効率化とミスの撲滅を実現したが、現場には更なる課題があった。それは、出荷に伴って作成される宅配便の送り状(伝票)の控え(請求書/ご依頼主控)の管理だ。

また、宅配便の送り状(伝票)は、一連の取引の中間過程で作成される書類で、所得金額の計算と直結・連動する書類として10年間の保管が義務付けられており、その保管場所の確保や、問い合わせ時の伝票の現物確認など、特別な管理が必要となっている。

特に、配達状況等を宅配便事業者に問い合わせする際に必要となる宅配便の送り状(伝票)に印字されている「お問い合わせ送り状番号」(ヤマト運輸株式会社の場合)、「お問い合わせ送り状No.」(佐川急便株式会社の場合)は、宅配便の事業者で事前印字されているため、実際の出荷物や受注と紐づけするためには、伝票番号をシステムに入力しておく必要がある。

それを実施していない場合には、宅配便の送り状(伝票)の原本を確認することになる。数日前までの分の問い合わせであれば手元において確認も可能だが、過去のものの問い合わせを受けた場合には、バインダーに日付毎に保管された送り状から目視で探し出すことになる。

それに対して、平成28年の税制改正により、「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則(平成10年3月31日号外大蔵省令第43号)」いわゆる電子帳簿保存法におけるスキャナ保存の要件が緩和された。
これにより「宅配便の送り状(伝票)」をスキャナ保存ができないかと考えた。

そこで当社は「SVF」で出力した帳票や紙帳票を電子化、保管、管理するためのソリューション「SPA」を利用して実現することにした。

その結果完成したのが、製品出荷のために作成した「宅配便の送り状(伝票)」の宅配便事業者に引き渡しをした際の「領収印」(ヤマト運輸株式会社の場合)、「荷受印」が押された「ご依頼主控(1枚目)」をスキャナで読み込み「SPA」に電子保管する仕組みだ。

スキャナで読み込む際に、「SVF」で印字した出荷No.のバーコードとヤマト運輸などのように「お問い合わせ送り状番号」がバーコードで印字されている場合には、バーコードを読み取りデータ化している。宅配便事業者によってはバーコードで印字されていない場合にはOCRの機能を使いデータ化している。また、万一のミスを防ぐため、確認画面で人が最終確認を行っている。

  • スキャナによる宅配便送り状(伝票)の読み取り

  • 読み取り結果の確認・修正

この仕組みは、電子帳簿保存法での電子保存の申請を行い、2019年1月に承認された
この仕組みにより以下のような効果が得られた。

  1. 宅配便の送り状(伝票)の法定での紙での保存期間が10年から1年に短縮された。その結果、今後、保存にかかるコスト、工数が大幅に削減される。(承認される以前のものは10年保管のため、今後徐々に保管場所が削減できる。)
  2. 「お問い合わせ送り状番号」等がシステム内に取り込まれているため、出荷、および配達状況の確認問い合わせに対して、即時に回答することができるようになった。
    当社では、問い合わせの対応の仕組みとしてBIダッシュボード「MotionBoard」を利用しており、「お問い合わせ送り状番号」等から宅配事業者の荷物の問い合わせのホームページにリンクしており、ワンクリックでその画面を呼び出すことができるため、お問い合わせいただいた方をお待たせすることなく宅配便の状況を確認して、直ぐにお伝えできるようになった。
    出荷状況の確認画面(BIダッシュボード「MotionBoard」を活用)
  3. また、文書データ活用ソリューション「SPA」とも連携しており、原本を画面に表示し、受領印の日時や担当者を即時に確認することで、問題発生時の対応を迅速に行うことができるようになった。
  4. さらに、基幹業務システム(GRANDIT)だけでなく、管理会計の仕組み(Dr.Sumで構築)にもデータ連携しており、管理会計分析から、出荷の明細、そして宅配便の送り状の原本まで、シームレスに確認することができる。その結果、内部監査、外部監査にもスムーズに対応できるようになった。
  5. 問い合わせや、問題発生時など確認が必要な際にも過去の宅配便送り状(伝票)の原本の確認が不要となった。これまでは、バインダーに日別に保管している宅配便送り状(伝票)から手作業で探し出し、内容を確認する必要があったがその作業がなくなった。
「SPA」で電子化された宅急便の送り状(伝票)を管理

など、保管に係るコストや工数が大幅に削減できたこと、お客様からの問い合わせに対し、即時に対応することで、対応レベルが格段に向上したこと、そして何よりも無駄な作業がなくなったことで、働き方改革につながった。
また、単に紙を減らすだけではなく、紙保管より業務の効率化が実現し、お客様へのサポートレベル向上につながるという「価値あるペーパーレス化と働き方改革」が実現できた。 更に、今後は出力する紙そのものを減らすことでのCO2削減、CSRやSDGsの活動につなげていく予定だ。

筆者:ウイングアーク1st株式会社 小島薫

技術本部 製品管理部 リリースマネジメントグループ一同
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