申込書とは?
申込書とは、商品購入やサービス利用など、契約締結に向けた申し込みの際に作成・提出する書類のこと。主に、契約締結の前に審査・承認などのステップを挟むケースで用いるのが一般的です。身近な例で言えば、保険に加入する際や銀行などの金融機関にローンを申し込む際、不動産賃貸を申し込む際などが申込書の利用シーンとして挙げられます。
申込書の役割
申込書の主な役割として、商品購入やサービス利用などを行う意思表示の意味合いがあります。契約締結を希望する意思を示すことで、売手側が契約締結に向けた審査・承認といった手続きに進むことができます。
申し込みを行ったという客観的証拠を残すことも、申込書の役割だと言えます。法律上、契約締結に向けた申し込みは口頭でも行えます。しかし、口頭での申し込みは、あとから申し込みをした、あるいは申し込みをされた事実を証明することが困難です。無用なトラブルを避けるためにも、申込書を作成・提出するケースが多々あるのです。
契約書との違い
申込書と混同しやすい文書として、契約書を挙げることができます。
どちらも契約に関わる文書ではありますが、厳密には異なる用途で用いられます。
申込書は契約成立前の意思表示や情報提供を目的としており、基本的には買手側が単独で作成し、売手側に提出する文書です。一方の契約書は契約の成立を証明することが目的であり、当事者間で合意した契約内容を取りまとめるため、基本的には共同で作成して相互に保管します。
申込書の主な記載項目と書き方
申込書の記載項目は種類や用途によって異なりますが、共通する項目も存在します。
ここでは、種類や用途を問わず記載すべき項目と書き方のポイントを紹介します。
申込年月日
申込書には、申し込みを行う日付(年月日)を記載します。
申込年月日が記載されていないと、「いつ提出されたのか」「いつまでに処理しなければならないのか」などが不明確になってしまい、トラブルにつながりかねません。
申込書を提出する側も受け取る側も、申込年月日が記載されているか必ず確認するようにしましょう。
申込者の情報
申込書の必須項目として、申込者に関する情報が挙げられます。
記載する情報の種類は申込書の用途によって異なりますが、一般的には氏名や住所、電話番号、メールアドレスなどが挙げられます。また、申込者の情報とは別に、署名捺印の欄が設けられているケースもあります。
宛先の情報
申込書には、宛先(申し込み先)情報も記載するのが一般的です。
申込書を受け取る側が書式・テンプレートを用意している場合、自社の情報を忘れずに盛り込みましょう。
申し込み内容
申込書には、申し込み内容が欠かせません。
「何を申し込んだのか」という情報に齟齬が生まれないよう、明確かつ簡潔に記載する必要があります。また、申し込みの内容にいくつかのパターン・コースがある場合には、選択形式の書式にすることで記入ミスのリスクを軽減することが可能です。
申込書を電子化するメリット
申込書の運用を効率化するには、電子化が効果的です。
たとえば、紙で収集した申込書をテキストデータ化したり、申込書の作成や送受信を電子化したりすることで、業務効率化をはじめとした多くのメリットを享受することができます。
次は、申込書を電子化することで得られるメリットについて見ていきましょう。
申込書の発行・送受信を効率化
申込書の電子化により、発行や送受信を効率化することが可能です。
紙ベースで申込書を運用している場合、申込書を書面で発行・印刷して顧客に送付したり、記入後の申込書を回収したりする手間が生じます。
申込書は信書にあたるため郵送が基本となりますが、発行から顧客の手元に届くまで、あるいは記入後の申込書が自社に届くまでにタイムロスが発生してしまいます。記入ミスなどで再発行が必要になれば、さらに時間が掛かってしまうでしょう。
一方、申込書を電子データとして発行すれば、タイムロスなく効率的に送受信することが可能です。もしも記入内容に誤りがあった場合にも、速やかに再発行・修正を行うことができるでしょう。
後続業務の効率化とミス防止
申込書を電子化することで、後続業務を効率化したり、人的ミスを防止することが可能です。
紙ベースの申込書の場合、記入内容を手作業で業務システムに入力する手間が発生します。とくに大量の申込書を処理する場合などは、担当者に負担が集中してしまったり、入力ミスが発生したりする可能性が高まります。
一方、申込書を電子データで受領、あるいは紙の申込書をOCRでデータ化することで、コピー&ペーストして効率的にシステムへと転記したり、RPAツールを介して入力を自動化したりすることが可能です。1件1件手作業で入力するよりも圧倒的に正確かつ効率的と言えるでしょう。
紙にまつわるコスト削減
申込書の電子化は、紙にまつわるコスト削減にもつながります。
紙ベースでの申込書運用は、紙の印刷コストや郵送コストだけでなく、一定期間保存するためのファイルやキャビネット、書庫といった保管コストも発生します。また、基本的に申込書は印紙税法上の課税文書に該当しませんが、内容によっては契約書などの課税文書と見なされ、収入印紙の貼付が必要になるケースもあります。
申込書を電子データとして発行・授受する場合、印刷や郵送、保管のためのコストや印紙代がかかりません。さらに、先述した業務効率化の効果により、人的コストも節約することができるでしょう。
申込書の電子化を実現するソリューションは?
次は、申込書の電子化を実現するソリューションとして、ウイングアークが提供するデジタル帳票基盤をご紹介します。
ウイングアークのデジタル帳票基盤は、申込書などのデジタル帳票の設計・出力やデータ化、法令に基づく一元管理、顧客・取引先への配信・受領まで、一気通貫で実現します。
では、デジタル帳票基盤を構成する「SVF Cloud」と「invoiceAgent」シリーズの各製品の特徴を見ていきましょう。
申込書の設計・出力を叶える「SVF Cloud」
「SVF Cloud(エスブイエフ クラウド)」は、申込書を含むあらゆる文書の設計・出力を実現するソリューションです。
ノーコードの帳票設計ツールを搭載しているので、自社の用途に合った申込書を設計したり、既存の申込書を再現したりするのも、専門的な知識不要で簡単に行えます。業務システムやアプリケーションとのデータ連携・マッピングにより、作成を効率化・自動化することも可能です。
また、プリンターでの印刷はもちろん、PDFなどの電子ファイルとしての出力や、メールやFAXでの配信などにも対応しているので、自社の業務プロセスに合わせて最適な出力方式を選択できるのもポイントです。
紙の申込書をデータ化するなら「invoiceAgent AI OCR」
「invoiceAgent AI OCR(インボイスエージェント エーアイ オーシーアール)」は、顧客から回収した申込書をはじめ、紙で受領した帳票のデータ化を実現するソリューションです。
高精度な複数のOCR/AI OCRエンジンを搭載しており、読み取り文書の種類や様式、活字か手書きかといった特徴に応じて適切なOCR/AI OCRエンジンを選択できます。1つの読み取り文書に対して複数のOCR/AI OCRエンジンによる処理を実行し、結果を比較することも可能です。
また、読み取り文書の歪みや傾きを自動補正する機能を備えているので、認識率の低下を防ぎつつ効率的な文書のデータ化を実現します。
法令に基づく文書データの一元管理なら「invoiceAgent 文書管理」
「invoiceAgent 文書管理(インボイスエージェント 文書管理)」は、あらゆる帳票データの一元管理を実現するソリューションです。
「SVF Cloud」や「invoiceAgent」製品で出力・データ化した帳票はもちろん、他システムで出力した帳票もまとめて取り込み、指定したルールに基づき自動で仕分け・保存を実行。
保存された帳票は、さまざまな条件で検索・参照することができ、電子帳簿保存法で求められる検索要件にも対応可能です。
また、文書の保存期間に応じた自動削除機能や、改ざんなどの不正防止・検知に役立つ証跡管理機能なども備えているので、申込書を含む各種文書のライフサイクルを安全かつ効率的に管理することができるでしょう。
文書データの配信・受領なら「invoiceAgent 電子取引」
「invoiceAgent 電子取引(インボイスエージェント 電子取引)」は、申込書などの文書データの配信・受領をWeb上で完結するソリューションです。
PDF形式の文書データをアップロードするだけでWeb配信することができ、PDFに変換前のCSVデータを所定フォルダにアップロードすることでPDFに変換することも可能です。
また、顧客や取引先から発行・返送される文書も、「invoiceAgent」にアップロードしてもらうだけで受領できます。
さらに、デジタルインボイスの規格である「Peppol」経由のデータ送受信に対応しており、受領した適格請求書のデータ化や適格請求書発行事業者の登録確認もできるので、インボイス制度への対応にも有効です。
ウイングアーク製品で申込書を電子化した事例
最後に、ウイングアーク製品を利用して申込書を電子化した事例をご紹介します。
申込書などの作成時間を600分の1に短縮(サポーターズ)
株式会社サポーターズは、「SVF Cloud」の導入により申込書などの帳票作成時間を従来の600分の1まで短縮しました。
同社では従来、Salesforceに入力したデータを元に、個々の担当者がExcelを使って請求書や申込書などの帳票を手作業で作成していました手作業で行われる帳票作成は負担が大きく、フォーマットがバラバラなため後工程の負荷も高い状態でした。
そこで同社は、Salesforceに入力したデータを基に帳票出力する仕組みを構想し、検討の末「SVF Cloud for Salesforce」の導入に至りました。
「SVF Cloud for Salesforce」の導入後、現場担当者がExcelなどを使って個別に作成していた申込書などの帳票を1クリックで出力できる仕組みが完成。これまで10分かかっていた作業が1秒に短縮されるなど、現場担当者が直接的にメリットを実感したことで、Salesforceの定着にもつながっています。
▼事例詳細はこちら
株式会社サポーターズのSVF Cloud導入事例をもっと見る
申込書などの手書き帳票をAI OCRでデータ化(SBIいきいき少額短期保険)
SBIいきいき少額短期保険株式会社は、「invoiceAgent」を導入して申込書などの帳票データ化を実現し、大幅な業務効率化を達成しました。
同社では、資料請求を受けた際の申込書や契約締結時の保険証券など、顧客との間でさまざまな帳票をやりとりする必要があり、それら帳票の出力件数は年間50万枚にも上ります。そこで同社は、帳票の出力処理に「SVF Cloud」を採用することで、帳票管理に置ける運用コストの低減を実現しました。
さらに同社は、次なるステップとして帳票のインプット部分の改善に着手。顧客から返送される申込書などの手書き帳票を「invoiceAgent」のOCR/AI OCR機能でデータ化し、あらかじめ設定してあるキー項目に該当するデータをSalesforceに自動入力する仕組みを構築しました。
これにより、目視と手作業で行っていたデータ入力の負担が大幅に軽減され、「invoiceAgent」導入にかかった投資額の3倍に相当するコスト削減効果を見込んでいます。
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SBIいきいき少額短期保険株式会社のSVF Cloud・invoiceAgent導入事例をもっと見る
まとめ
今回は、申込書の基礎知識から電子化のメリット、実現方法について紹介しました。
申込書を電子化することで、紙ベースの運用よりも業務の効率や正確性を高め、データ活用を高度化することが可能です。
そして、申込書の運用を電子化するソリューションが、ウイングアークが提供する「invoiceAgent」と「SVF Cloud」です。申込書の電子化を検討中の方は、お気軽にウイングアークにご相談ください。