日報とは?
日報とは、日々の業務内容や進捗、成果、課題、所感などを記録し、上司やチームメンバーに報告・共有するための文書です。
日報は報告内容や用途によってさまざま種類があり、個々人の業務進捗を報告する業務日報のほか、営業日報や店舗営業日報、製造日報、工事日報などが代表的です。また、1日単位の報告が日報ですが、1週間単位の週報、1ヶ月単位の月報なども存在します。
単なる業務記録としてのみならず、従業員の成長や組織の発展を促すための重要なコミュニケーションツールとして、多くの企業で活用されています。日報の主な役割としては、以下を挙げることができます。
- 業務の可視化と進捗管理:誰が、いつ、どのような業務を行ったかを明確にし、プロジェクト全体の進捗状況を把握します。遅延や問題の早期発見にもつながります。
- ノウハウ・ナレッジの共有:成功事例や失敗から得た学び、顧客からのフィードバックといった貴重な情報を組織全体で共有し、属人化を防ぎます。これにより、組織全体の業務品質向上に貢献します。
- 人材育成:作成者は一日の業務を振り返ることで、自身の課題や目標が明確になります。一方、上司は日報を通じて部下の状況を把握し、的確なアドバイスやフィードバックを行うことで、部下の成長をサポートできます。
- コミュニケーションの活性化:日報を介して上司と部下、あるいはチームメンバー間でのコミュニケーションが生まれます。これにより、互いの状況を理解し、協力体制を築きやすくなります。
日報の運用でよくある課題
次は、日報の運用でよくある課題について、作成者側・管理者側の視点で見ていきましょう。
作成者(報告者)側の課題
作成者側の課題として、日報を作成・提出する手間が挙げられます。
一般的に、日報はその日の終わりに業務を振り返りながら作成するため、時間がかかり残業の原因になることもあります。
また、紙の日報の場合、提出のためだけに帰社する必要があったり、Excelの場合でも会社PCでしか作成・提出できなかったりと、場所的な制約が負担になりがちです。直行直帰やテレワークといった多様な働き方に対応しにくい点も課題です。
管理者側の課題
日報を受け取る管理者側のよくある課題として、確認とフィードバックの負担を挙げることができます。従業員から提出される多数の日報に目を通したり、場合によっては一人ひとりにフィードバックを行うのは大きな負担となります。また、情報活用の難しさもよくある課題です。とくに、紙ベースの日報は後から探し出すのが非常に困難です。Excelの場合も、ファイルが個人や部署ごとに散在し、横断的な検索やデータ分析が難しいという問題があります。これでは、せっかくの情報も「埋もれた資産」となってしまいます。
さらに、保管と管理のコストも課題になりがちです。紙の日報は、保管するための物理的なスペースが必要で、紛失や情報漏洩のリスクも伴います。
これらの課題が積み重なることで、日報は「ただ提出することが目的」となり、本来の価値を発揮できない形骸化した状態に陥ってしまいやすいのです。
日報を電子化するメリットは?
日報の運用における多くの課題は、「電子化」によって解決できる可能性があります。
ツールやシステムを使って日報を電子化することで、業務効率化や情報共有の活性化など、企業に多くのメリットをもたらします。具体的にどのようなメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。
業務効率の向上
日報を電子化することで、業務効率化の効果が見込めます。
スマートフォンやタブレットに対応したツールなら、移動中や外出先からでも隙間時間を使って日報を作成・提出できます。時間と場所を選ばず日報を作成・提出できるので、「日報提出のために帰社する」といった無駄がなくなり、直行直帰やテレワークもスムーズになります。
また、利用するツール・システムによっては、入力を効率化する機能が備わっている場合もあり、日報作成の負担を軽減できるでしょう。さらに、ペーパーレス化によるコスト削減効果も見込めます。紙や印刷、インクにかかる費用はもちろん、ファイルを保管するためのキャビネットや倉庫といった物理的なスペースも削減できるでしょう。
情報共有の活性化とナレッジの蓄積
情報共有の活性化とナレッジの蓄積も、日報を電子化するメリットと言えます。
日報を電子データとして扱うことで、速やかに関係者に報告・共有することが可能です。関係者はリアルタイムで進捗状況を把握でき、問題が発生した際にも迅速に対応できます。
また、電子化された日報は、キーワードや期間、担当者などで簡単に検索できます。蓄積された日報データを集計・分析することで、個人の業務傾向やチーム全体の課題を客観的に可視化でき、改善につなげることが可能です。
管理の効率化とセキュリティの強化
電子化された日報は、紙やExcelの日報に比べて提出状況を把握しやすいという利点があります。
また、紙ベースで日報を管理している場合、紛失や盗難、第三者による盗み見などの不正に対し物理的な対策を講じる必要がありますが、日報管理を電子化していれば閲覧権限の柔軟なコントロールが可能です。
日報の電子化を実現するソリューションは?
次は、日報の電子化を実現するソリューションとして、ウイングアークの「SVF Cloud」と「invoiceAgent」をご紹介します。
デジタル帳票の設計・出力なら「SVF Cloud」
「SVF Cloud」は、あらゆるデジタル帳票の設計・出力を叶えるソリューションです。
ノーコードの帳票設計ツールを搭載しているので、自社の要望に沿った帳票を設計したり、既存の帳票フォーマットを再現したりすることが簡単に行えます。他システム・ツールとデータ連携・マッピングすることで、帳票作成を効率化することも可能です。
さらに、作成した帳票はさまざまな形式で出力できます。プリンターでの印刷はもちろんですが、PDFなどの電子ファイル形式での出力や、FAX・メールでの配信などにも対応しているので、自社の業務環境にとって最適な方法を選択可能です。
紙帳票のデータ化なら「invoiceAgent AI OCR」
「invoiceAgent AI OCR」は、紙媒体で保存している帳票のデータ化を実現するソリューションです。
高精度な複数のOCR/AI OCRエンジンを搭載しており、読み取り文書の種類や特徴に応じて最適なOCR/AI OCRエンジンによる処理を実行することが可能。複数のOCR/AI OCRエンジンで並行処理を行い、結果を比較することもできます。
読み取り文書の歪みや傾きを自動補正する機能も備わっているので、認識率の低下を防ぎつつ効率的にデータ化を推進することが可能です。
デジタル帳票の一元管理なら「invoiceAgent 文書管理」
「invoiceAgent 文書管理」は、あらゆるデジタル帳票の一元管理を叶えるソリューションです。
「SVF Cloud」や「invoiceAgent」で出力・データ化した帳票はもちろん、他システムで出力した帳票もまとめて取り込み、規定したルールに基づき自動で仕分け・保存を実行します。保存したデータはさまざまな条件で検索することができ、過去の日報などのデータも必要に応じて速やかに参照することができます。
閲覧権限の設定や証跡管理も行えるので、安全かつ効率的に文書のライフサイクルを管理することができるでしょう。
「invoiceAgent」で日報を電子化した事例
最後に、「invoiceAgent」を活用して日報の電子化を推進した事例をご紹介します。
FAXで送られてくる営業日報をデータ化(将軍ジャパン)
株式会社将軍ジャパンは、各店舗からFAXで送られてくる営業日報をスムーズに基幹システムに取り込み、効率的に処理できる仕組みを「invoiceAgent」を活用して構築しました。
同社には、FCを含む約200店舗からFAXで送られてくる営業日報の金額と、POSから上がってくる金額を突合する作業が存在します。この突合作業において、AI OCRで営業日報の売上金額を読み取り、RPAツールでPOSデータと自動突合できる仕組みを構築するなど、同社では以前よりIT活用による成果を得ていました。
そうしたなか、改正電子帳簿保存法やインボイス制度への対応を機に、同社は「invoiceAgent 文書管理」の導入を決定。加えて、「invoiceAgent AI OCR」であれば、従来利用していたAI OCRよりも多機能で、コストもほとんど変わらないことから、営業日報の突合業務におけるAI OCRのリプレイスも実施することとなりました。
「invoiceAgent」の導入後、AI OCRでデータ化した営業日報をRPAツールで自動突合し、問題がなければ「invoiceAgent」に保管される仕組みが完成。「invoiceAgent AI OCR」へのリプレイスについて担当者は「以前よりも使いやすくなった」と評価し、「経理になくてはならないシステム」と位置付けています。
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株式会社将軍ジャパンのinvoiceAgent導入事例をもっと見る
毎月約7,000枚の月報兼請求書を電子化(ロジクエスト)
株式会社ロジクエストは、「invoiceAgent」を導入して月報兼請求書を電子化し、電子帳簿保存法への対応を推進しました。
同社は全国5,500以上の委託ドライバーや協力会社を抱えており、毎月約7,000枚の月報兼請求書が各支店へと送られてきます。これらの月報は倉庫で保管しており、管理ルールは各支店でバラバラな状況でした。そのため、過去の書類が必要になった際、探し出すのが難しく、原本の所在がわからないことや、取り寄せに数日かかってしまうケースも発生していました。
そこで同社は、電子帳簿保存法に対応する形での電子化を目指し「invoiceAgent」の導入を決定。導入後、FAXで送られてくる月報兼請求書をOCR機能でデータ化し、タイムスタンプを付与した状態で保存する仕組みが完成しました。
印刷量や用紙の発注量が減るなどペーパーレス化の効果が表れつつあるほか、荷主企業からドライバーの過去の日報の確認依頼が来た際の対応の効率化にも成果を得ています。
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株式会社ロジクエストのinvoiceAgent導入事例をもっと見る
まとめ
本記事では、日報の基礎知識やよくある課題、電子化のメリットについて解説しました。
日報は適切に運用することで、単なる業務記録としてのみならず、従業員の成長や組織の発展を促すための重要なコミュニケーションツールとして機能します。
そして、日報の運用を効率化する方法のひとつが電子化です。日報の運用に課題を感じている方は、記事内でご紹介したウイングアークのソリューションによる日報の電子化を検討してみてはいかがでしょうか。