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領収書のメール送付はOK?添付ファイルの形式やメール本文の書き方を解説!

帳票の基礎知識作成日:2022.12.23 更新日:2024.02.08

企業間取引のなかで目にする機会が多い帳票に、「領収書」があります。
ペーパーレス化が進む昨今、帳票をメールで送付するケースも増えてきましたが、
「領収書をメールで送付するのはOK?」
「メール本文の書き方や添付ファイルの形式は?」
「領収書のメール送付にデメリットはある?」
といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、領収書をメール送付することの可否や送り方、メリット・デメリットについてわかりやすく解説します。
メール送付のデメリットを解消する具体的なソリューションについても紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

【経理担当必見】帳票の役割と電子化のポイント

・どの帳票がどの場面で必要なのか整理したい
・紙ベースで処理している帳票を電子化して、業務を効率化したい
こんな課題を抱える経理担当者の方へ、経理部門が関わることの多い帳票の役割と、電子化する際のメリットやポイントをわかりやすく解説します。

領収書をメールで送ることは可能?

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結論から述べると、電子データ化した領収書をメールに添付して送付することは法律上問題ありません
従来、領収書は紙媒体で発行することが一般的でしたが、ペーパーレス化の浸透やDXの活発化により、領収書を電子データとして発行するケースは増えつつあります。

まずは、領収書をメール送付する場合に覚えておきたい基礎知識を確認していきましょう。

電子帳簿保存法への対応が必要

領収書データをメールに添付して送付する方法は、電子帳簿保存法における「電子取引」に該当します。
電子帳簿保存法とは、国税関係帳簿書類の全部または一部を電子データとして保存することを認める法律で、領収書もその対象書類のひとつです。
そのため、領収書データをメールで送付したり保存したりする場合は、電子帳簿保存法で定められている電子取引要件に対応する必要があります。

なお、従来は電子取引で受け取った帳票データを紙媒体に出力して保存する「紙の保存に替える措置」が認められていました。
しかし、2022年1月に施行された改正により、「紙の保存に代える措置」が原則禁止となっています。

2023年12月31日までは宥恕措置が、2024年1月以降も猶予措置が設けられているものの、メールで受け取った領収書データを紙に出力して保存する運用をしている場合は、電子データのまま保存できるよう運用方法を見直すことをおすすめします。

取引先の了承は必須

電子データとして領収書を送付する企業が増えつつありますが、従来通り紙の領収書を必須としている企業は依然として多く存在します。
とくに領収書は、社内規定で「印紙が貼り付けてあるもの」「相手先の印鑑のあるもの」などの社内ルールを設けている企業も多くあります。
そのため、メール送付への切り替えを予定している旨を取引先に周知し、事前に取引先の了承を得ておく必要があります。
取引先が書面での送付を希望する場合には、無理強いせずに書面での送付を継続するなど、柔軟な対応を心掛けましょう。

メール送付する場合の領収書の記載事項やファイル形式

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次は、メールで送付する場合の領収書の記載項目や、印鑑や収入印紙の有無、添付する領収書データのファイル形式について確認していきましょう。

メール送付する領収書の記載項目

領収書をメールで送る場合であっても、基本的に紙の領収書と記載項目は同じです。
領収書に記載する事項は以下の通りです。

  • 発行者の氏名または名称
  • 取引年月日 
  • 取引内容(但し書き)
  • 金額 
  • 宛名

発行者の氏名または名称

会社名(店名)や氏名など、領収書を発行する者の名前を記載します。
税法上では必須項目ではありませんが、住所や電話番号もあわせて記載するのが一般的です。

取引年月日

商品やサービスの取引があった年月日を記入します。
西暦・和暦のどちらでも問題ありませんが、社内で表記ルールを統一することが好ましいです。

取引内容(但し書き)

取引内容には、販売した商品名やサービス名をわかりやすく記載します。
複数商品を販売した場合は、そのうち一番金額が大きい商品名を記述し、「他」と付け足しても大丈夫です。
ただし、「お品代」は具体的ではないため、不正を疑われるケースもあるので注意しましょう。電子発行の際には、取引商品名だけでなく商品コードや取引番号を記載するなど、情報を詳細に記載するとわかりやすいです。

金額

販売した商品・サービスの税込金額を記載します。
必須ではありませんが、金額の先頭には「¥」や「金」、末尾には「-」や「也」を付け、さらに桁区切りとして「,」(カンマ)を付けるのが一般的です。

宛名

宛名として取引先(料金を支払った側)の企業名や氏名を記載します。
宛名は正式名称で記載し、企業名の場合は「御中」、個人名の場合は「様」を敬称として付けましょう。

印鑑や収入印紙の有無について

領収書をメールで送付する場合、印鑑や収入印紙の必要性について気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

まず印鑑についてですが、そもそも領収書への押印は法的に義務付けられているものではなく、メールで送付する場合も印鑑は必須ではありません。

また、紙の領収書の場合、売上金額が5万円(税別)以上であれば収入印紙の貼付が必要になりますが、電子データとしてメール送付する場合には収入印紙の貼付が不要です。

メール送付する領収書のファイル形式

領収書データをメールに添付して送付する場合、ファイル形式に注意が必要です。
Excel(エクセル)などで作成した領収書データをそのまま添付するのではなく、PDF形式で出力して添付する方法が一般的です。
Excel形式のまま送付してしまうと、記載内容を容易に書き換えることができてしまい、領収書の原本性を担保することができません。
一方PDFであれば、容易に改ざんすることができないため、Excel形式よりも不正リスクを軽減することが可能です。

また、紙で出力した領収書をスキャンしてPDF化する方法もあります。
ただし、一旦印刷してスキャンする手間がかかってしまうほか、領収書をまとめてスキャンすると1つのPDFファイルとして出力されてしまう場合があるため、取引先ごとに領収書データを分割する手間が発生してしまいます。

領収書を送るメール本文の書き方(例文)

領収書をメールで送付する場合、メール本文が送付状のような役割を果たします。
以下は、領収書をメールに添付して送付する場合の例文です。

<件名>
領収書送付のご連絡(〇〇株式会社)

<本文>
〇〇株式会社(※相手先の会社名)
〇〇部(※担当部署名)
〇〇様(※担当者名)

平素より格別のお引き立てをいただき御礼申し上げます。
〇〇株式会社(※自社名)の〇〇(※自分の名前)と申します。
「〇〇(※案件名)」のお支払いに関して、〇月〇日付でお振込を確認いたしました。
領収書を添付させていただきますので、ご査収のほどよろしくお願いいたします。

添付ファイル名:〇〇〇〇.pdf

ご不明点や添付ファイルを開封できない等の不都合がございましたら、
お手数ではございますがご一報いただければと存じます。

何卒よろしくお願い申し上げます。

領収書をメールで送るメリット・デメリット

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領収書をメールで送ることで、以下のようなメリットが期待できます。

  • コスト削減
  • テレワーク推進

また一方で、領収書のメール送付には以下のようなデメリットも存在します。

  • 作業工数の増加
  • セキュリティ上のリスク

次は、領収書をメール送付することのメリット・デメリットについて確認していきましょう。

領収書をメール送付するメリット

まずは領収書をメール送付するメリットから説明していきます。

コスト削減

領収書をメールで送付するメリットとして、コストの削減を挙げることができます。
従来の書面の領収書は、発行のたびに紙代・インク代などの印刷費用が発生するほか、取引先に送付する際の封筒代や郵送費用なども発生します。
1件1件は小さなコストですが、取引が多くなるほどその負担は大きくなってしまうでしょう。

一方、領収書データをメールに添付して送付する方法であれば、書面を印刷する必要がなく、封筒代や郵送費用も不要です。
また、紙の領収書の場合、取引金額によっては収入印紙の貼り付けが必要ですが、メール送付は収入印紙の貼付が必要ありません。

テレワーク推進

領収書のメール送付は、テレワーク推進という面でも有効です。
2020年の新型コロナウイルス感染症の流行拡大により、テレワークへの移行を余儀なくされた企業は少なくありませんでした。
しかし、紙の帳票発行・郵送作業などが原因で、テレワーク中にも関わらず出社せざるを得ないという声も多く聞かれました。
領収書をメールで送付する方法であれば、PCさえあればオフィス以外の場所でも領収書を発行・送付することができるため、テレワークでも領収書の発行・送付作業を進めることができるでしょう。

領収書をメール送付するデメリット

領収書をメールで送付するデメリットについても確認していきましょう。

作業工数の増加

領収書をメールで送付することで、かえって作業工数が増えてしまうケースも存在します。
PDF化した領収書データの内容確認、PDFファイルが正しく添付されているかの確認、メール本文と宛先の確認、などが必要になります。
また、書面で領収書を郵送する取引先が残る場合、メール送付と郵送で領収書を仕分ける必要があり、すべての取引先に対して郵送する場合に比べて作業が煩雑化してしまう可能性があります。
また、後述する添付ファイルにパスワードを設定する運用方法を取る場合、パスワードの設定・管理する作業の負担も発生します。

セキュリティ上のリスク

領収書のメール送付は、セキュリティの面でもデメリットが存在します。
領収書には取引情報が含まれるため、第三者による覗き見や流出を防ぐセキュリティ対策が求められます。
添付ファイルにパスワードを設定して送る方法が考えられますが、パスワードを記載したメール自体を盗み見されてしまう可能性があるほか、メールを送る経路で悪意を持った第三者に傍受されてしまうリスクもあります。
とくに近年は、PPAP(メールでパスワード付のファイルを送信し、別メールでパスワードを送信するファイル共有方法)を廃止する方針が主流となっているため、取引先が領収書のメール送付を受け入れてくれないケースも考えられます。

システム導入でメール送付のデメリットを解消

領収書のメール送付は、コスト削減やテレワーク推進にといったメリットが期待できる一方で、かえって作業工数が増加してしまうケースや、セキュリティリスクが高まってしまうケースもあるとお伝えしました。
メール送付の課題を解消しつつ、領収書の送付作業を効率化したいと考えるのであれば、電子帳票システムの利用がおすすめです。

次は、電子帳票システムを利用するメリットと選定時のポイントを紹介します。

電子帳票システムを利用するメリット

電子帳票システムとは、帳票にまつわる業務を電子化するシステムのことで、帳票データの送受信(電子取引)を得意とするサービスも存在します。
電子帳票システムを利用することで、紙運用で発生するコストを削減できるほか、テレワークでの領収書発行・送付が可能になります。

また、システム連携や郵送サービスなどを利用することで業務効率化を図ることができ、改ざん防止機能や証跡管理機能によってセキュリティ・ガバナンスを強化することもできます。
そのため、領収書発行を電子化するメリットを享受しつつ、メール送付のデメリットを解消することが可能です。

さらに、電子帳簿保存法の要件を満たすソフトウェアに与えられる「JIIMA認証」を取得しているサービスであれば、電子帳簿保存法へのスムーズな対応も実現できるでしょう。

送受信だけでなく管理も電子化できるかどうかが鍵

電子帳票システムを導入する際は、送受信だけでなく帳票データの管理も行えるかを確認することをおすすめします。

ウイングアーク1stが2023年4月に実施した「企業間取引の電子化に関する実態調査」によると、電子帳票の保管・管理と受け取りで異なるツールを利用している人のうち、じつに90.8%の人が「業務効率が悪い」と実感しており、76.6%(前年比120.4%)が情報漏洩リスクの高まりを懸念していることが報告されています。

そのため、現在は領収書の送付だけを電子化したいと考えている場合でも、将来を見据えて帳票管理も行えるシステムを選ぶことが大切だと言えます。

<調査概要>
  • 調査名:企業間取引の電子化に関する実態調査
  • 調査対象:100億円以上の売上の企業に所属する請求書関連業務に携わる会社員
  • 有効回答数:531名
    ※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
  • 調査期間:2023年4月5日〜同年4月6日

▼調査の詳細はこちら
「企業間取引の電子化に関する実態調査」を実施 | ウイングアーク1stコーポレートサイト

領収書の送受信・管理を電子化するなら「invoiceAgent」

最後に、領収書をはじめとした帳票の送受信・管理を電子化する具体的なソリューションとして、ウイングアーク1stが提供する「invoiceAgent(インボイスエージェント)」を紹介します。

「invoiceAgent」は、公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会による「JIIMA認証」を取得している、電子帳簿保存法の法的要件に対応する電子帳票プラットフォームです。

では、「invoiceAgent」の特徴を見ていきましょう。

領収書の送受信を電子化する「invoiceAgent 電子取引」

「invoiceAgent 電子取引」は、企業間取引文書の送受信を電子化するソリューションです。
PDFファイルをアップロードするだけで帳票を送受信することができ、送る側・受け取る側のどちらも電子帳簿保存法に対応することが可能です。
取引先ごとに私書箱が設置され、複数の取引先とのやり取りを「invoiceAgent 電子取引」上で行うことができます。
また、領収書だけでなく企業間で交わされるさまざまな帳票を「invoiceAgent 電子取引」で送受信できるので、企業間取引の効率化・迅速化に効果が期待できます。

文書データの一元管理なら「invoiceAgent 文書管理」

「invoiceAgent 文書管理」は、文書データの一元管理を実現するソリューションです。
「invoiceAgent」や他システムで出力・作成した文書データをまとめて取り込み、指定したルールに基づき自動で仕分け・保存を行います。
もちろん、取引先からメールで送られてきた領収書データを取り込み、仕分け・保存することも可能です。
保存した文書データは、高度な検索機能で速やかに参照・出力することができ、取引先や社内からの問い合わせ、監査対応の効率化・迅速化につなげることができます。
さらに、文書の保存期間に応じた自動削除機能や、改ざん防止に役立つ証跡管理機能も備えているので、効率的かつ安全に文書管理を行うことができるでしょう。

まとめ

今回は、領収書のメール送付について紹介してきました。
領収書のメール送付は、コスト削減やテレワーク推進といったメリットが期待できる一方で、作業工数の増加やセキュリティ上のリスクといったデメリットをもたらす可能性があります。

「invoiceAgent」であれば、メール送付の欠点を解消しつつ、領収書発行・送付・管理を効率化することが可能です。
領収書発行・送付・管理の作業効率に課題を感じている方は、今回ご紹介した情報も参考に「invoiceAgent」で企業間取引の電子化に着手してみてはいかがでしょうか。

【経理担当必見】帳票の役割と電子化のポイント

・どの帳票がどの場面で必要なのか整理したい
・紙ベースで処理している帳票を電子化して、業務を効率化したい
こんな課題を抱える経理担当者の方へ、経理部門が関わることの多い帳票の役割と、電子化する際のメリットやポイントをわかりやすく解説します。

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