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PDFの見積書は有効?見積書を電子化する方法やメリットを解説!

帳票の基礎知識更新日:2024.08.01

商取引では、正式な受発注の前に見積書を発行するケースが多々あります。
ビジネスシーンのペーパーレス化が活発化している今、見積書をPDF化したいと考えている企業も多いのではないでしょうか。

しかし一方で、
「PDF形式の見積書は有効なの?」
「見積書をPDF化する方法は?」
「見積書をPDF化するメリットは?」
といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

この記事では、見積書をPDF化することの有効性や方法、メリットについてわかりやすく解説します。
PDF化した見積書の運用を効率化するソリューションも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

ペーパーレス化を実践する3つのステップとは?

業務効率化・テレワーク実現に向けて、まず取り組むべき「ペーパーレス化」。
・ペーパーレス化により業務を効率化しテレワークを促進したい
・ペーパーレス化を実践するための手順が知りたい
こんな課題がある方へ、ペーパーレス化を実践するための3つのステップを解説します。

見積書のPDF化にまつわる疑問

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見積書のPDF化に際して、以下のような疑問を抱く方は少なくありません。

見積書のPDF化でよくある疑問
  • PDF形式の見積書は法的に有効?
  • PDF形式の見積書に印鑑は必要?
  • PDF形式の見積書の保存方法は?
  • PDF形式の見積書の記載項目は?

まずは、見積書のPDF化にまつわるよくある疑問について解説していきます。

PDF形式の見積書は法的に有効?

そもそも、PDF形式の見積書に法的効力はあるのでしょうか。
結論から述べると、見積書はPDF形式で発行しても問題ありません。

じつは、見積書の発行は法的に義務付けられているものではなく、見積書を発行することなく商取引を開始するケースもあります。
そのため、紙媒体の見積書でも、PDF化した見積書データであっても、法律上の有効性は同等だと言えます。

PDF形式の見積書に印鑑は必要?

見積書には、社印(角印)や担当者印を押すのが一般的ですが、見積書への押印は法的に義務付けられているものではありません。
ただし、見積書への押印は商習慣として広く普及しており、社内ルールとして見積書への押印を義務付けている企業もあります。
PDFの見積書に押印する場合には、印影を画像化した電子印鑑を使用する方法が一般的です。

以下の記事では電子印鑑の概要や効力、注意点などを紹介しています。あわせてご確認ください。

PDF形式の見積書の保存方法は?

見積書の発行は義務ではないものの、発行した場合には原則7年間の保存が必要になります。
取引先から受領した見積書の原本、または自社で発行した見積書の控えは、紙媒体での保存が原則とされています。
ただし、電子帳簿保存法の要件を満たすことで、電子データとして保存しておくことが可能です。

以下の記事では、電子帳簿保存法の概要や対応方法について解説しているので、あわせてご確認ください。

PDF形式の見積書の記載項目は?

紙媒体・PDF形式を問わず、見積書には決まったフォーマットが存在しません。
一般的に、見積書には以下のような項目を記載します。

  • 交付を受ける事業者の氏名または名称
  • 発行日
  • 納品物の詳細
  • 見積金額
  • 納期
  • 有効期限
  • 発行者の氏名または名称

見積書の記載項目や作成のポイントについては以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご確認ください。

見積書をPDF化する方法

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見積書をPDF化するには、主に以下2通りの方法があります。

  • Excelなどで作成した見積書をPDF形式で発行する方法
  • 紙の見積書をスキャンしてPDF化する方法

それぞれの方法について、詳しく確認していきましょう。

Excelなどで作成した見積書をPDF形式で発行する方法

Excel(エクセル)や他システムを使って見積書を作成している場合、出力方式を書面印刷からPDF形式に変更することが可能です。
Excelの場合、以下の手順で見積書をPDF形式で出力することができます。

  1. Excelで作成済みの見積書ファイルを開く
  2. 画面左上部にある「ファイル」をクリック
  3. 画面左にあるエクスポートをクリックし、「PDF/XPSの作成」をクリック
  4. PDFファイルの保存場所とファイル名を決定し、「発行」をクリック
  5. 作成した見積書のPDF出力が完了

専用のシステムで見積書をプリントアウトする仕組みの場合、システム側の出力設定をPDF形式に変更します。
現場の担当者では出力設定を変更できない仕様の場合、情報システム部門などで出力設定を変更してもらいましょう。

なお、PDFに変換した見積書データがExcelや専用システムと異なるケースも考えられるため、出力したPDFファイルを開いて正常に表示されているかを確認しましょう。

紙の見積書をスキャンしてPDF化する方法

取引先から受け取った紙の見積書原本や、自社で発行・保存している紙の見積書の写しをPDF化するには、スキャナやスキャン機能付きの複合機を利用します。
利用している製品によって細かな手順に違いがありますが、見積書をスキャンしてPDF化する流れは概ね以下の通りです。

  1. スキャナ・複合機にPDF化したい見積書をセット
  2. メニューから「スキャン」を選択
  3. PDFファイルの保存先を指定し、「スタート(開始)」ボダンを押す
  4. 紙の見積書のPDF化が完了

念のため、指定した保存先のPDFファイルを開き、正常に表示されることを確認しましょう。

見積書をPDF化するメリットは?

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次に、見積書をPDF化するメリットとして、以下の3点をご紹介します。

  • ペーパーコストの削減
  • 見積り業務の効率化
  • テレワークの促進
  • セキュリティ・ガバナンスの強化

各メリットについて詳しく確認していきましょう。

ペーパーコストの削減

見積書をPDF化して運用することで、ペーパーコストを削減することができます。
見積書を紙媒体で運用している場合、用紙代やインク代などの印刷コストや、取引先への郵送コスト、保管のためのスペースやファイル・キャビネットといった備品コスト、さらには保存期間を過ぎた見積書の廃棄費用など、さまざまなコストが発生します。

一方、PDF形式で見積書を運用すれば、上記のようなコストを削減可能です。
さらに、後述する見積り業務の効率化によって作業工数が短縮されれば、人的コストの削減にもつなげられるでしょう。

見積り業務の効率化

見積書のPDF化は、見積り業務の効率化につながります。
PDF形式の見積書であれば、書面に印刷する手間が不要で、社内での承認や押印、取引先への配信といった作業がPCなどのデバイス上で完結するため、効率的に見積り業務を遂行することが可能です。
取引先に届くまでのタイムラグも発生しないため、もしも見積書の再発行が必要になった場合もスムーズに対応することができます。
また、過去の見積書について参照する際も、ファイル名などで速やかに検索することができるでしょう。

テレワークの促進

見積書のPDF化は、テレワーク促進という面でも有効です。

先述の通りPDF形式の見積書であれば、印刷や社内回覧・押印、取引先への配信といった作業をPC上で完結することができるため、場所の制約がなくなります。
そのため、在宅勤務時や外出先での隙間時間などにも見積もり業務を行うことが可能になり、テレワークの導入・定着にも効果が期待できるでしょう。

セキュリティ・ガバナンスの強化

見積書のPDF化は、セキュリティ・ガバナンス強化の観点でも有効です。
先述した通り見積書には一定期間の保存期間が定められていますが、紙媒体の見積書の場合、物理的に紛失したり破損してしまうリスクがあります。
また、Excel形式で送受信している場合、容易に情報を書き換えることができるため、改ざんのリスクが高まってしまいます。

一方、PDF形式の見積書であれば、物理的に紛失・破損してしまう恐れがなく、Excel形式のように簡単に情報を書き換えることもできません。
また、パスワードを設定して第三者による盗み見を防止したり、タイムスタンプなどの技術を用いて原本性を担保することもできるので、紙やExcel形式の見積書よりもセキュリティ・ガバナンスを高めることができるでしょう。

OCRで見積書PDFの情報をテキストデータ化

PDFファイルは画像データであり、基本的には見積書PDF内の文字を自由に編集することができません。
しかし、OCR機能付きのスキャナでPDF化したり、PDFファイルにOCR処理を施すことで、見積書PDF内の情報をテキストデータとして扱うことができます

テキストデータ化することで、業務システムへの入力作業や照合作業を効率化したり、RPAツールと連携して定型作業を自動化したりできます。
AIとOCRを組み合わせた「AI OCR」であれば、活字だけでなく手書きの文字も高精度に認識することが可能です。

見積書のPDF化に加えて、OCRでテキストデータ化することにより、見積書PDFの運用をさらに効率化することができるでしょう。

PDFの見積書の運用を効率化する「SVF Cloud」&「invoiceAgent」

次は、PDF化した見積書の運用を効率化するソリューションとして、ウイングアーク1stが提供する「SVF Cloud(エスブイエフ クラウド)」と「invoiceAgent(インボイスエージェント)」をご紹介します。

「SVF Cloud」は、国内シェアNo.1(※)の帳票基盤ソリューションの機能をクラウド上で利用することができるサービス。
※デロイトトーマツ ミック経済研究所株式会社発刊 ミックITリポート2023年11月号
「帳票設計・運用製品の市場動向 2023年度版」図表2-3-1 【運用】製品/サービスのベンダー別売上・シェア推移 2022年度実績(https://mic-r.co.jp/micit/2023/)

「invoiceAgent」は、電子帳簿保存法の法的要件を満たすJIIMA認証製品で、PDFをはじめとした帳票データの送受信や一元管理、文字認識を実現します。

では、「SVF Cloud」と「invoiceAgent」の特徴を見ていきましょう。

あらゆる帳票をクラウドで出力「SVF Cloud」

「SVF Coud」は、見積書を含むあらゆる帳票をクラウドで出力する帳票基盤ソリューションです。

累積社数32,900社(※1)を超える国内シェアNo.1(※2)の帳票基盤ソリューション「SVF」の機能をクラウド上でご利用いただけます。
※1:パッケージ版とクラウド版の合計値(2023年2月末)
※2:株式会社デロイトトーマツミック経済研究所「帳票設計・運用製品の競合調査2022年度版」(帳票運用製品)

帳票を新たに作成する場合も、既存の帳票レイアウトを移行する場合も、ノンプログラミングで簡単に設計することができるので、帳票開発の負荷を軽減することが可能です。また、PDFなどの電子ファイルでの出力はもちろん、プリンターでの印刷やメール・FAX送信などさまざまな出力形態に対応しています。さらに、業務システムや他アプリケーションと柔軟に組み合わせることができ、データ連携・マッピングにより効率的な帳票作成を実現します。

見積書PDFの送受信なら「invoiceAgent 電子取引」

「invoiceAgent 電子取引」は、見積書や請求書などのPDFデータの送受信を実現するソリューションです。
PDFデータをアップロードするだけで取引先に配信することができ、取引先から発行される帳票も「invoiceAgent 電子取引」上で受け取り可能です。
取引先ごとに私書箱が設置されるため、複数の取引先とのやり取りを「invoiceAgent 電子取引」のプラットフォーム上で完結することができます。
また、複数の取引先の帳票データが1つのPDFファイルにまとまっていても、取引先ごとに自動で分割されるため仕分けの負担を軽減可能です。

PDFなどの文書データの一元管理なら「invoiceAgent 文書管理」

「invoiceAgent 文書管理」は、文書データの一元管理を実現するソリューションです。
PDFをはじめとしたさまざまな形式に対応しており、「invoiceAgent」製品はもちろん、外部システムで作成・出力した文書データをまとめて取り込み、自動で仕分け保存を行います。
保存した文書データは、高度な検索機能で速やかに参照・出力することが可能。取引先名や取引年月日、金額など、複数の条件での検索に対応しています。
また、文書の保存期間に応じた自動削除機能や、改ざんを防止・検知する証跡管理機能も備わっており、文書のライフサイクルを適切かつ効率的に管理することが可能です。

見積書PDFのテキストデータ化なら「invoiceAgent AI OCR」

「invoiceAgent AI OCR」は、紙やPDF形式の文字情報をテキストデータ化するソリューションです。
高精度な5つのOCR/AI OCRエンジンを搭載しており、読み取り項目の性質にあわせて適切なOCR/AI OCRエンジンを選択したり、1つの読み取り項目に対して複数のOCR/AI OCRエンジン処理を施すことも可能です。
また、読み取り画像の歪みや傾きを自動で補正する機能も備わっています。
これらの特徴により、活字・手書き文字を問わず高い精度で文字認識することができ、文書内の情報をテキストデータ化することが可能です。

見積書作成の効率化を実現した企業事例

最後に、ウイングアーク1stのソリューションを活用して見積書作成を効率化した事例をご紹介します。

Salesforceデータから見積書や請求書を自動発行(アスノシステム)

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「会議室.COM」などのサイト運営事業を手掛けるアスノシステム株式会社は、「SVF Cloud」を導入して見積書や請求書を自動発行する仕組みを構築しました。

同社では事務処理の効率化を図り2016年にSalesforceを導入していたものの、見積書や請求書の作成に関しては担当者がエクセルなどを用いて手作業で行っている状況でした。手作業での帳票作成は手間がかかり、管理の煩雑さや再発行時の負担なども課題視されていました。
そこで同社はSalesforceに登録されたデータから見積書や請求書などの帳票を直接発行できる仕組みを構想開始。製品選定では、Salesforceとの親和性の高さや容易に帳票を追加できる点などを評価し、「SVF Cloud」の導入を決めました。

「SVF Cloud」の導入により、Salesforceから見積書本体と請求書を直接発行することが可能になり、エクセルを使った手作業が不要に。帳票発行の自動化に効果を得た同社は、コロナ禍におけるリモートワークの普及をきっかけに、帳票をWeb配信するための仕組み作りにも着手しました。
先行導入していた「SVF Cloud」との親和性や操作のわかりやすさを評価し「invoiceAgent」を導入。帳票の発行から配信までを一気通貫で実行できる仕組みが整い、事務作業の負担を大幅軽減することに成功しました。

▼事例詳細はこちら
アスノシステム株式会社のSVF Cloud・invoiceAgent導入事例をもっと見る

見積書や請求書などの作成時間を600分の1に短縮(サポーターズ)

エンジニア職・ビジネス職の新卒・中途採用支援事業や転職活動支援事業を展開する株式会社サポーターズは、「SVF Cloud」を導入して三ツ持署や請求書などの帳票作成を効率化しました。

同社では従来、個々の担当者が手作業で帳票を作成しており、フォーマットのバラつきや受注後の請求管理などの後工程の負荷が課題となっていました。
そうしたなか、同社では社内の情報基盤の整備を目的にSalesforceの導入を決定。Salesforceの導入をきっかけに、Salesforceに入力したデータを基に見積書などの帳票を出力する仕組みを構想開始しました。Salesforceの担当者に相談したところ、「SVF Cloud for Salesforce」を紹介され、検討を経て採用を決定しました。

「SVF Cloud for Salesforce」の導入後、現場担当者がExcelなどを使って個別に作成していた帳票を1クリックで出力できる仕組みが完成。これまで10分かかっていた作業を1秒で行えるようになり、従来の600分の1まで時間短縮することに成功しました。また、以前は作成者が勝手に見積書のフォーマットを変更してしまうようなケースもありましたが、誰であってもまったく同じ仕様の帳票を出力できるようになりました。

▼事例詳細はこちら
株式会社サポーターズのSVF Cloud導入事例をもっと見る

まとめ

今回は、ビジネスシーンで扱う帳票のなかでも見積書に焦点を当てて、PDF化の有効性や方法、メリットなどをご紹介しました。

紙ベースの見積書運用からPDFでの運用に切り替えることで、コスト削減や業務効率化、セキュリティ・ガバナンスの向上など多くのメリットが期待できます。

そして、ウイングアーク1stの「invoiceAgent」を利用することで、PDFの見積書などの文書データの運用をさらに便利にすることが可能です。

見積書をPDF化したいと考えている企業は、「invoiceAgent」の利用もあわせて検討してみてはいかがでしょうか。

ペーパーレス化を実践する3つのステップとは?

業務効率化・テレワーク実現に向けて、まず取り組むべき「ペーパーレス化」。
・ペーパーレス化により業務を効率化しテレワークを促進したい
・ペーパーレス化を実践するための手順が知りたい
こんな課題がある方へ、ペーパーレス化を実践するための3つのステップを解説します。

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